2章
1話
クエスト出発の前日の今、テチから魔法を学んでいる。魔法の種類や魔法のルーツまでありとあらゆることをテチから教わっていた。

「魔法にはその人が得意な属性があります。得意な属性は他の属性よりも魔力消費を抑えられたり、強力な魔法を使うことができます。その判別するために使うのがこの魔石です」

テチは手のひらサイズの石ころを見せる。神の力が入っていたのと同じものだ。

「これに魔力を込めてください。込めるとこの石の中に込めた魔力の属性が現れます。私がやってみますね」

テチが石を握ると指の隙間から光が漏れ出した。

「入りました。さ、この石を見てください」

魔石を見ると炎、雷、黒い玉これは闇?が見えた。

「私のは火と雷と闇です。闇属性はレアなんですよ」

闇属性か。なんかテチに似合ってるな。よし、俺は何属性かな。石を握るとテチが握った時と比べものにならないほどの光が漏れ出した。魔石からはまだ光が放たれている。

「これは光属性です。すごく珍しいです。見えづらいかもしれませんが、水属性もあります」

「俺は水と光か」

「いえ、もうひとつあります。これはもっと珍しいです。無属性魔法ですよ。私初めて見ました」

「無属性魔法?」

「自強化だとか、敵探知だったり攻撃魔法があったりとか色々あってよく分からない魔法です」

もしかして最初にポイントを振った敵探知や隠密スキルは無属性魔法だったってことか。見たところ攻撃系は見つからなかったけど、攻撃系の無属性魔法もそのうち発見できるのか

「どうやって魔法の技を覚えていけばいいんだ?」

「簡単に言えばイメージすればいいんです」

「イメージする。こんな感じか?」

なんとなく手のひらに光のボールをイメージしてみた。すると、ソフトボールサイズの光の玉が現れた。

「さすがユート様!飲み込みが早いです。ユート様、スキル一覧で確認してみたらどうですか?もしかしたら新しい魔法が追加されてるかもしれませんよ」

自分の属性を理解したことで新たな魔法が解放されてるかもしれないってことか。えっと、どれどれ......あったあった。攻撃魔法もいくつかあるぞ。水系が多いな。氷もある。氷も水属性に含まれるのか。まあ、水が固体化したのが氷だしな。
あとは、光が少しとなんだこれ?想像創出?想像したものを創り出せるのか。これできたらすごくないか?

「テチ、見ててくれ」

「はい」

「想像創出」

頭の中で手のひらの上に先ほどの魔石が乗っているのを想像する。すると、ポンッという音とともに魔石が現れた。

「す、すごい。羨ましいです無属性私も使えるようになりたいなぁ」

火とか雷とか闇の方が全然かっこいいと思うんだけどな。

それからひたすらテチと対人戦をしていた。テチは相手の懐に入るのがとても上手く、この子は小回りの効く双剣やナイフを持たせればとても強いだろう。
よくよく考えたら、もしもテチが俺と同じレベルだとしたら圧倒的にテチの方が強いかもしれない。
ちなみに先日のクエストでテチはレベル30になっていた。

■筆者メッセージ
最近冷えてきましたね。冬って感じがします(><)
( 2018/12/09(日) 02:10 )