篠田先生の本性と黒幕
「じゃあ優子ちゃん、貴方に一つ聞くけど、貴方にとっては珠理奈ちゃんとの友情とハルキ君への愛情・・・どっちの方が大切なの?」
「え・・・」
「あ、一応先に言っとくけど、これ二者択一だからね "両方"なんて答えちゃ駄目よ」
篠田先生は不敵に笑いながら私にそう迫ってきた
(こんな二択、どうやって選べばいいの・・・)
まさしく究極の選択である
"友情"と私が答えれば、ハルキの事が好きという感情を押し殺して、ハルキと珠理奈ちゃんが仲良くしているのを指を咥えて見ているという事になる
逆に"愛情"と答えれば、ハルキとは恋人同士の関係になれるのかも知れないが、珠理奈ちゃんとは完全に疎遠関係になってしまうであろう・・・
「先生・・・こんな、こんな二択は私には選べません・・・」
これが本当の私の気持ちなのであろう
考えに考えた末で、私はハルキとも珠理奈ちゃんとも今みたく仲良くしていたい・・・
しかし・・・
「駄目よ、必ずどちらかを選びなさい ここで選ばなければ貴方は今後も重要な決定がきたときにそうやって済ませていくわ、そんな事ばかりしていたら人生堕落していくだけよ」
先生の厳しい言葉が私の胸に突き刺さる
「じゃ、じゃあせめて明日まで考えさせてはもらえませんか?」
「それも駄目ね、今すぐに・・・即決しなさい」
今の篠田先生は恐すぎる
多分何を言っても、今この場所で選択しなければこの先生の魔の手からは解放されないであろう・・・
でも・・・
(どっちって答えればいいの・・・)
「早く答えなさい、貴方は友情を取るのそれとも愛情を取るの?」
篠田先生に迫られ私はついに禁断の答えを口にしてしまった
「わ、私は・・・ハルキか珠理奈ちゃん・・・どちらかを選ぶのであるなら・・・どちらか一方しか選べないのならば、私は・・・・・・"愛情"を取ります」
「・・・そう、それがあなたの答えね・・・まぁ精々頑張りなさい」
そう言い終わると先生は職員室を出て行ってしまった
篠田side
「・・・そう、それがあなたの答えね・・・まぁ精々頑張りなさい」
私は優子ちゃんにそう言い残して職員室の扉を開けて廊下に出た
そしてその廊下の先にはこの一連の黒幕の女がそこに立っていた
「先生、なかなかの名演技でしたニャ」
女は笑みを浮かべながら、私に喋りかけてきた
「そう、そこまで私は名演技だとは思わないけど、でも久しぶりに人の恋を荒らして爽快だったわ」
「ニャハハハハ、先生は本当に腹黒ですニャ、私も自分の事結構腹黒だと思ってましたけど、先生見ちゃうと比べ物になりませんニャ」
「フフッ、そうね・・・」
「さぁ、後はあの優子ちゃんって子がどれだけ頑張ってくれるか・・・あの子が頑張れば、頑張るほどにハルキ君は私の物になっていく・・・楽しみだニャ」
つづく