日向高校




























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第8章
目撃者
「ピンポーン」インターホンが鳴る。玄関を開けると美玖がきた。
和也「いらっしゃい。」
美玖「あ、あの、よろしくお願いします。」
和也「なにがよろしくなの?」
美玖「あ、間違えました。お邪魔します!」
和也「あははっ。誰もいないし緊張しなくていいよ!」
美玖を家に入れて、リビングに向かう。
美玖「あの、夜ご飯なんですけど、私が作ってもいいですか?」
和也「美玖が作ってくれるの?ありがとう。うれしいよ!」
美玖「簡単なものしか出来ないですが。」
そう言って、買ってきた食材を持ってキッチンに向かう。
和也「何か手伝うことある??」
美玖「いえ!先輩は休んでてください。怪我もまだ治っていないですよね?」
和也「怪我はもう痛くないから大丈夫だよ?」
美玖「そうですか。よかった。なら先にお風呂入って下さい。その間に作るんで!」
和也「いいの?ならお言葉に甘えて。ご飯はは朝の残りが炊飯器にあるから!」
和也はお風呂場に向かった。美玖はその間にご飯を作る。30分ほどしたら、和也がお風呂から出てきた。
美玖もちょうどご飯を作り終わったところだった。
美玖「こんなのしかできませんでしだか。」
そう言ってオムライスを作ってくれた。
和也「オムライス!!めっちゃ好なんだよね!食べていい?」
美玖「良かったです。どうぞ。口に合うかわかりませんが。」
和也は美玖が作ったオムライスを一口食べる。
和也「美味しい!めっちゃ美味しいよ!」
子どもみたいな笑顔で黙々と食べ始めた。その姿をみて美玖も微笑んだ。ご飯を食べ終わって、片付けをする。
和也「片付けは俺がするから、美玖はお風呂入ってきていいよ?」
美玖「えっ?でも?」
和也「大丈夫だからいっておいで?」
美玖「ありがとうございます。」
美玖はお風呂を入りにいった。和也は食器などを洗い、美玖が出るまでテレビを見ていた。
美玖「お風呂ありがとうございました。」
1時間ほどして美玖が出て、2人でテレビを見ていたが、美玖が眠たそうな顔をしていたので寝ることにした。和也の部屋に行く。
和也「美玖はベッドで寝ていいよ。俺は床に布団引いて寝るから。」
美玖「えっ?でも・・・」
和也「いいよ。気にしないで。」
美玖は動こうとしない。
和也「どうしたの??」
美玖「先輩と一緒・・・」
和也「一緒に寝ていいの?」
美玖は頷いた。そして、ベッドに2人で入る。すると、美玖がとんでもないことを口にする。
美玖「先輩。私見ちゃったんです。」
和也「見たって何を?」
美玖「昨日、菜緒が先輩の部屋に来てやっていたことを。」
和也「えっ・・・」
和也は頭が真っ白になった。美玖はそのまま話し出す。
美玖「たまたま起きたら菜緒がいなくて、先輩に聞きに行こうとしたら見ちゃって・・・」
和也「そうなんだ。」
和也は美玖に嫌われたと思った。
美玖「それで・・・あの・・・。私も同じことが出来たらなぁって思いまして。」
和也「えっ?」
美玖「私じゃ嫌ですか?」
和也「嫌っていうか、嫌われたと思ったから。」
美玖「嫌いだったらここに来ませんよ。」
たしかに嫌いな人の家にわざわざこない。和也はテンパって考える能力が低下していた。
美玖「それで、だめでしょうか・・・」
和也「美玖がいいなら。」
美玖「よかった。」
こうして、美玖との長い夜が始まる。

しゃもじ ( 2021/05/07(金) 14:21 )