日向高校




























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第6章
信頼関係
和也は授業中にこっそり手紙を読んだ。
「佐藤先輩へ。今日の放課後屋上に来てください。」
(伝えたい事?なんだろう。てか、誰なんだろう。)
白石「佐藤君!聞いてる??」
和也「ごめんなさい!」
「アハハっ」クラスは笑いに包まれた。
掃除の時間になった。
潮「授業中にボーッとするなんて珍しいね?」
和也「テスト期間が終わって気が抜けちゃったかもね」
和也は手紙の事を隠した。みんなに心配をかけたくなかったからだ。
放課後。和也は屋上に向かう。
鈴花「あっ監督!」
和也は気づかずに行ってしまった。
鈴花「行っちゃった。ん?なんだこれ?」
鈴花は落ちていた手紙を拾い中身を読んでしまった。そして、ダッシュで部室に向かう。
鈴花「たっ、大変ですー!!」
美穂「なになにどうした??」
久美「なにがあったの??」
鈴花「監督がラブレターもらって行っちゃいました!!」
「えぇー??」部室が騒がしくなる。
史帆「監督どこに行ったの?」
彩花「鈴ちゃんそれ本当なの?」
鈴花「はい。さっき先輩とすれ違って、声をかけたんですが、気づかなくて行っちゃって。そしたら、この手紙を落として行きました。」
好花「よし、屋上行きましょう。」
みんなは屋上に行こうとした。
久美「みんな待って!!」
久美が突然叫んだ。
史帆「きくちゃんどうしたの?」
久美「屋上行くのはやめよ?」
彩花「なんで??監督が取られちゃう!」
久美「もし、自分が相手側の立場だったらどうする?自分が悩んで決心したのを邪魔されたら?嫌じゃない?」
「・・・」みんな黙り込む。
久美「確かに監督がどこかに行っちゃうのはやだよ?でも、それってなんか監督を信じてないみたい。監督はいつも私達を一番に考えてくれて、これからもずっと進んでくれるって言ったんだよ?だから、監督を信じよ?」
美玲「そうだよね。久美の言う通りだね。」
史帆「自分たちの考えだけ押し付けちゃってた。」
彩花「監督が誰と付き合っても、監督は監督だもんね。」
すると、和也が部室に入ってきた。
和也「遅れてごめんね。あれ?どうしたの?」
史帆「監督ごめんね?私達もっと大人になるね?」
和也「ん?なんのこと??」
彩花「でも、付き合っても監督辞めないでね?」
和也「ん?付き合う??辞める?あっー!富田さんがその手紙拾ってくれたんだ。」
鈴花「先輩が屋上行く時にすれ違って、落ちたのを拾ってしまって。」
和也「探してたんだよね〜!んで、屋上に行ったら、一年生の男の子が待っててさ。次の大会でレギュラーになりたいから、バスケ教えて下さい。って言われてさ!渡邊さんがいて、時間がある時ならいいよって返事したんだ。なんか、みんなには内緒で上手くなりたいらしくて屋上に呼んだ・・・なんでみんな急に怖い顔するの??」
「かーんーとーく!!!!」
和也「えっなに??なんで急に怒ってるの??」
史帆「もー!!許さない!」
美玲「みんな監督を捕まえて!」
和也「えっなんで?てか、さっき大人になるって言ったじゃん!!」
彩花「もー辞めた!!」
部室で追いかけっこが始まる。みんなは笑顔で追いかけて、和也は必死で逃げる。「やれやれ」と呆れる久美。
菜緒は鈴花から手紙を取り文を読む。
菜緒「これめっちゃ男子の字じゃん。」
鈴花「あれ?ホントだ。文章だけみてびっくりして、ちゃんと文字まで見てなかったわ!」
放課後も元気なアイドル部でした。

しゃもじ ( 2021/05/02(日) 21:30 )