<オムニバス> 大人気イメクラ店「slope」突撃リポート













































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指名→「高本彩花さん」
社内(車内)不倫
「いらっしゃいませ、ようこそ!」
 受付で迎えるマネージャーのにこやかな挨拶とは対照的に、軽い会釈を返すだけの蔵夫。
 来店は二度目。
 妙にぎこちないのは、いち風俗ライターとしてレポートを書くための体験取材で来た前回と違って、今回は完全なプライベートだからだ。
 もちろん、仕事で来た際に気に入ったからプライベートで再訪するのはレストランやホテルでもよくある話だから特段おかしなことではない。
 それにもかかわらず、蔵夫が恥じらう理由は、指名する嬢と指定するシチュエーションにあった。

「し、指名は高本彩花ちゃん…せ、設定なんだけど…あ、彩花ちゃんが女上司で…僕は新婚の部下。で、二人っきりの時に誘惑されて、そこから…」

 珍しく緊張のあまり、声がこもる。
 頼んだのは、前回、取材として訪れた際と同じ嬢、同じシチュエーション。
 …そう。
 彼は、この店が気に入って再訪したというより、あの高本彩花という女と過ごすあのシチュエーションを気に入ってしまったのだ。
 本来、二回目ということで前回とはまた違ったことをしてみたくなるのが人間の性だが、蔵夫は違った。
(あの娘と、前回の続きがしたい…!)
 そんな欲求がこの店に足を運ばせた。
 それしか望んでいないため、先客がいたら帰るつもりだったが、マネージャーはニコッと笑って、
「高本彩花、空いております。すぐに準備をいたしますので、このまま控え室へと進んでお待ちください」
 と言った。

 ……

 前回同様、用意された衣装はスーツで、指には疑似婚約指輪。



 女上司に誘惑される新婚部下という設定で、また前回のような展開に期待が膨らむ蔵夫だが、部屋に入った瞬間、予想外の光景に、思わず、
「わっ…何だ、これ…?」
 と、驚いて声を上げてしまった。
 入った瞬間、目についたのは、部屋の真ん中にドンっと置かれたプリウス。



 他にベッドも椅子も何もなく、四方の壁も、どれも真っ白で殺風景だし、これではまるで単なるプリウスの展示スペースだ。
(え…?ど、どういうこと…?)
 前回がシティホテルを模したまともな部屋だっただけに戸惑いが隠せない蔵夫。
 おそるおそる置かれたプリウスに近寄ると、ボンネットに、指名した高本彩花の名刺が貼られてあるのを見つけた。
 思わずむしりとるように手にとり、裏を見ると、

<また指名してくれてありがとう♪運転席に座って待っててね♪>

 と可愛らしい字体で書かれていたので、それに従って運転席に身体を潜り込ませる蔵夫。
 すると、その瞬間、それまで真っ白だった四方の壁にプロジェクトマッピングで街並みが投影され、映し出された。
「うぉっ…」
 と、思わず声が出る。
 見たところ、どうやらコンビニ、セブンイレブンの駐車場。
 投影に合わせて前の道路を行き交う車の走行音や通行人の雑踏もスピーカーから流れ、
(いやぁ、ホント凝ってるわ)
 と、つい、周りの風景に見とれていたところで、ふいに、

 コンコン…

 と助手席側の窓を叩かれ、ハッとして目をやると、あの女、高本彩花がいつの間にか現れ、笑顔を見せて立っていた。
 前回と違う髪型にしてるところがあざといが可愛い、まさにアザトカワイイというやつだ。
 指を差して何やらジェスチャーをしているのを見て、
(あ…ロ、ロックか…)
 と慌てて手元のボタンでロックを開けると、彩花は助手席に乗り込んできて、
「ごめん、ごめん。ちょっとレジが混んでてさ」
 と言って、
「はい、蔵夫くん」
 と、セブンカフェのカップを一つ手渡し、
「冷たいのでよかった?」
「え…あっ、は、はい…ありがとうございます…あっ、お、お金…」
「え?いいよ、これぐらい。私が奢ってあげる♪」
 と優しく微笑み、カップに続いて、シロップとミルク、そしてストローを手渡す彩花。
 その際、一瞬、指が触れただけでもドキッとしてしまった蔵夫は、気持ちを落ち着けるように、そのアイスコーヒーを一気に飲み干した。
 隣で彩花はシートベルトを装着しながら、
「さぁ、今日の商談も無事に成立したし、あとは本社に帰るだけね。日が暮れるまでに帰れるかしら?」
 と口にする。
 なるほど、前回は出張先にて手違いでツインの部屋に宿泊というシチュエーションだったが、どうやら今回は、上司の彩花と社用車で取引先を回った帰り道という設定らしい。
 構図は同じだが、情景が違う。
 そんな飽きさせない工夫に、
(それはそれで悪くない)
 と感心する蔵夫。
 彩花は膝の上にノートパソコンを開き、
「課長にメールしとかないと…」
 とキーボードを打ちながら、
「いいよ、出して」
「は、はい…!」
 おそるおそるアクセルを踏むと、車は動かないが、代わりに投影された景色が動き始めた。
(おぉっ、すげぇっ…!)
 まるで教習所のカーシュミレーションのスケール拡大版。
投影される街並みも仔細かつリアルで本当に車を駆っているような見事な演出だ。
 コンビニを離れ、前の道路に合流したところで、ナビから、

『300メートル先、左です』

 と音声案内を始まった。
 足元のペダルに車窓が連動していて、アクセルを踏めば景色が早く流れ、ブレーキを踏めば遅くなる。
 彩花は、なおもキーボードを叩きながら、
「あまり飛ばさないでよ?上司が隣にいること、よく考えてね?」
「大丈夫です。安全運転で行きます」
 と返す蔵夫。
 そのまま、二、三分、投影された街並みをドライブ感覚で走ったところで、ようやくノートパソコンを閉じた彩花が、
「ねぇ、蔵夫くん。こないだのホテルでのこと…」
「……」
「奥さんにバレてない…?」
「え…?あっ…だ、大丈夫だと思いますよ…な、何も言われてないし…」
「へぇ〜、そうなんだぁ…♪」
「そ、それがどうかしました…?」
 不敵に、そして意味深に微笑む彩花に、思わずハンドルがブレる蔵夫。
 実際は新婚でもなければ妻など存在しないのに、すっかり彩花の前では自分は新婚で、家には帰りを待つ妻がいるという設定が頭に刷り込まれてしまっている。
「いやー…私、あの時、めっちゃ酔っぱらってたからさぁ…冷静に考えると、すごく申し訳ないことしちゃったと思って…」
「い、いや…僕は全然…」
 と反射的に言ってから、
(ぼ、僕は全然、って何だよ…!日本語としておかしいだろ…!)
 と、赤面する蔵夫。
 彩花も、そんな迂闊な言葉尻を巧みに取り上げ、
「僕は全然…?それは、満更でもないってこと…?」
「い、いや…そういう意味じゃなくて…」
「じゃあ、どういう意味…?」
(…!?)
 ふいに彩花の右手が、運転中の蔵夫の太ももに置かれた。
「ちょっ…せ、先輩…!う、運転中なんで…!」
 と、フロントガラスから目線を切らぬまま、やんわりと返す蔵夫だが、彩花の手は、スリスリと太ももを這って、退いてくれない。
「ねぇ?今の、僕は全然、って、どういう意味?教えなさいよ、蔵夫く〜ん…♪」
「ダ、ダメです…ダメですって…」
 と繰り返す蔵夫。
 そんな矢先、間が良いのか悪いのか、赤信号で止まらざるをえなくなった蔵夫。
 その瞬間、彩花の手はより大胆に這い回り、とうとう股間の上を撫で始める。
 チラッと横を見ると、隣の車線にも信号待ちの車…しかもワゴン車で車高が高い。
 その投影とは思えないリアルさに思わず、
「せ、先輩…ダメです…!と、隣から見えちゃいます…!い、今は…!」
 とハンドルを持っていた手を離し、彩花のいやらしい手を掴む。
「え〜…ダメなのぉ?」
「ダ、ダメですよ…!当たり前じゃないスか…!」
「へぇ〜…ちょっと固くなってきたところなのに?」
「そ、それは…」
 思わずドキッとしてしまう問いかけ。
 視線を向けなくても、彩花がニヤニヤしている表情が手に取るように分かる。
「…ほら、青だよ?」
 と言われ、目をやると、いつの間にか信号が青に変わっている。
 スピーカーからクラクションの音。
 後ろからも急かされ、ゆっくりアクセルを踏み込むと再び景色が走り出し、それと同時に再び彩花の手が股間に伸びてくる。
 さっきに比べ、よりいやらしく…だ。
「うぅっ…うぅっ…」
 ついつい、鼻息を荒くすると、
「あれぇ?もしかして今、声出した?」
「ち、違います…」
「だよねぇ…♪気のせいだよねぇ…♪」
 と言いながら、いつの間にか彩花の手は、浮き出たソーセージのような膨らみをかたどり、シコシコと扱く手つきに。
「んっ、くっ…!」
「ん〜?どうしたのぉ?そんな唇を噛んじゃって…♪」
 と、せせら笑う彩花は、そのままカチャカチャとベルトを外し、チャックを下ろしにかかった。
「先輩…う、運転中は…ダメです…」
 と抵抗を見せる蔵夫だが、ハンドルから手を離せない状況では為す術なし。
 「ちょ、ちょっと…あっ、うぅっ…」
 躊躇してる最中に剥き出しにされた男根を握られ、声色を変える蔵夫。
「ほらぁ、しっかり勃ってるじゃ〜ん♪」
 と嬉しそうに声を上げた彩花は慣れた手つきで扱き、
「…ちゃんと運転に集中してね?」
 と言っておきながら、おもむろに身を屈め、むしゃぶりついてきた。

 ジュポ、ジュポ…♪

「あぁっ…んっ、くぅっ…」
 たまらずハンドルがブレるのも構わず、
「ふふっ♪蔵夫くんのチンポ…おいしい♪こないだを思い出しちゃう…♪」
 と微笑みながら即尺で部下の竿を味わう淫乱上司。
 その後も続くフェラチオドライブ。
 信号で停まるたびに激しさが増し、
「まさか運転中に出したりしないよねぇ…♪“はっしゃ”するのは車だけにしてね?」
 と、上手いことを言ったりしながら、したら顔で微笑む彩花。
「せ、先輩…うっ、くぅっ…ヤ、ヤバいです…マ、マジで事故りますから…」
 と必死に訴えていると、ふいに彩花が、
「…そこ、左!」
「えっ?ちょっ…!」
 不意の指示に慌ててハンドルを切る蔵夫。
 ナビの道案内から外れ、言われるがままに曲がった先はラーメン店の駐車場だった。
 郊外などによくある妙に駐車場がだだっ広いラーメン店。
 停まっている車は少なく、それも店の入口付近に固まっている。
 それらも全て投影だということは、もはや忘れている。
「え…?メ、メシ食うんですか…?」
 きょとんとする蔵夫を無視して、
「ん〜…どこにしよっかなぁ…♪」
 と見渡した彩花が、
「あそこの隅に停めて」
 と指差したのは、だだっ広い駐車場の端の端。
「ほ、本社に戻るんじゃないんですか?」
「うるさいわね。いいから停めなさいよ、早く」
 と言って、蔵夫の股間を、ぎゅっ…と鷲掴みにする彩花。
「い、痛って…!わ、分かりました…」
 仕方なく、言われた通り、隅っこに頭から入れる。
 店の入り口から最も遠く、周りには一台も停まっていない。
 エンジンを止めたところで、彩花はシートベルトを外すも、外には出ず、逆に運転席の蔵夫の方に寄りかかってきて、
「さぁ…これで事故る心配はなくなったでしょ?じゃあ、続きしよっか♪」
「えっ?つ、続きって…?」
「何とぼけてんのよ。期待してたくせに…♪」
「えっ…ちょっ、せ、先輩っ…こ、こんなとこで…?」
「大丈夫、大丈夫♪ここだったら誰にも見えないから…♪」
 ドキッとさせる笑みを見せ、再び丸出しの竿に手ほどきを施す。
 運転中より、さらに力を込めて…。

 シュッ…!シュッ…!

 とリズミカルな手コキに、

 ジュポ、ジュポ…ジュルルル…

「んぐっ…♪んぐっ…♪」
 と、喉奥まで咥え込むディープなフェラ。
 狭い車内で行われる巧みな性技は、ベッドでするよりも興奮を何倍も増幅させる。
「うぅっ…あっ、あっ…はうぅッ…」
「…ぷはぁっ♪」
 と竿から口を離すと、意地悪な上目遣いで、
「…息、荒いよ?どう?久しぶりの私のフェラ♪これが忘れられなかったんでしょ?」
「は、はい…!うぅっ…!」
 と、核心を突かれ、運転席でされるがままの蔵夫。
 窓の外に目を逸らすと、これまたリアルに、時折、駐車場に入ってくる車がある。
 そのたびにドキドキするのだが、幸い、こんな端までは来ずに、店に近いところに停めて、トボトボと人影が店内へと消えていく。
 そのスリルは、もはや投影だとは思えない。
 実際にその場にいて、そこで起きている出来事と思い込みながら彩花に襲われているのだ。
「んっ、んっ…あぁっ、や、やばい…」
「ふふっ♪ビクビクしちゃって…可愛い♪」
 と微笑みながら、裾のはだけたYシャツの中に手を潜り込ませ、乳首を弄って追い打ちをかけてくる彩花。

 クリクリ…♪

「ひ、ひぃっ…!」
「どう?気持ちいい?」
「き、気持ちいい…です…!んおぉっ…!ほぉぉっ♪」
「こらっ!声は出しちゃダメっ!聞こえちゃうでしょ!」
 クスクス笑いながら、ペチッ…と頬を打たれても、出るものは仕方がない。
 そんな蔵夫の視線を誘うように、わざとらしく脚を組み換える彩花。
 パンストで引き締まった細い美脚がこれ見よがしに動く様子に目が向かない筈がない。
 たまらず、
「あぁっ…せ、先輩っ…!」
 と、思わず勝手に手を伸ばし、その瑞々しいふくらはぎを掴む蔵夫。
「きゃっ♪こらぁ!なに勝手に触ってんのよ、この変態♪」
 と言いながらも嬉しそうな彩花。
 狭い車内でのイチャイチャは留まるところを知らず、エスカレートする一方。
「先輩…先輩っ…あの…」
「なに?…キス?いいよ、して♪」
 と唇を突き出した彩花にむしゃぶりつき、舌を絡める蔵夫。
 もはや窓の外の様子など気にならず、そんなことよりも、この目の前のそそる女を堪能するのみ。
 キスをしながら、ブラウスの上から胸を揉むと、
「んはぁっ♪あぁっ…んんっ…」
 と声を漏らし、もじもじと身を揺する彩花。
 次第に背もたれが邪魔だと思い始めた二人は、言い合わせたように手を伸ばし、レバーを引いて、運転席、そして助手席の背もたれを倒す。
 絡み合うようにして寝転がった二人。
 あとはもう、なし崩しに行為に浸るだけ。
 お互いの服のボタンを外し、半裸になって抱き合う。
 ブラウスを剥ぎ取り、セクシーな薄紫色のブラを捲り上げると、見覚えのある彩花の美乳が顔を出した。
(た、たまらん…!)
 と、つい、許可も取らずに揉みしだき、先端の突起に舌を這わせると、
「あぁん♪んんっ、はぁっ…す、すごい大胆…♪」
 と、蔵夫の腕の中で、彩花が可愛い声で悶える。
 同時にタイトスカートに潜り込ませた手で、グリグリと股間をまさぐると、
「あんっ、あんっ♪もぉっ、せっかちなんだからっ…♪」
「先輩…パ、パ…ンツ…」
「んん?どうしたの?」
「パンツ…湿ってますよ…」
「やだぁっ…言わないでっ♪あんっ、んんっ♪」
 胸揉み、乳首舐め、マンズリのトリプルコンボで嬌声を上げる彩花。
 肌は紅潮し、乳首は硬化、そしてスカートの中は湿気を帯び、パンティの上からズリズリと擦りあげる指先には湿り気が付着し始める。
「んはぁっ♪あぁっ♪」
「先輩、声が大きいです…外に聞こえますよ?」
 と仕返しで冷やかしを交え、いい匂いのする髪を掻き分けて、耳元で、
「ねぇ、先輩…ここにある、この豆みたいなのは何ですか?」
 と囁きながら股を擦ってやる。
 すると、
「あぁっ、はぁっ♪ひぃっ♪」
 と声を上げ、
「な、何よぉ…♪知ってて聞いてるでしょ…!もぉっ…♪」
「教えてくださいよ。先輩の口から…」
「あんっ、んんっ…ク、クリトリス…♪あっ、あっ…クリトリス気持ちいいっ♪」
 と期待通りの答えをくれる彩花。
 味を占めて続けていると、ふいに彩花から、
「ね、ねぇ…?座席、もう少し下げて…?」
 と頼まれ、運転席を目一杯まで後ろにすると、足元に出来たスペースに彩花がすっぽりと潜り込み、
「ねぇ、蔵夫くん…♪こないだはしなかったけど…こんなこともされたいんじゃないの?」
 と、決して大きいとはいえない乳房を寄せて無理やり谷間を作り、そこに固くなった竿を挟んでみせる彩花。
「おぉっ…♪こ、これは…!」
 ちっぱいで奮闘するパイズリ。
 弾き出されそうな竿を、しなやかな指でブロックし、ゆっさゆっさと揺らす。
「んっ、んっ…ねぇ、どう?出来てる?出来てるかなぁ…?」
「おぉっ♪おぉっ♪さ、最高ッスよぉ…♪」
 と情けない顔で感想を述べ、夢心地に浸っていた蔵夫だが、そこに、

 ピロピロピロ…♪ピロピロピロ…♪

 と、どこからともなく着信音が鳴った。
(チッ…誰だよ…)
 と思わず舌打ちをして、はだけたYシャツの胸ポケットからケータイを取り出す蔵夫だが、画面を見た瞬間、夢から覚めたようにハッと目の色が変わった。
 画面に、

<史帆 (※あなたの妻)>

 と出ていたからだ。
(や、やべっ…!)
 と夢心地が一転、新婚という設定を思い出して背筋が凍る蔵夫。
 前回もあったこのパターン…いいところで愛妻から電話が入り、不倫プレイの邪魔をしてくるのだ。
 ケータイを手を、固まってしまった蔵夫に、なおもパイズリを続けながら、
「誰から?もしかして奥さん…?」
「……」
 返事もしない、頷きもしない。が、泳いだ目が「はい」と答えている。
「…出なよ」
 と言い出す彩花。
「え…で、でも…」
「出ないとやめちゃうよ?これ…♪」
 と乳房を揺する手を止め、意地悪な笑みを見せる彩花。
「え…?そ、それは…!」
(それは困るッ!)
 と言いたげに、仕方なく応答ボタンに指を添える蔵夫。
(た、頼む…変な声だけは出すなよ…絶対だぞ…)
 と自分に言い聞かせ、意を決してボタンを押し、
「も、もしもし…?」
「あ、もしもし〜。蔵夫〜?」
 と、前にも一度、聞き覚えのあるへにょへにょ声が聞こえ、
「今、大丈夫〜?」
「う、うん…なに?どうかした?」
「あのさぁ〜、今晩なんだけどぉ〜…」
 と、けだるいトーンで話す電話口の妻、史帆に対し、
(な、何だよ…早く言えよ…)
 と、状況が状況だけにソワソワする蔵夫。
 その間も彩花は眼下で意地悪な笑みを浮かべながら寄せた乳房を押しつけ、擦りつけてくる。
「なんかぁ…高校時代の友達から急に連絡が来てさぁ〜…久しぶりにゴハンでもどう?って言われたんだけどぉ〜…行ってきてもいいかなぁ〜?」
「な、何だ。そんなこと…?い、いいよ…好きにしなよ」
 と早く切りたい蔵夫は許しを出すも、史帆の話は続き、
「でもさぁ…晩ごはんの支度、まだ出来てなくてさぁ…手抜きになっちゃうけど、いいかなぁ…」
「な、何でもいいよ。ないならないで、適当に駅前で牛丼でも食べて帰るから」
「そう?じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますねぇ」
 と、真剣かおふざけか分からない気だるい口調で話す史帆に、
「わ、分かった。じゃあ、気をつけてね。あまり遅くはならないように…んんっ!」
「…え?なに?どうかした?」
「い、いや…何でもない…はうぅッ…」
 抑えきれない喘ぎ声に、咄嗟に口を塞ぐ蔵夫。
 その下でクスクスとSっ気を発揮して笑う彩花。
 隙をついてパイズリを解き、代わりに自身の固くなった桃色乳首で裏筋の血管をなぞったのだ。
 むず痒く、そして心地よい刺激が身体を走ると、思わずキッとした目を向け、
(ダ、ダメっ!今はそれダメっ!)
 という視線を送る蔵夫だが、それでもやめようとせず、続ける彩花。
 そして、さらに、ぶらんぶらんと右往左往する竿の先端を口に含み、ジュルジュル…と音を立てておしゃぶりを始めた。
「うっ…がぁっ…!おぉっ…!?」
 と堪えきれない喘ぎ声が、次々に史帆の耳へと飛んでゆく。
 電話口の史帆も、さすがに、
「ちょっと…ねぇ!さっきから何してんの?大丈夫?」
「んっ…だ、大丈夫…うぅっ!」
「なに?どこか具合でも悪いの?もしもし?もしも〜し?」
 これ以上の通話は危険と判断、ひとまず電話を切る方が先決だとして、
「と、とにかく…気をつけてね。じゃあね」
「ちょ、ちょっと…蔵夫っ…!」
 と、史帆が何かを言いかけたのを無視して、電話は切った蔵夫。
 途端に彩花が笑いだし、
「アハハ♪今の慌てっぷり、最高〜♪ウケる!」
「も、もぉっ!先輩っ…で、電話してる時はホントにダメですって…!バレたらどうするんですか…!」
 と、前回同様、文句を言う蔵夫だが、彩花に反省の色はなく、むしろ、
「慌てて電話切っちゃって…そんなに気持ちよかったの?これ…♪」

 スッ…スッ…

「あぁっ…うぅっ…そ、それヤバいッスよぉ…!あぁっ…♪」
 亀頭を、裏筋を、そして尿道の切れ込みを這うように行き交うピンク色の固い豆粒に、思わず腰砕けの蔵夫。
 それによって、とろり…と滲む我慢汁をぴちゃぴちゃと舐め取り、
「ねぇ、蔵夫くん…♪もういいよね…?」
 と、狭い車内で身体を起こし、上に跨がってくる彩花。
 それに呼応するように、ほんの今まで抗議していたのに、
「お、お願いします…」
 と素直に身を任せる蔵夫。
 ぬぷっ…と濡れた肉が、蔵夫の竿を呑み込んでいくと同時に、
「あっ、んんっ…そう、これぇ♪これよ、これぇ♪」
 と歓喜する彩花。
 そのまま狭い車内で腰で振り、カーセックスを開始すると、その艶かしいグラインドに合わせて、車体もギシギシと弾む。



「あんっ♪あんっ♪」
 長い髪がセクシーに乱れ、汗ばんだ素肌が密着する。
 まるで横たわる人形のように身を任せていた蔵夫だが、ふいに、
「何してんの?もしかして王様気取り?」
 と爪を立てて乳首を摘ままれ、
「もっと下からも突き上げてよ、ほらっ!」
「は、はいっ…うぅっ、おぉっ…!」
「んはぁっ♪そう…そうよ。もっとして♪」
 激しいバウンドで天井に頭をぶつけそうな彩花だが、そんなことはお構いなしの様子。
 蔵夫の首を手を回し、抱きつくように密着してきて耳元で、
「あんっ…♪あんっ…♪き、気持ちいいよ、蔵夫くん…♪」
「せ、先輩ッ…!あぁっ、先輩のアソコ、ヤバい…です…」
「アソコ?アソコってどこ?」
「オ、オマンコ…!オマンコです…!すごくネチョネチョしてて、熱くて…絡みついてきて…」
「ふふっ…そんなに私のオマンコが気持ちいいんだぁ?」
 笑みとともに、キュッ…キュッ…と膣を締め上げ、
「じゃあ、もっと激しく動いてあげる…♪私も…私も気持ちよくなりたいからぁっ♪んんっ、あぁっ、はぁっ♪す、すごいよ、蔵夫くん…さ、最高ぉっ♪」
 とスレンダーな女体がウネウネと動く極上騎乗位を堪能する蔵夫。
 密着して弾む胸の膨らみと、性感に酔いしれるオンナの顔がたまらない。
 夢中になるうちに、ここが車の中ということも忘れ、上からは尻肉の波打つグラインドが、下からは杭を打つピストンがぶつかり合う。
 やがて、
「あぁっ、ヤ、ヤバいっ♪イ、イクっ!イクぅっ♪」
 と上ずった可愛らしい声を上げ、跳ね上げるように仰け反り、ピクピクと痙攣する彩花。
 その瞬間の、キュゥゥッ…と締まった膣圧で、思わず蔵夫も発射しそうになったが、何とか耐えた。が、出したいことに変わりはない。
「せ、先輩…!僕も…僕もいいですか?」
 と、余韻に浸る彩花を突き上げ、スパートをかけると、
「あぁん♪い、今イッてる最中なのにぃっ♪んひぃっ♪き、気持ちいいっ♪」
 とスケベな目つきで、
「いいよ…♪来て…!私の中に、いっぱい注いで…♪」
 とねだる彩花。
 そのリクエストに、もはや躊躇もせず、「よし、きた!」とばかりにピストンを打ち込む蔵夫。
 再び、キュゥゥッ…と締まった膣圧に今度は耐えることはなかった。
「うぁぁっ…!あぁっ…!あぁっ…!」

 ドピュッ…!ドピュッ…!

 ぷるぷると震える太もも。
 我慢した末の尿意にも似た至極の射精感をしっかりと堪能し、彩花の体内にたっぷりの注ぐ。
「はぁ…はぁ…」
 この瞬間のために、柄にもなく五日間ほどオナ禁をしてきた甲斐あって、卒倒しそうなほどの快楽を得た蔵夫。
 その後は繋がったまま、二人で余韻を味わいながら何度も濃厚なキスを交わし、
「どう?蔵夫くん。気持ちよかった?」
「は、はい…最高です…すごく気持ちよくて…」 
「だろうね。だって、こんなにたくさん…♪」
 彩花がゆっくりと腰を浮かすと、運転席のシートめがけ、彩花の膣からボタボタと白濁汁が落ちる。
「本社に帰る前に、ちゃんと証拠隠滅しないとね♪」
 と、笑みを浮かべた彩花の丹念なお掃除フェラで大満足の蔵夫だが、そのうちに、

「あれぇ…♪また固くなってきたよぉ…?もしかして、まだ射精し足りないのかなぁ…?」

 とニヤつく彩花。
 その後も三回、しっかり搾り取られたカーセックス不倫。
 そして最後に、
「また私との出張、お願いしてね♪」
 と笑顔で言われ、蔵夫は、
(来週にでも、また来るか…)
 と、近々の再訪を誓うのだった。


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2021/11/01(月) 02:03 )