第2章
03
「やっぱり弾けないのか……」
家に帰って数年ぶりにピアノを触る。

「よく考えると自分からピアノを触ってる……。」
二度とピアノなんて触らないと思っていたのに触っている。どうして…?加藤さんにあんなことを言われたから…?頭の中から加藤さんの顔が離れない…。この気持ちは一体何…?
でも確かにわかっていることは自分がまたピアノを弾こうとしたということだ。

「僕のピアノを弾いてる姿が見たい…か。」
音が聞こえなくてもピアノが弾けないわけではない。弾こうと思えば弾ける。

「これは……?」
部屋の中に手紙のような物があるのを発見する。中身を開けると、それは招待状だった。

「いまだにこんなのが届いてるのか……。」
それは区の音楽祭のものだった。この音楽祭は知っている。毎年、春先に開催されるこの音楽祭はこの辺りの三区ぐらいが連合して行っている。昔からあり、ピアノを弾いていた頃は毎年出ていた。

「出てみようかな…。」
自分の中で決心をする。もう一度、弾いてみよう。駄目なら諦めればいい。自分のピアノを真剣に好きでいてくれる人のために一度だけでも……。

■筆者メッセージ
展開が早すぎますね(笑)
「変わらぬ愛」よりかなり早く終わってしまうかもしれないです。


主人公は相変わらずの鈍感キャラです。隼人より鈍感でしょうね(笑)
ハヤブサ ( 2014/03/07(金) 22:27 )