第二章 出会いは突然
今年もやるらしい
翌日……

大輝の朝の目覚めは珍しくとても良く、普段ならまだ寝ているだろう時間に通学路を歩いていた。

しかも今日は珍しく複数人で通学路を歩いている。

「待ってよー、おにーちゃーん!」

「やめろって、大輝やちゅりもいるんだから!」

兄妹の追いかけっこを見て笑っているのは大輝と高柳。

今日は大輝と達也、遥香に高柳の四人で歩いている。

この日は高柳や遥香の所属する吹奏楽部も朝練を行うらしい。


そして学校の校門を抜ける時、四人は美優紀も合流した。

(あれ……美優紀って家あっちだったんだ……)

達也は一昨日に美優紀と一緒に帰った時とは違う方向から来ていた美優紀に疑問を感じた。


「みんなおはよー♪」

今日も煌めく笑顔を振り撒く美優紀。

「おはよー。」

「先輩!おはようございます。」

遥香は昨日で美優紀と打ち解ける事が出来たのか、挨拶をした。

そんな遥香の様子を見て、達也と美優紀は笑顔で微笑みあった。


それから五人は、サッカー部と吹奏楽部に別れてそれぞれの朝練の場所に向かって行った。


「それにしてもよ、珍しく早起きだな。」

「あはは。今日から朝もちゃんと頑張ることにしたんだよ!」

「何だ?今日熱あるのか?」

「普通だよ!さ、早くいこうぜ!」

実は大輝は昨日の彩との通話で……

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(回想 昨日の通話)

「あはは、大輝ってホンマにサッカー大好きなんやね!」

「当たり前だ。でも、朝練だけは苦手なんだー。」

「どうして?」

「朝はあまり起きれないからさー、いつも時間ギリギリで…」

「なるほどな、でも朝から頑張るなんて、、素敵やな。」

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(彩にあんなこと言われたら頑張らなきゃな!)

大輝と達也はグランドに走って行った。


その後、練習は少し早めに切り上げてサッカー部はミーティングを行っていた。

「5月の連休で、合宿を行います!」

ミーティングの内容は毎年恒例のゴールデンウィークの合宿についてだった。

ミーティングを取り仕切るのは、三年生マネージャーの松井玲奈だ。彼女は希美杉学園の生徒会長でもあり、あの珠理奈の姉である。かなりの美人だ。

「今年も二泊三日で行きます。それで予定が………」

玲奈は合宿の計画を説明する。

ほとんどが例年通りのことだが、一つだけ違うことがあった。

「それと今年は一年生がかなり増えたのですが、マネージャーは一人しか入らなかったので、学年問わずに生徒の中から臨時で二人マネージャーを手伝ってくれる人を募集することになりました。」

玲奈はそういって、学校中に貼るであろうマネージャー募集のポスターを部員達に見せた。

そして説明が終わった所でミーティング終了し朝練は解散した。


サッカー部組が教室に戻ると既に先程玲奈が見せていたポスターと同じものが教室の黒板の端に貼られていた。

それからクラスメートが次々と登校してきて一日でほとんどの人がポスターに目を向けていた。


バステト ( 2013/11/13(水) 23:43 )