03 先手必勝
虹花は、いつも登校が早く教室から窓の外を眺めている。
きょうも、いつもの様に教室から登校してくる生徒がめんどくさそうに見ていると、いきなり扉が蹴破られる音がして振り返った。
梨加「あれ、2年はあんただけ?つまんないの…♪」
普段のおっとりした様子はなく、昨日のように(ねると喧嘩をした時のように)クスクスと笑いながら爪を噛み虹花を見つめていた。
顔には、絆創膏や湿布が貼られているがそれを剥がすとまた楽しそうに声を上げて笑い出す。
梨加「あの子に負けたから、ストレス発散のついでにあんたを潰す
♪」
梨加は勢いよく走り壁を蹴って虹花に向かって蹴りを繰り出そうとしたが、虹花はスっと回転して避けると扉のそばにたった。
虹花「ねぇ、そんなんでうちに勝てると思ってんの?
めんどくさいから消えてくんないかな…弱虫な渡辺梨加さん?」
前髪で隠れた片目で梨加を見ると面倒くさそうにあくびをしながら答えた。
梨加「勝てなくても、あんたをぶっ飛ばす♪」
梨加は虹花の挑発に首を傾げながら笑顔を見せるも目だけは笑っていなくて椅子を虹花に向かって投げつけそのまま殴りかかって行った。
虹花「話が通じない、獣にはお仕置きをしなきゃね。」
椅子が飛んできても冷静なまま軽く避けると小さく口角を上げ、梨加が目の前まで来るのを待っていた。