珠理奈は俺が必ず守る
〜ハルキside〜
珠理奈「という事で、私がコッチに転校してくるまでの名古屋の学校の話でした」
珠理奈が過去の話を言い終わるとほぼ同時に優子は珠理奈にこう言った
優子「う〜珠理奈ちゃんにそんなに辛い過去があったなんて、私今まで全然知らなくてごめんね・・・・・・ ってか、それにしても珠理奈ちゃんにそんな事した石山って奴は、本当に許せないね」
泣いてるんだか、怒っているんだかという様な表情で優子は珠理奈と抱き合いながら頭を撫でていた
そんな光景を見ながら、俺はひとり胸が苦しくなっていた
それは珠理奈の過去に酷く辛い事があり、今までそれを隠しながら普通に俺達に接していた事
どれだけ自分の心が痛んでいたとしてもそれを周りに悟られないように、笑顔で明るく毎日ふるまっていた事
思い出すのは絶対辛いはずなのにその気持ちを押し殺してまで、俺達に過去の事を話してくれた事
そんな事を一つ一つ考えていると俺は不思議と目から涙を流していた・・・
珠理奈「ちょっと、ハルキ泣いてんの?」
優子「ん!? あ、本当だ 何でハルキ、あんたが泣くのよ」
ハルキ「え、あぁごめん、ちょっと珠理奈の過去の事を聞いて泣けてきちゃってな・・・」
珠理奈「ハルキ・・・ 私の事をそんなに思ってくれて、ありがとう」
ハルキ「おぉ、まぁそれはいいんだけどさ・・・珠理奈、お前が言うにはその石山って奴がもうコッチに来てるんだろ?」
この言葉を言った瞬間に珠理奈の顔がまた暗くなった
やはり石山の事を思い出すと辛いのであろう・・・
珠理奈「う、うん、この前ハルキと一緒に行った遊園地で見たのは間違えなくアイツだった、それにアイツはコッチをしっかりと見てたもん」
優子「え、見られてたの!? って事は既に石山はもう珠理奈ちゃんの周辺を嗅ぎまわってるんじゃない?」
ハルキ「確かにその可能性は十分あるな、珠理奈今後はしっかり用心した方がいいぞ!」
珠理奈「うん、でも大丈夫、いざとなったらハルキが守ってくれるってそう信じてるから」
ハルキ「・・・・・・」
俺は珠理奈の言葉を重く受け止め、"珠理奈は俺が必ず守る"と心に誓ったのだった
つづく