【訓練】
06
第二のボルシティに居る魔戒法師、パルに会う為に向かう一同。
日が暮れ、今夜は野宿をする事になった。
焚き火を中心に、四方で位置についている。
形の良い平面の岩で横になり、寝息を立てる勇介。そんな彼を、由依と奈和は焚き火に当たりながら見た。


「黄金騎士や言うても、寝顔は子供やな」


「そりゃそうですよ。だって私たち、まだ16ですよ」


由依は、2人が年下だとは思っていたが、そんなに若いとは、思っていなかった。


「由依さんって、お幾つなんですか?」


「21や」


「ヘぇ〜。もっとお若いかと思ってましたよ」


由依は火の中へ、マキを投げ入れた。
奈和の向かい側で、台に置かれたザルバが、由依に尋ねた。



「ところで由依、お前さんは確か、前に夜射刃の称号を受け継いでいた魔戒騎士を探してるとか言ったな」


「あぁ。闇に染まった魔戒騎士を斬るのは、魔戒騎士の仕事やからな」


「その魔戒騎士を、お前さんは知ってるのか?」


「……もちろん。私の師匠やった人やからな」


その時、由依の目付きが急に鋭くなり、剣を持って立ち上がった。
由依は、側にある茂みを睨むように見ていた。


「ど、どうしたんですか?」


「しぃ。静かに……!」


持ち手を握り、顔の前に剣を置く由依は、ゆっくりと茂みに歩み寄って行った。

奈和も立ち上がり、忍足で勇介の側に寄り、顔を叩いて起こした。


「な、何だよ“にゃ“お?」


「何か居るみたいなの!」


目を擦った勇介は、由依の後ろ姿を目にした。


「あれ、由依さんどうかしたの?」


「いいから、勇介も行きなよ!」


奈和に突き飛ばされ、岩から芝生に落ちた勇介は、顔に藁を付けながら立ち上がり、ザルバを嵌めた。魔戒剣を鞘から抜き出し、由依の後ろについた。


「気ぃ付けや。何か居るで」


「う、うん」


奈和は遠くから、弓を構えていた。
2人は、茂みの前に立った。勇介が中を覗こうとした時、枝を踏んだ。折れる音に驚き、勇介は軽く悲鳴をあげた。
すると、茂みの中から無数の人影が見えた。飛び上がっている謎の人物達は、3人に襲い掛かった。


「3人共、こいつらはホラーじゃない!」


ザルバの声など、3人には届いていない。
奈和は上空の3人に向かって、3本の矢を放った。
だが相手は、所持している剣で矢を弾き飛ばし、それぞれ1人ずつに襲い掛かって行った。


黄金騎士 ( 2014/07/09(水) 02:26 )