第4章
03
「なんだよ…この大豪邸は………」

僕は今、僕に会いたいらしいお嬢様の家の前に連れてこられたんだけど……。とにかく大きい。こんな家、見たことないよ。



「入れ。」

そのお嬢様とかいう人の部屋の前まで連れてこられる。そして金谷とかいう執事は僕を残して去っていった。
コンコンコンと三回ノックをする。すると中から「入って」という声が聞こえてきたので扉を開ける。

「神山奏人だよね?凄い…ホンモノだ……。」

って言われても僕の方が驚きなんだけど……。なんでこんな人が僕の目の前にいるのかわからない。僕じゃ手が届かないところの存在なのに……。中学のときの全国コンクールを三連覇、ピアノをやっているのなら知っていて当たり前。生田絵梨花、神童じゃ足りないくらいの人物だ。

「なんであなたのような人が僕に?」
「うーん……あなたなんて堅苦しいなぁ。絵梨花でいいよ?呼んだ理由は一つかな。私とピアノを弾いてくれない?」

思わず「えっ?」って言いそうになった……。意味がわからない。連弾をするのなら僕より上手い人とすればいいのに…。なんで僕なんだ?

「奏人君のピアノには他の誰にもない強い思いを感じたからだよ。」

まるで心を見透かされたみたいだな……。強い思い…か。自覚がないわけじゃないんだけど………

「奏人君はピアノを誰かのために弾いてるよね?だから奏人君がピッタリなの。私のために、私と一緒にピアノの弾いてくれない…?」

別に連弾をすることぐらい断るようなことじゃないから僕は「いいよ」と返事をする。そしてその返事を聞いて生田さんは素直に喜んでいる。そんなに嬉しいんだな、と思っているといきなり、僕の唇に何かが当たる。それが何なのかを理解するのに時間はかからなかった。生田さんは僕にキスをしてきたのだ。

■筆者メッセージ
ということで知らない方もいらっしゃるとは思いますが、乃木坂46のメンバー生田絵梨花さんです。最近、はまっております(笑)

バラエティーなどに出演しているのを見たのは実際のところ一回でして……性格がまだあまりよくわかっておりません……。なので僕が聞いた生田さんの演奏から受けたイメージを反映しております。なので性格はおかしくてもスルーしていただけると幸いです。
ハヤブサ ( 2014/04/02(水) 22:56 )