四話
次の日の朝、陽人は目覚ましの音で目が覚める。陽人は起きると朝食の準備を始める。姉の麻衣は朝が弱く、朝食を作るのは陽人の仕事になっている。
朝食を作り終え、麻衣を起こしにいく。これもいつものことだ。しかし今日からはもう一つ仕事が増えた。それは妹の日芽香を起こすとという仕事だ。2人を起こし、そして3人で朝食をとる。朝食を食べ、陽人は自分の部屋に戻りスーツに着替え、家を出ようとする。
「なんであんたがスーツ着て出かけようとしてるの?」
「深川先生に入学式の受付を頼まれたんだ」
「なるほど。まいまいの頼みなら仕方ないね」
「いってきます」
「いってらっしゃい」
陽人は自転車に乗って大学へと向かった。
「君は法学部だからA棟の303号室に行ってください」
陽人は雅月と大樹とともに入学式の受付をしていた。次々とやってくる新入生。その流れが少し落ち着いた頃一人の女の子がやってきた。
「芸術学部の伊藤万理華です。私はどの教室行けばいいですか?」
その女の子を名前を名簿の中から探していると、
「おう、万理華やっときたか」
その女の子を下の名前で呼ぶ大樹に驚く陽人と雅月。するとそれを察した大樹は話を続けた。
「2人紹介するよ。これがおれの妹との万理華」
大樹の紹介にあわせお辞儀をする万理華。
「いつも兄がお世話になっております」
大樹とは真逆のしっかりした対応をとる万理華を見て、陽人と雅月は少し驚いた。しかし笑ったときの雰囲気などは大樹と似ているものがあり、二人は兄妹なんだなと感じていた。少しの間新入生もあまりこなくなっていたので4人で話していた。
「お兄ちゃん!!!」
そこへ日芽香がやってきて、陽人に抱きつこうとする。だがそれを陽人は阻止すると日芽香は頬を膨らました。
「大樹。これがおれの妹の日芽香」
「はじめまして、白石日芽香です。あっ雅月くんひさしぶり!」
雅月は高校時代に何度か陽人の家にきたことがあったので日芽香とは面識があった。日芽香に大樹と万理華のことを紹介した。
「おい陽人!妹のことは紹介して、私のことは無視か!」
陽人が振り返るとそこには幼馴染の齋藤飛鳥が立っていた。