第二章 出会いは突然
すれ違う想いと想い
約束をした二人はそのまま家に帰った。


時刻はPM22時。

大輝は例の事を尋ねるために彩にLINEを送っていた。

「そろそろ、家にいる頃かな?今サッカー部が合宿のマネージャーを募集しているの知っているよね?」

それから1時間ほど後に彩から着信が来た。

(あれ、通話してきた。。)

「もしもし。」

「ごめんな、遅くなって。バイトが終わらなくて……」

「彩、お疲れ様。」

「ありがと、あ…マネージャーって?」

彩の声はかなり疲れ切っていた。

「あれ、見てないの?教室に貼ってあったやつ。」

「ごめん、見てへんわ。」

彩の反応を聞いて、大輝は丁寧に合宿の事を説明した。


「それで、彩はやってくれないかなって……」

「なるほどな…、バンドの人たちはみんな連休は来ない言うてたから、やってもええけど、バイトが……」

「そっか………」


…………

二人は長い沈黙に包まれた。


「あのさ、彩。」

「なんや?」

「俺がサッカーしてるの見てほしいんだ。」

大輝の心臓は破裂しそうなぐらいに緊張していた。

それは大輝にとって初めての感覚だが、この時自分が彩の事が好きなんだと改めて実感していた。

「私も大輝くんがサッカーしてるのみたいって思っとるで、体育の時の凄いプレイ見たときからな。」

彩の言葉を聞いて大輝は心が温かくなっていた。

「うん……じゃあ店長とかに連休に休み貰えるか頼んで見るから……とりあえずマネージャーの残りの枠開けといてくれへん?」

「分かった。先輩に連絡しておく。」

結局大輝は答えをすぐには得られなかったが、彩に声をかけてよかったと思っていた。


それから大輝はマネージャーの候補が見つかったとの趣旨のLINEを玲奈に送った。

玲奈からは了解との返信が来た。


そして大輝は眠りについたのだった。




それから時は進み、大輝と高柳が約束をした日曜日がやってきた。

ピンポーン

「おはよー大輝ー!入るねー!」

「うぅ……もう来たのか、早いな〜」

インターホンの音と高柳の声で目を覚まし、幼なじみの二人で過ごす一日が始まった。


■筆者メッセージ

第2章終わりです。
次回から3章です。
バステト ( 2013/11/15(金) 23:20 )