8話
街に着き、ミサさんに事情を話すと、ナナセを特別にギルドに入れてくれた。
そして、ナナセの加入により パーティの回復不足を補うことができたのだ。そうだ、ナナセのレベルを見てみよう。どれどれ......レベル150。めちゃくちゃ高いじゃないか!一応俺の方が力が上なのだが、戦い方などを考えると彼女に劣る。俺もスキルにポイントを振れば彼女を凌駕する力を得ることが出来るのだろうか。
テチが疲れて眠ってしまったので、俺はナナセと食事を取っていた。
「誰かとご飯食べるの久しぶりや」
「仲間になってくれてありがとうな。ナナセ」
「ナナもいつか仲間が欲しいなって思ってたからええねん。それで話って何?」
「いやな、どうやったら強くなれるんだろって」
「なんやそんなことか。簡単やで。経験や経験。ナナはずっと1人やったからモンスターに襲われても大丈夫なように魔法の練習して、何回もモンスター相手に試したんや」
「俺さ、ほんとに経験積まないままレベルだけ強くなっちゃってどうしてもレベルに頼ってしまうんだ」
「確かにナナと戦った時もけっこう強引やったしなぁ」
ナナセはうーんと考え、少ししてハッと何かが閃いたように口を開ける。
「レベル下げたらええやん。ナナの魔法にな、レベル下げる魔法があんねん。それで鍛えればええ」
なるほど、それなら自分対等、それ以上の敵との戦い方を身につけることが出来る。どのくらい下げようか。いっその事テチに合わせるとするか。
「テチと同じにしてほしい」
「分かったで」
ナナセが俺に手をかざす。すると、紫の光に包まれた。俺はすぐにステータスを確認するレベルは56となっている。テチってめちゃくちゃレベル上がるの早いな。
「ナナも下げよっと」
ナナセは自分に魔法を使った。これでみんな揃って同じレベルだ。
「レベルと基本ステータスが下がっただけでスキルはそのまま引き継いでるで」
「ナナセありがとう」
「えへへ。感謝されるのって嬉しいな」
ナナセは歯をみせて笑った。
「この魔法って元に戻すこともできるのか?」
「もちろん大丈夫やで。戻りたくなったらいつでも言ってや」