いつの間にかの恋心その5
優子side
ハルキと二人で"ホーンテッドアパート"を乗り終えて次の目的地に選んだ"モンスターズ・アウト“ライド&ゴーシーク!"に向かってパーク内を歩いている途中に私とハルキの携帯にメールが届いた
「あ、珠理奈ちゃんからメールだ 先生との話が終わったのかな?」
「まぁ多分そうだろ、レストランに来てって書いてあるし・・・」
珠理奈ちゃんと松井先生との話し合いが終わった事を告げる様なメールが私とハルキに届いた為、私達は珠理奈ちゃん達がいるレストランへと向かった
10分程掛けてレストランに行き、扉を開けると奥の席に座っていた珠理奈ちゃんが"コッチコッチ"と言いながら、手を振っていた
しかし、その席には既に珠理奈ちゃんしか居らず、松井先生の姿は無かった
「先生は話が終わったのと同時に行っちゃったよ」
「あ、そうだったの・・・」
私の疑問に答えるかの様に珠理奈ちゃんが松井先生の動向を教えてくれた
その後、時刻が12時をもう過ぎている事もあり、そのレストランで食事をした
食事を終えると珠理奈ちゃんが私にだけ話があると言い出して、二人だけ先にレストランを出て、店の裏で話すことになった
「珠理奈ちゃん、話って何なの?」
私には話されるないようの察しがつかず、何を言われるのか少し心配であった
「あのさ、優子ちゃん ハルキについての事なんだけどさ」
「う、うん・・・」
(もしかして私がハルキの事が好きだって事を知って怒ってるのか、それとも根本的にハルキともう二度と会わないでくれとか そんなことを言われるのかな)
などと私がマイナスな事ばかりを考えているとそれとはまったく裏腹な言葉が珠理奈ちゃんの口からは放たれた
「優子ちゃんさ、今日この場所でハルキに告白する気ない?」
「え、どういう事?」
珠理奈ちゃんの言葉は私とハルキの関係を引き裂こうとするどころか、私に"ハルキに告白する気はないか?"と聞いてきたのだった
「私、さっきようやく気づいたんだよね 確かに私はハルキの事が好きだし、ハルキも今までは私の事を好きだったと思う でもそれは・・・ハルキからしてみれば誰かからの告白を待っていただけに過ぎないのかも知れないって」
一人喋り続ける珠理奈ちゃんの目元には涙がたまり、今にもこぼれ落ちそうであった
でも私にはその言葉を聞き続けて立ち尽くす事しか出来なかった
そして目から一滴の滴が地面に落ちたとき、最後の一言を口にした
「私は自分の選択に悔いはないから、優子ちゃんも将来悔いのない・・・後悔しない選択をしてね」
珠理奈ちゃんはそう告げ終わると走ってどこかへと行ってしまった
その日、夢の国で珠理奈ちゃんの姿を見かける事は無かった・・・
つづく