日向高校




























小説トップ
サイドストーリー
未来虹の誕生日
和也はここ1週間ずっと悩んでいた。
今日も部活が終わってから、1人で部室で悩んでいた。
ひなの「先輩、怖い顔してますが、どうかなさったんですか?」
菜緒「なんか悩んでるの?1週間ぐらいそんな感じだよね?」
和也「あっ、菜緒とひなの。うん、ちょっと悩み事」
菜緒「悩み事?菜緒たちで良かったら話し聞くよ?ねっ?なのちゃん」
ひなの「はい!悩み事を聞くの得意です!」
和也「そんな特技あったんだね。1人で考えても分からないし、話し聞いてもらおうかな」
菜緒「うん!任せてよ〜!」
和也「あのさ、もうすぐ未来虹の誕生日だよね。それで、こっちに来て初めての誕生日だしお祝いしてあげたいんだけど、どうしたらいいのか分からなくて」
菜緒「そっか!未来虹ちゃん、誕生日だったね!うーん。なのちゃん、なんかいい考えある?」
ひなの「はいっ!ありません!」
和也・菜緒「……。」
真っ直ぐな瞳で返事をするひなの。
和也「菜緒、どうすればいいかな?」
菜緒「和くんがどこか連れて行ってあげれば?」
和也「そんなので喜ぶかな?」
菜緒「菜緒はめっちゃ嬉しいけどなぁ〜」
和也「うーん。鈴花とかみんなの方がいいんじゃないかな?」
ひなの「でも、前、未来虹ちゃんが先輩とお出かけしたいって呟いていました!」
菜緒「やっぱり和くんと居たいんだね!でも、菜緒もお祝いしたいなぁ〜」
ひなの「そうだ!私、いい事思いつきました!」
ひなのは2人を顔の近くまで呼んで、小さな声で話した。
和也「うん!それいいね!」
菜緒「うんうん!さすが菜緒の妹やなぁ〜!」
ひなの「えへへっ、なら、こっちは私と菜緒さんに任せてください!」
和也「えっ?いいの?」
菜緒「うんっ!任せて!和くんは未来虹をお願い!」
和也「わかった。なら詳しい詳細は後日決めよ!」
こうして、未来虹の誕生日のプランが決定した。

翌日の昼休み、和也は未来虹をお昼ご飯に誘った。
屋上で未来虹を待っていると、「お待たせしました!」未来虹が小走りで駆け寄ってきた。
和也「急にお昼誘ってごめんね?」
未来虹「全然大丈夫です!でも、急にどうしたんですか?」
和也「あーっ、なんか未来虹と一緒にご飯食べたくなってさ」
未来虹「そうなんですか!ふふっ、気まぐれでも嬉しいです!」
その後、未来虹とたわいもない話をして、本題に入った。
和也「未来虹、今週の土曜日何してる?」
未来虹「今週ですか?ちょっと待ってください」
未来虹はスマホで予定をチェックする。
未来虹「その日は何もないです!部活も無いので1日暇ですね!」
未来虹はそう言うと笑っていた。
和也「なら、その日遊びに行かない?」
未来虹「えっ…」
未来虹がフリーズしている。
和也「あの…どうでしょう?」
未来虹「あっ!行きたいです!絶対行きたいです!」
和也「よかった。断られたらどうしようかと思った」
未来虹「先輩のお誘いを断る訳ないです!」
和也「ありがとう。なら、また時間はメッセージするね!」
未来虹「はい!よろしくお願いします!」
未来虹との約束を取り付け、菜緒とひなのにメッセージを送った。

    〜土曜日の昼過ぎ〜
未来虹が観たい映画があるそうなので、ショッピングモールに行くことにした。
和也は駅で未来虹が来るのを待っていた。
未来虹「ごめんなさい!お待たせしました!」
未来虹を待つこと数分。未来虹が申し訳なさそうに来た。
和也「ううん、俺も今来たとこだよ」
未来虹「うわぁ〜!」
和也「んっ?どうしたの?」
未来虹「今のセリフ、ドラマ見たいです!ちょっと憧れだったんで!」
和也「そうなんだね。そう言われると恥ずかしいな。それじゃ、もうすぐ電車も来るし行こっか!」
未来虹「はい!よろしくお願いします!」

電車に乗って、ショッピングモールに着いた。
未来虹「映画楽しみですね!いい席取れるかなぁ〜」
和也「大丈夫。チケット取ってあるよ」
未来虹「ええっ!そんなことしてくれたんですか!?」
和也「観るならいい席で観たいし、並んだりする時間がもったいないからね!」
未来虹「感動です!嬉しいです!」
和也「そんなすごいことじゃないよ。飲み物買いに行こうか」
未来虹と飲み物を買いに行き、席に着いた。
上映時間になり、照明が消えて暗くなる。
すると、肘掛けに置いてある手に未来虹が自分の手を重ねた。
和也「えっ…」
未来虹「シーッ!はじまりますよ」
そして、映画が終わるまで2人の手は重なったままだった。

映画が終わって、ショッピングモールもぶらぶらする。
未来虹「うわぁ〜!これ可愛いなぁ〜!」
未来虹は空色の髪留めを見ていた。
未来虹「和也先輩、どうですか?」
和也「すごく似合ってるよ」
未来虹「そうですか!やったぁ〜」
未来虹は喜んでいたが、髪留めを元の位置に置いた。
和也「あれ?買わないの?」
未来虹「うーん。他にもいいのがあるような気がして…他も見てもいいですか?」
和也「うん。まだ時間あるしいいよ」
未来虹が店内をウロウロし始めたので、和也は店員を呼んで、さっき見ていた髪留めを購入した。
店員「彼女さん、喜んでくれるといいですね」
店員はそう言って、ラッピングされた箱を渡してくれた。

和也「よしっ、そろそろ帰ろっか」
未来虹「はい!楽しかったなぁ〜!」
和也「ふふっ、まだ終わりじゃないんだけどなぁ〜」
未来虹「そうですよね!お家に着くまでですよね」
2人は電車に乗って、日向町に帰った。
和也「お腹空いたね?ご飯食べよっか」
未来虹「はい!めっちゃ空きました!」
2人は日向町にある焼肉屋に入った。
未来虹「2人なのにお座敷なんですか?」
和也「理由はね、これなんだ」
和也は座敷の扉を開けると、『パァーン!』クラッカーの音が鳴り響く。
『未来虹、お誕生日おめでとう!』
そこにはアイドル部のメンバーがいた。
未来虹「えっ、えっ、なんで?」
未来虹は理解出来ずにテンパってる。
菜緒「なのちゃんが考えてくれたんだよ」
ひなの「いえ、先輩が未来虹ちゃんをお祝いしたいって言ったからですよ」
未来虹「和也先輩…」
和也「せっかくの誕生日なのに、泣いてたらもったいないよ?」
史帆「そうだよぉ〜!誕生日は笑わなきゃ!」
明里「そうそう!はい、にぱーっ!」
未来虹「そうですね!私、笑います!」
鈴花「いい笑顔!はいっ!これプレゼント!」
未来虹「鈴花さんからプレゼントって嬉しすぎます!」
美玲「これはみーぱんからだよ!」
みんなに祝福されて、未来虹は最高の笑顔をしていた。

そして、焼肉も食べ終わり、未来虹を家まで送って行った。
未来虹「もう、ほんとに嬉しかったです!」
和也「ふふっ、何回も聞いたよ」
未来虹「和也先輩、本当にありがとうございました!人生で1番幸せな日になりました!」
和也「そう言ってもらえると嬉しいよ。あっ、家に着く前にこれ渡しとくね。誕生日おめでとう」
和也は髪留めの入った箱を未来虹に渡した。
未来虹「これって…プレゼントですか…?」
和也「うん、そうだよ。開けてみて?」
未来虹「なんだろう…。あっ!これって!」
和也「うん。欲しそうにしてたから買ったんだ」
未来虹「うぅ…。どうしよう涙が溢れてきましたぁ〜」
和也「なんで!?どうしたの?」
未来虹「嬉しすぎて涙が…」
和也「今日1日で泣いたり笑ったり忙しいね」
和也はそんな未来虹の姿を見て笑っていた。
そして、未来虹の家の前についた。
未来虹「ほんとにありがとうございました!和也先輩の誕生日は、私がいーっぱい愛情込めてお祝いします!」
和也「それは楽しみにしてるね。それじゃ、また学校で」
未来虹「はい!おやすみなさい」
未来虹は家の中に入っていった。

未来虹は月曜日の学校で、和也から貰った空色の髪留めを付けて笑顔で登校していた。

■筆者メッセージ
誕生日ですね!

ちょっと長くなってしまいましたぁ〜笑
しゃもじ ( 2021/09/27(月) 18:08 )