昼食の時間の大輝たち
もちろん大輝と達也は放課後にはサッカー部の練習があるので昼食を食べる。
しかし、教室内には達也の姿が無い。
「珠理奈、達也は?」
「今さっき、美優紀ちゃんと一緒にどっか行っちゃったよ。」
彼女の名は松井珠理奈。学級委員をしていて、陸上部をやっている。明るくてクラスのまとめ役の存在だ。
「あ。あぁ、そうか。(あいつ女子に食いつき良すぎだろ!)」
大輝はまた呆れた顔をして、近くにいた珠理奈、花音、高柳と、同じサッカー部の荒木俊太(あらきしゅんた)という男と昼食を食べることにした。
「俊太ってさ、亜樹ちゃんと何ヶ月だっけ。」
「今月で半年。」
珠理奈の質問に答える俊太。
俊太はこの2年D組の高城亜樹というテニス部の女子と付き合っている。クラス内では唯一のカップルだ。
「あれから半年かー、何かにやけちゃう。」
花音は思い出深い顔をしている。
「お前、そんなんだからレギュラー取れないんだよ。もっとサッカーに……」
「こらこら、自分に彼女出来ないからって。」
「うるせーな。俺はサッカー一筋なの!明音だって彼氏出来たことないくせに!」
「あー、またそんなこと言ってーー!」
「はいはい。夫婦げんかはお家でやってね。」
珠理奈が言い合いをする、大輝と高柳の間に入って止める。
「夫婦じゃねぇよ!」
「夫婦じゃないっ!」
(息ピッタリじゃん。)
5人で何気ない会話をしながら昼食を食べていると、突然教室の後方からギターの音が聞こえた。
「おぉ!彩ちゃんって軽音入るの??」
ギターの音の正体は彩だった。
「え…いや、まだ考え中なんや。私バイトしてるし。」
「へぇ、そうなんだ。」
…………
彩の持つギターが気になって5人は静まりきった。
「何かごめんなさい…じゃ、私バイトやから帰るね」
「うん。またね。」
彩は帰っていった。
「あの子人見知りなのかな?さっきは結構お話したんだけどな。」
「まぁ、慣れれば大丈夫でしょ!」
それから5人は昼食を食べつづけた。
一方達也の方はというと……