いつの間にかの恋心










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第六章
篠田先生の説教会
こうして渡辺さんどころか、島崎さんともまともなコミュニケーションが取れぬまま昼休みが終わってしまった
そして5.6時間目の授業が終わると、いよいよ俺達三人は恐怖の間へと(いざな)われるのだった

「あぁ〜どうしよう、私達生きて帰ってこれるかな〜」

職員室までの廊下を歩きながら、珠理奈は篠田先生の説教会に初参加という事もあってか軽く怯えていた
その珠理奈を励ますかの様に隣の優子が声を掛ける

「大丈夫だって、あの篠田先生でも生徒の命までは手を掛けないから・・・あ、でも魂は取るかも知れないから気をつけてね・・・」

「う、嘘・・・た、魂・・・」

優子が軽い嘘を言ったばっかりにその嘘を鵜呑みにしてしまった珠理奈は更に恐怖へと陥ってしまった

「いやいや珠理奈心配し過ぎだから・・・ってか優子も嘘が怖すぎだから・・・ 篠田先生はそんな人じゃないからね!」

優子のちょっと度の過ぎた嘘に待ったを掛けながらも、内心では俺も少し怯える・・・いや緊張していた
夏休み明けの初日で約一ヶ月ぶりの説教という事もあるのだが、何より恐いのはその説教の長さである
説教会の時間はその日の篠田先生の気分で変わっていき、短い時はおよそ30分と普通なのだが、長い時だとそれを数倍上回ってくる
今までで一番長い時だとなんと4時間以上掛かった事もあったぐらいだ
もしも今から4時間ともなれば説教が終わる頃にはもう辺りは夜になっているだろう
そんな事を考えている間に三人は職員室の前に着いていた



「失礼します」

優子が職員室の外から声をかけると待ってましたと言わんばかりに篠田先生が俺たち三人を職員室という名の地獄へと招き入れてくれた

「じゃあ、三人ともそこにある椅子に座って」

篠田先生の指さす方向には三つの椅子が綺麗に並んでおり、俺達は左から優子、珠理奈、俺の順で座った
三人が座り終わったと同時に篠田先生はまた口を開いた

「え〜と、じゃあ・・・まぁ今後は遅刻しない様に気をつけてね・・・以上!」

「え」

篠田先生の意外な一言に三人の言葉が被った

「え、あの先生、以上って・・・これで終わりですか?」

いつもとは全く異なり、過去最短というほどの短さに驚きながら優子が篠田先生に質問・・・というか確認をした
すると篠田先生は笑いながら

「うん、だから以上だって・・・三人とも帰っていいわよ」

「はい・・・」

結局のところ怒られたのか何なのかも分からない上、珠理奈に至っては遅刻の話は無関係の為、最早何のために呼ばれたのかも分からないような状態で俺達は職員室を後にしようとした
が、しかし・・・

「あ、ちょっと待って!」

つづく

■筆者メッセージ
"昨日忙しくて更新が遅くなるかも"
と書いておいて今日は物凄く暇だった筆者であります

今回、本当はもうちょい進める予定だったのですが思った以上に物語が進まずに変なところで終わってしまいました
申し訳ありませんorz

さぁ次話はどうしよう・・・

感想コメント待ってます
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ラキ ( 2013/11/01(金) 14:58 )