いつの間にかの恋心










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第七章
友情と愛情・・・どっちの方が大切なの?
ハルキに嘘を付いてしまった・・・
当然、子供の頃やふざけていて嘘を付いた事は幾度となくある・・・が、今回は違う
ふざけてなどいない・・・真剣に大真面目な嘘である・・・

(何の為に私は嘘付いたんだろ・・・)

何度も何度も自問を繰り返してみるが一向にその答えは帰ってはこなかった・・・・・・

昼休みが終わっても私はそのことが気がかりになってしまい、5.6時間目の授業は全くというほど身が入らなかった
更に私が嘘をついてしまったばかりにハルキと珠理奈ちゃんは共に相手に怒られていると勘違いしたまま、バラバラに下校してしまった・・・

この時、普段の正常な私ならば"二人に悪いことをしてしまったな"と罪悪感が残るのだろう・・・
が、今の私は珠理奈ちゃんが一人寂しそうに帰っていく様をみて、幸福感・・・というか強い征服感の様なものを感じたのだった・・・・・・



職員室にて・・・

「・・・で、その嘘付いてしまったのをハルキ君と珠理奈ちゃんにどうやって謝ればいいかって?」

「はい・・・先生、どうすればいいんですか・・・」

私は親友に嘘をついて、それでいて幸福感などに満たされてしまう自分が許せないでいた
しかし今の私にその気持ちを抑えるほどの理性などは有りもしない・・・
だからこそ、私は普通ならば説教をされる予定だった説教会を特別に恋愛相談として篠田先生に相談する事にしたのだった
頼りになる大人の人にこういう時は相談すべきであろう・・・
そんな気持ちがあったからだ・・・
しかし、そんな私の思いとは裏腹な言葉が篠田先生からは返ってきた

「優子ちゃん、貴方甘過ぎよ・・・」

「へ? ど、どういう事ですか?」

「だから、ハルキ君を奪いたいのであればそんな安い嘘を付くんじゃなくて、もっと・・・"二人の関係を根本から叩く様な嘘じゃないと駄目"って事よ」

先生の言葉に私は耳を疑った
私は嘘を付いた事を"どう謝ればいいか"と聞いたのにも拘わらず、先生から返ってきた言葉は余りにも残酷な事であった・・・

「え、あの先生、私は二人に嘘ついた事を謝りたいって言ったんですけど・・・」

私は自分の聞き間違いではないかと、もう一度先生に聞き返した

「だ・か・ら、その嘘を今更二人に謝って、何になるっていうの? 今更謝ってもハルキ君は貴方の事を好きになるどころか、ドンドンと嫌いになっていくだけよ」

「まぁ・・・そ、それはそうかも知れないですけど・・・」

これが・・・この人が本当に篠田先生なのだろうか・・・
今まで、私たちが3年生になってからもう半年近くこの先生にはお世話になっているが、こんな口調で、こんな表情で喋っている先生は初めて見た
目の前にいる先生は・・・今までの篠田先生とはまるで別人である・・・

そしてその先生は私に一つの大きな質問をしてきた

「じゃあ優子ちゃん、貴方に一つ聞くけど、貴方にとっては珠理奈ちゃんとの友情とハルキ君への愛情・・・どっちの方が大切なの?」

「え・・・」



つづく

■筆者メッセージ
前にアンケートをした時には皆さんに
"明るい話が良い"
と言われておきながら、結果的に暗い方が書きやすくて、そっちの展開ばかりにいってしまっている筆者であります

今後活躍する、まゆゆをどうすれば明るく出来るのか?
最早暗い方向性しか思いつきません・・・
(まぁハッピーエンドにはする予定ですので、それで許して下さいorz)

感想コメント待ってます
(指摘、ダメ出しコメントをする際はどこが悪いのかをしっかりと明記していただくようにお願い申し上げます)
ラキ ( 2013/11/19(火) 14:57 )