第一章
出てくる事は俺に不利なものばかりで…
俺は凄絶な光景を目の当たりにし、一瞬…いやもっと長い間だろうか、思考が停止してしまった

(どうしてだ…何が起こったんだ…)

俺の頭の中には母の死んだ時の光景が次々に蘇ってきて脳内が血の色一色になった

「あぁーーー」

正気を取り乱して大声を出すが、虚しい様に返答は何一つ返ってこなかった
もう俺の頼る人はこの世に誰一人いない…そう感じた…



次の日

本来、昨日に続いてこの日も松井のマネージャー業であったのだが、俺は仕事を休んだ
当然、祖父と祖母が死んでしまったから色々と大変だったり、警察からの事情聴取があったりなどという事も少なからずは影響しているのだが、そもそもに俺の心が拒否をしていた

しかし、そんな俺の気持ちなどいざ知らず、祖父と祖母が殺された事件はドンドンと嫌な方向へと傾いていった

警察の現場検証などから出てくる犯人への足掛かり…普通であれば、それが出る事により祖父と祖母を殺した犯人へと繋がっていき、俺の心は少しでも和らぐはずなのだが、出てきたのは犯人をまるで俺だと言わんばかりのような証拠であった

それは殺人の殺人への動機

祖父は昔、ある程度大きい会社の社長をやっていたりしたこともあって、かなりのお金をこの家にも貯め込んでいた
その為に警察は当初、金目当ての強盗殺人だと考えていたのだが、予想に反して家の中の物は何一つ取られておらず、その上に家の中は荒らされてすらいなかった

この時点で警察の犯人像は強盗から一転して知り合いや身内の犯行と考える様になった
所謂、恨みなどからくる殺人という路線だ
しかし、それと同時に別の線も考えられた
金目当ての犯行で唯一、実際に物を取らなくても金が手に入る人間がいると…
祖父と祖母が死ぬとその金は誰の元へといくのか…そう、それは紛れもなく俺である

しかし、この事だけであればまだ知り合いの犯行という方が有力であったのだが、祖父の知り合いを片っ端から連絡して当たると祖父の近辺でのトラブルは一切として出ず、徐々に警察の目は知り合いから俺へと向けられていったのだった

つづく

■筆者メッセージ
"忙しくて更新できずすいません"
と明日は更新したい筆者であります

(できるのだろうか…)

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ラキ ( 2014/02/01(土) 17:34 )