日向高校




























小説トップ
サイドストーリー
彩花の誕生日
彩花「ねぇねぇ、和也くん!明後日ってなんの日かわかる?」
部活前の部室で、彩花がテンション高めで話しかけててきた。
和也「明後日?なんだろう?何かの発売日とか?」
彩花「ちがーう!!もっと大事な日だよっ!」
和也「大事な日…。あっ!わかった!」
彩花「やっとわかった!?はい、どうぞ!」
和也「今日から新しいドラマ始まるのね!」
『ドテッ』和也の発言で転びそうになる彩花。
彩花「全然ちがーう!!もう、和也くんなんて知らない!」
彩花は頬を膨らませて部室を出て行った。

和也「ふぅーっ。本当にこれでいいの?」
久美「ばっちりばっちり!」
和也「なんか嘘つくのは気が引けるなぁ」
美玲「これもサプライズの為だよ!女の子はサプライズが好きなんだからっ!」
和也「サプライズねぇ〜」

なぜこんなことになっているかと言うと、遡る事、3時間前のお昼休み。

和也「彩花の誕生日をお祝いしたいんだけど、何したら喜ぶかな?」
みんなに彩花の誕生日の事を相談する。
紗理菜、優佳、愛奈に協力してもらい、彩花は3人と教室でお弁当を食べている。
京子「あやの誕生日?」
史帆「としちゃんは、和くんと一緒にいるだけで喜ぶけどなぁ〜!」
美玲「みーぱんも!」
久美「とりあえず、この2人はほっといて、普通にお祝いしてくれるだけでも嬉しいと思うよ?」
和也「普通にお祝いかぁ〜」
芽依「そういえば、ちょっと前にあやが、和くんの事をコーディネートして、その服でデートしたいって言ってたで?」
京子「それだ!それでいいじゃん!」
和也「コーディネートか…。確かに彩花はオシャレだからいいかも!みんな、ありがと!早速誘ってみるよ!」
美玲「ちょーっと待ったぁ!!」
和也「えっ?何??」
史帆「和くん、もしかして、普通に誘おうとしている?」
和也「そうだけど、それ以外に何かあるの?」
久美「これだから鈍感な人は!全然、女心がわかってなーい!」
和也「女心…?」
芽依「女の子はサプライズが好きなんよ?」
和也「サプライズ…?」
京子「こりゃだめだわ…。私達が考えるからそれ通りにしてね!」

それで、話し合った結果。当日まで忘れてるフリをして、驚かせる作戦になった。
和也「でも、芽依はいいの?彩花と仲良いのに、誕生日の日に俺に譲ってくれて」
芽依「仲が良いから和くんにお願いしてるの!芽依は次の日にお祝いするから」
和也「そっか。ありがと」

そして、彩花の誕生日当日。
芽依と遊ぶ約束を取り付けてもらい、家まで向かいに行く手筈になった。
(なんか緊張するなー)彩花の家に着いて、インターホンを押す。
彩花「はーい!めいめい、待ったよ〜!って、和也くん!?あれ?めいめいは?」
和也「ごめん。今日は俺なんだ。彩花、誕生日おめでとう!誕生日の日に悪いけど、服をコーディネートして欲しいんだ」
『パタンッ!』玄関が閉められた。
和也「……。まさか、怒ってる!?」
サプライズをする為に嘘をついた事に、怒ってしまったのか、彩花は家の中に戻って行ってしまった。
和也はどうするか悩んでいると、「お待たせ〜っ!」と彩花が家から出てきた。
和也「あれ?怒ってたんじゃ…」
彩花「怒ってる?なんで?私は、和也くんとデートだから、着替えてきただけだよ?」
確かに言われてみれば、さっきと服装が違う。
彩花「誕生日に和也くんとデートできるなんて嬉しい!しかも、コーディネートしていいなんて!早く、デパート行こ!」
彩花は和也の手を引っ張って駅に向かった。

デパートに着いて、衣類が売っているショップに入った。
彩花「うーん。これじゃないなぁ〜。こっちかな〜?でも、これも似合うなぁ〜?このキャップ可愛い〜!お揃いでほしいなぁ〜」
彩花は真剣に服を選んでいる。
彩花「ねぇ〜、これ試着してみて〜!」
和也は彩花から服を渡されて、試着室の中に入った。

彩花「どう〜?」
和也「うわぁ!まだ着替えてる途中なんだけど」
着替えている途中、彩花が試着室に入ってきた。
彩花「もぉ〜、なに恥ずかしがってんの?恥ずかしがる様な仲じゃないじゃん?それより早く着替えて!」
彩花に急かされて、和也は着替え終わった。
彩花「うんっ!カッコいい!!めっちゃ似合ってる!」
和也「こーゆうタイプの服、あんまり着ないからなんか新鮮だし、照れるな」
彩花「ほんと似合ってるよ!」
彩花はそう言うと、顔を近づけてキスをしてくれた。
和也「ここ、デパートだよ?」
彩花「誰も見てないから大丈夫だよ!」
和也「でも、まぁ、ありがと。これにするよ!」
和也は彩花が選んでくれた服と、彩花にバレないようにもう一つある物を買った。

和也「ちょっとトイレ行ってきていい?」
彩花「うん!そこで待ってるね?」
ショップを出て、トイレに向かう。
「お待たせ」トイレから出て、待っていた彩花に声をかける。
彩花「えっ…着替えてくれたんだ…それにそれって…」
和也「これ彩花の分だよ。誕生日プレゼントです」
和也は彩花の頭にお揃いのキャップを被せた。
彩花「嬉しい…」
彩花は感動のあまり涙を流す。
和也「それじゃ、違うところに行こっか?」
和也は彩花の手を握って歩きだした。

彩花「あぁ〜、楽しかったなぁ〜!本当、時間があっという間に過ぎたよ!」
日向町に帰って来て、彩花を家まで送っていく。
和也「俺も楽しかったよ」
彩花「明日はめいめいと会えるし、幸せだぁ〜!」
和也「よかったね。芽依とたくさん楽しんでね!」
彩花「うん!今日はありがとね!」
彩花の家の前について、彩花が笑顔で振り向いた。
和也「こちらこそ。誕生日おめでとう」
彩花「来月は和也くんの誕生日をお祝いしなきゃね!最後にもう一回…」
彩花の顔が近づいてきて、唇が重なった。
彩花「バイバイ!気をつけて帰ってね!」
彩花は可愛い笑顔と共に家の中に入って行った。

■筆者メッセージ
だいぶ長くなってしまいました〜!
しゃもじ ( 2021/11/02(火) 18:09 )