日向高校




























小説トップ
第6章
菜緒との約束
休日。和也は電車にいる。横には笑顔の菜緒。テストが終わったら遊びに行く約束をしてたからだ。
和也「楽しそうだね?」
菜緒「だって恐竜博物館だよ?楽しみの他に何もないよ!」
こんなキラキラした目をしている菜緒は初めてだ。菜緒は小さい頃から恐竜が好らしく、和也もその事は聞いていた。菜緒とどこに遊びに行くか考えていたら、テレビCMで恐竜博物館が流れていたので、ここに行くことを決めた。
和也「ならよかったよ。」
菜緒「そう言えば、ちゃんと荷物持ってきてくれた?」
和也「大丈夫。ちゃんとあるよ。」

昨日の夜のことだ。菜緒と今日のことで電話していた。
和也「恐竜博物館に行かない?」
菜緒「恐竜!!??行きたい、行きたい!」
和也「ならそこにしようか!」
菜緒「うん!!ねぇ、和君。」
和也「どうかした?」
菜緒「次の日も暇かな?」
和也「うん。何も予定はないよ?」
菜緒「なら明日菜緒のお家に泊まってくれへん?」
和也「菜緒の家に?でも、家族いるよね?」
菜緒「明日は家族は大阪の親戚の家に行くの。菜緒も誘われたけど、和君と遊ぶ約束あったから断った。」
和也「そうなんだ。明日は帰ってこないの?」
菜緒「うん。日曜日の夜になるって。だからどうかなって。」
和也「そっか。菜緒がいいなら泊まろうかな。」
菜緒「ホント?なら明日荷物持ってきてね?」

という流れで今に至る。
菜緒は最近とても明るい。そして、時折甘えてくるところが可愛いと思える。
菜緒「人の顔みてどうしたの?」
和也「いや。菜緒はほんとに明るくなったなーって。初めて会った時はクールだったのに。」
菜緒「クールじゃなくて人見知りだったの!」
和也「そうだったね。ずっと本ばかり読んでた。」
菜緒「昔のことはいいの!でも、和君はずっと変わらないね?」
和也「そうかな?成長してないのかな?」
菜緒「特にその鈍感なところが!」
和也「そんな鈍感なのかな?そういえば、最近時間なくて言えなかったけど、球技大会の時に手当てしてくれてありがと。」
菜緒「ほんと心配したんだから!」
和也「どうしても負けれなかったからね。でも、試合中に居なくなるとは思わなかったよ。」
菜緒「和君が負けるはずないと思ったから。だから、試合終わったらすぐに手当てできるようにしときたかったの。」
和也「そっか!信じていてくれてありがと。」
菜緒「和君のことは疑ったこと一度もないよ?ずっと信じてるから。」
和也「でも、初めて会った時は絶対不審者だと思ったよね?」
菜緒「あれは和君が悪いよ。話したことない人に、いきなり名前呼ばれたら誰だって疑うよ。」
和也「あははっ。それもそうだね。」
会話をしていたら、目的地がある駅に着いた。
電車から降り目的地に向かう。
菜緒「早くいこっ?」
菜緒は笑顔で和也の手を取り歩き出した。

しゃもじ ( 2021/05/03(月) 00:51 )