第4章
07
「まずはどっちから演奏?」

僕は生田さんに尋ねる。直接的な関係は僕にはないが、とても重要なことだ。

「公平にコイントスでいいでしょ?表なら私、裏ならそっちから。じゃあいくよ?」

と言って生田さんはすぐさまコインを投げた。用意周到だな、と思うのも束の間、コインは生田さんの手に収まる。パッと手が上げられて出てきたコインは表だった。

「私からかぁ。じゃあ早速。」

言葉通り生田さんは椅子をパッパと合わせ椅子に腰かける。そしてすぐに手を鍵盤へと置く。この動作から明らかに負ける気がしていないのが窺える。表の反応はきっと玲奈の力量を確かめて、余裕になりたかったからだろう。

「英雄ポロネーズ……」

生田さんが選んだこの曲……。かなりの難易度のものだ……。余裕だけど演奏はやっぱり本気か…。


「さすがだな。」

パチパチパチと拍手の音が部屋に響く。やはり生田さんは上手い。でも僕は玲奈を信じてる。玲奈はきっと勝つ。

■筆者メッセージ
久々…すぎましたね。すみません。
明日も更新できると思います。平日やはり厳しいです…。それでもなるべく時間を見つけては進めていきたいと思います。
ハヤブサ ( 2014/04/12(土) 23:37 )