十六話
次の日の昼、陽人は雅月と大樹と大学の図書館の外のベンチに座って昼食をとっていた。三人はたわいもない話で盛り上がっていた。
「おーい陽人!!」
少し遠くから手を振りながら陽人の名前を呼ぶ女子がいた。絵梨花だ。
「みんな次の時間暇?」
「ごめん絵梨花。次授業あるんだよね」
「そっか。じゃあしかたない。バイバイ」
そう言って絵梨花は去っていった。2人の会話を聞いていた雅月と大樹は驚いた顔している。
「おまえらいつから下の名前で呼ぶようになったんだよ」
大樹が陽人へ質問する。
「昨日かな」
「ま、まさかおまえら付き合い始めたのか!?」
「付き合ってねぇーよ。絵梨花みたいなかわいい子がおれと付き合うわけないだろ…」
陽人のその言葉を聞き、雅月と大樹はニヤニヤしながら陽人方を見る。
「もしかて陽人、絵梨花のこと好きなの?」
大樹がニヤニヤしながら陽人にきく。
「べ、べつにそんなんじゃねぇーよ」
「そんな否定するってことは、図星か?笑」
「だからそんなんじゃないって」
その後も否定する陽人だったが、雅月と大樹はその否定を受け流し陽人をからかわれ続けたのであった。