日向高校




























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第7章
菜緒の秘密
和也は美玖を家まで送って、学校に忘れた荷物を取りに行っている。
学校の近くまで行くと、菜緒が前から歩いてきた。
和也「お疲れ様。今帰り?」
菜緒「うん。今から和君のとこに行こうと思って。」
和也「俺のとこ?大丈夫?また何があった?」
菜緒「何もないよ。和君の荷物を届けに。練習が終わって帰ろうとしたら、紗里菜さんに会って、和君の荷物が置いてあるけど、この後用事があって行けないから代わりに届けてほしいって頼まれたの。」
和也「ありがと。助かったよ。」
菜緒「自分の荷物忘れるとかアホやなぁ〜」
菜緒は笑っていた。
和也「ほんとだね。必死だったから忘れてたよ。」
菜緒「金村は大丈夫だった?」
和也「とりあえず手当てはしたけど、まだ無理はしない方がいいかな。」
菜緒「和君は本当に優しいね。金村が転んだ時来てくれてありがとう。男子も揉めてたし凄い不安だった。」
菜緒は泣きそうな顔をしていた。
和也「学年は違うけど、いつでも何かあったら相談してね?みんなには内緒だけどね!」
菜緒「先輩怖いもんね?」
和也「みんなも体育祭勝つために必死なんだよね。」
和也は笑って答える。
菜緒「和君。菜緒もおんぶして?」
和也「いいけど急にどうしたの?」
菜緒「和君にくっつきたくなっただけ。」
和也「甘えん坊さんだね。はいっ。乗って」
菜緒「ねぇ和くん、もう一つわがまま言っていい?」
和也「いいよ!俺に出来ることなら。」
菜緒「体育祭、菜緒のことも応援してな?」
和也「そんな事言わなくても、いつも菜緒のこと応援してるよ?」
菜緒「ありがと。大好き・・・」
和也「ん?最後なんて言った?トラックが通り過ぎて聞こえなかった。」
菜緒「なーいしょ!自分で考えてくださーい!」
和也「んーなんだろう。お腹空いたとか?」
菜緒「全然違ーう!!」
和也「なんなのさ。気になるじゃんか!」
菜緒「内緒なの!女の子の内緒は聞いちゃだめなんだよー!」
和也「なんかずるいな〜!」
2人でじゃれていると、「あー!!」後ろで大声が聞こえる。(嫌な予感がする。)恐る恐る振り向くと、かとしと高本さんがいた。
史帆「和君なんでこしゃをおんぶしてるのさぁ〜!」
彩花「こさかな贔屓だぁ〜!!」
和也「これには事情がありまして。」
史帆、彩花「なによ?」
和也「美玖を家まで送ったんだけど、荷物忘れちゃって。菜緒が途中まで持ってきてくれて。」
史帆「ちょっと待って。ねぇおたけ。」
彩花「史帆も気づいた?」
菜緒「私も気付きました。」
和也「何事でしょう?」
史帆「美玖ってなに?なんで呼び捨てなの?」
彩花「私なんてまだ高本さんなのに!!」
菜緒「先輩。そういえば、男子に怒ってる時も美玖っていってましたね?」
和也「これには事情がありまして・・・」
史帆「あれだけ、体育祭は贔屓しないって言ったのに!!!京子にも贔屓して!」
菜緒「京子さん?京子さんに何したんですか?」
こうしていつものように追い詰められている和也。みんなの機嫌を取るために、3人順番におんぶをして帰った。
最後、菜緒を送っていくときに
菜緒「和君と菜緒との秘密はすぐにバレちゃったね。」
そうやって呟いた。

しゃもじ ( 2021/05/04(火) 22:15 )