13 教室からの見物者
2年の今泉佑唯は教室から、ねると梨加のことを見ていた。
そのすぐ横では、佑唯といつも行動を共にする小林由依、そしてふたつの扉の前には石森虹花と原田葵が立っており、教卓の上に座っているのは織田奈那である。
虹花「ずーみん、1年の様子はどう?どっちが勝ってもうちには関係ないけど。」
虹花は、髪の毛を弄りながらめんどくさそうに聞くがそれとは正反対に葵は少し起こった表情をしながら
葵「どっちか勝った方が、うちの獲物なんだよね?だに!」
と大きな声で奈那を見ると笑顔で聞いた。
奈那「うるせーな。犬がキャンキャン吠えてんじゃねーよ。」
奈那は呆れかえっているのかちらっと葵の方を見ると持っているカッターナイフをくるくると回していた…刃の出たまま。
葵「でもそうやって約束したじゃんか!嘘つくのはいけないんだぞ!」
奈那「うるせーって言ってんじゃん。次は、あんたを狙うよ?」
葵は相手の態度が気に入らなかったのか、怒ったように奈那に食い下がるが、すごい速さで奈那が投げたカッターナイフが壁に刺さるとムスッとしながらもまた扉にもたれて黙りこくった。
佑唯「まぁ、今勝負は着いたよ。
勝ったのは転校生だね。オダナナ、どうすんの?
1年潰す?それか転校生?」
佑唯は、教室に目を戻すと奈那を見つめて楽しそうな声で聞くと由依も地面に座り下を向いていたが顔を上げると鋭い目付きで奈那を睨むように見つめた。
奈那「どっちも潰す。
3年を潰すにはまず邪魔な1年を排除しないとな。」
奈那は、また顔を上げるとニヤリと笑って1人1人の顔を見渡した。