一章
十話
次の日の夜、陽人バイトをしていた。陽人はとある飲食店のキッチンで働いていた。陽人はこのお店で大学1年生のころから働いている。

「先輩頑張ってますね笑」

「与田。サボってないで早くホール戻れよ」

陽人に話しかけてきたのは、ホールで働く高校3年生の与田祐希だ。陽人とは気が合い今ではすっかり仲の良い後輩だ。

「はーい」と陽人の言葉に返事をした祐希はホールに出て行った。それから1時間くらいたった頃、夕食で週末ということもあり店内も満席状態になっていた。そんな中ホールの方からお客さんの怒鳴り声が聞こえてきた。

「おい陽人。ちょっとホールの様子見に行ってこい!」

先輩の設楽統の指示を受け、ホールに出る陽人。ホールでは40歳くらいの男が祐希に対して怒っていたのだ。陽人はホールにいたバイトの子に話を聞いたが、お客さんがなぜ起こっているかわからなっかたので、事情を聴くため席へと向かう。

席に向かうと祐希は今にも泣きそうな顔で男に謝罪をしている。

「お客様どうされましたか?」

陽人が男に話を聞くと、料理の提供が遅く何度も催促しても提供されず、店員にそのことを伝えても、すみません。もう少々お待ちくださいと言われるばかりで、その店員の態度に腹が立ったらしい。

「大変申し訳ございません。店員の態度でお客様に不快の思いをさせてしまい、これはこちらの指導不足です」

男に深々と頭を下げる陽人。その少し後ろで祐希も頭を下げる。しかし男は土下座をしろと言ってきた。陽人は何度も頭を下げるが、男は土下座をしろの一点張りだった。

陽人が何度も頭を下げるの見て祐希が土下座をするためしゃがみかける。しかし陽人は祐希を止める。

「お客様。一度外に出て話しましょう。他のお客様のご迷惑にもなりますので」

陽人は一度その男とお店の外でしっかり話そうと思い、お店の外へ促す。

「おれがなんか悪いことしたか!!ふざけんじゃねー!!」

しかし男は机の上にあったコップを手にもち陽人と祐希方に水をかけようとしてきたのであった。


白夜 ( 2018/09/04(火) 17:43 )