【訓練】
01
盗賊達は一斉に、女剣士に襲いかかった。彼らの攻撃を素早く躱す女剣士は、鞘で男達を殴りつけ、距離を取った。
地面に倒れこむ盗賊達の背後から、仲間と思われる盗賊達が現れた。


「おい大丈夫かよ!?」


歯を食いしばる盗賊達は、7人に増えてしまった。


「あの女の人、危ないよ!?」


「そう思うなら、あんた助けてきなさい!」


奈和が勇介の背中を押した。
盗賊達と女剣士の間に倒れ込んでしまった。


「な、何だテメェは!?」


「え、えへへ。飛び入り参加かな……」


後半、声が小さくなった勇介。ビビっているようだ。


「構わねえ! このガキも殺っちまえ!」


盗賊達が襲いかかってきた。3人が、勇介に向かって剣を振り下ろしてきたが、勇介は鞘で防ぎ、3人のボディを1発ずつ蹴り飛ばした。


「お姉さん、早く逃げて!」


4人の盗賊が、女剣士に向かって行った。それを見た勇介は天高く飛び上がり、空中で前に一回転し、連中の目の前に着地した。振り向きざまに鞘から剣を抜き、顎を引きながら先端を相手に向けた。


「ここは俺に任せて、さぁ!」


女剣士は、勇介を睨むように見ながら、襲われていた女性と共に逃げ出した。
市民が注目している中、勇介は人生で初めて喧嘩をしている。


「このガキがぁ……ナメるなよ!」


7人が一斉に襲いかかってきた。勇介は鞘を構えて飛び出し、全員をすれ違うと同時に鞘で殴りつけ、倒した。


「や、やったぁ……!」


歓喜の声を上げる市民達は、勇介に拍手を送った。照れる勇介だったが、調子に乗って声援に答えるように両手を上げてアピールをし始めた。
そんな勇介に奈和が近づき、頬を引っ張りながら回収した。


「痛いよぉ!」


「調子に乗らないの!」


頬を摩る勇介と、頬を膨らます奈和の元に、襲われていた女性市民がやって来た。


「あのぉ、先程は危ない所を助けていただき、ありがとうございました」


笑顔で礼を言う女性に、奈和が答えた。


「いえいえ、大した事じゃないですよ!」


「何で奈和が言うのさ……」


女性の元に、2人の子供がやって来た。


「お姉ちゃ〜ん!」


男女1人ずつだ。


「私、この子達の夕飯を作ってあげるのですが、ご一緒に如何ですか?」


奈和は、遠慮しようとした。


「そんな、申し訳ない――」


「ゴチになりますぅ!」


奈和の言葉を遮った勇介は、遠慮というものを知らないのかもしれない。

黄金騎士 ( 2014/07/19(土) 16:02 )