<オムニバス> 大人気イメクラ店「slope」突撃リポート













































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指名→「齊藤京子さん」
→体験します(初回指名)
 部屋に入った瞬間、ジュージューと揚げ物の音、そしてニオイがした。
 担当の嬢、齊藤京子は既に部屋の中にいて、奥のキッチンにてエプロン姿で奮闘中なのだが、漂ってくるのはニオイはどうも焦げ臭いし、ガシャン…と調理器具を落としたり、ひっくり返したりしている。
 奮闘というより、悪戦苦闘という方がしっくりくるかもしれない。
 だが、見かねてキッチンに入ろうとすると、
「いいから!座ってて!」
 と、自身のてんやわんやもあってか、半ギレで追い返す京子。
(な、なんだよ…)
 と思いながらソファーへ。
 しばらくすると騒がしいのが止み、
「ごめーん。出来たよ〜」
 と、完成した料理をテーブルに持ってくる。
 蔵夫は、目の前に置かれたプレートを見てつい素の反応で、
「…何これ?」
 と聞いてしまった。
 京子はぷくっと膨れっ面をして、
「なに?その言い方!せっかく、両親が町内会の旅行に出かけて一人ぼっちになったアンタのために、幼馴染の私がわざわざ来て晩御飯を作ってあげたのに!」
 と怒る。
(あぁ、なるほど…ここ、俺ん家ってことね)
 そこでようやく、用意された衣装が部屋着で、部屋がリビングなのも理解した。…が、だとしても、この料理はまだよく分からない。
「ま、混ぜご飯…?」
「バカっ!オムライスとエビフライっ!アンタが言ったんでしょ?」
「オムライス…?エビフライ…?」
 グシャグシャの卵が乗った玉葱の焦げたチキンライス、これはかろうじてオムライスと分かる。が、その横のあるエビの素揚げは…?
(まさか、これがエビフライ…?)
 料理が不得意という設定なのか、それとも本当に不得意なのか判断しかねる出来だが、ひとまず流れに沿って口に含む。
「…どう?」
 と、妙に自信満々の眼で聞いてくる京子。
「どうって…まぁ、食べれるけど」
「えー!なに?その“別に…”みたいな言い方!」
 ギクッとする蔵夫に、再度、膨れっ面を見せる京子。
 そのあざとさに思わず苦笑してしまう蔵夫だが、押しきられるまま、
「そんなことないよ。お、美味しいよ…ありがとう…」
 と言うと、京子はニコッと笑って微笑んだ。
 その明るい笑顔とポニーテール、そして華奢な身体に掛けたエプロン姿に、つい見とれる蔵夫。
(か、可愛い…!)
 至近距離で見れば見るほどに、京子が醸し出す“彼女感”に引き込まれる蔵夫だが、頼んだ設定はあくまでも『年上の幼馴染』。
 幼馴染をいきなり抱き締めるワケにもいかない。
(参ったな…)
 そんな悶々としたものを感じて少し照れる蔵夫をからかうように、
「ねぇ?何でそんな赤くなってんの?味付け、辛かった…?」
「あ、いや…だ、大丈夫…」
 京子は、気を許した素振りでソファーにどかっともたれて
「久しぶりだよね、アンタん家に来るの」
「そ、そうだね。久しぶりだね」
 京子の台詞に合わせて相槌を打ちながら、幼馴染という設定を頭に刷り込んでいく。
 ふと、
「ねぇ、思ったんだけどさ。ちょっと見ない間に、背、だいぶ伸びたよね?昔は、私の方が高かったのに、いつのまに?」
 と言って自然と腰を上げ、
「立ってみて」
 と促す京子。
 蔵夫も立ち上がり、密着するように並ぶと、
「え、ヤバッ!もうこんなに差あんの?なに?成長期?ショックなんだけど!」
 と早口で言いながらも、その華奢な身体を当て、そこできっちり上目遣いを決めてくる当たりがあざとい。
 再び並んでソファーに腰を下ろした後も、
「手も大きいよね」
 と言い出し、手の平のサイズを比べるフリをして、そのまま手を合わせてきたり、
「髪の毛がネックレスに引っかかっちゃった。取って?」
 と、ポニーテールを持ち上げてうなじを見せてきたり、
「そっか。料理、終わったから、もういっか」
 と、その束ねたゴムを解いてロングの髪型にチェンジしたり、とにかく色々と仕掛けてくる京子。
(た、たまらん…)
 次第に京子の振る舞いに、あざといと分かっていながらも虜になる蔵夫。
 そんな矢先、ふいに、
「ところでさぁ、ずっと気になってたんだけど…指輪…」
「え?あっ…」
(し、しまった…外すの忘れてた!)
 不意の指摘に、慌てる蔵夫。
 薬指に光るペアリング。
 今、交際してる恋人との愛の証だ。
「へぇー!アンタ、彼女いるんだ!?へぇ〜…」
「いや、あの…」
 風俗ライターとして不覚だった。
 現実世界の恋人がちらつくと、取材に、もとい、プレイに集中できない。
 それに、蔵夫自身、その付き合ってる恋人にも、この風俗ライターという職業はあまり快く思われていなかった。
 かねがね「人として好きだから仕事のことは気にしないよ」と言ってくれてはいるものの、やはり本音は、いくら仕事とはいえ、自分の彼氏が他の女と身体を交えるのはいい気がしないだろう。
 その点で我慢をさせていることを蔵夫も分かっているし、申し訳ないとも思っていた。
 それだけに、
(まずいなぁ…冷めちゃうなぁ…)
 と、肩をすくめる蔵夫だが、京子は、
「どんな娘?写真、見せてよ」
 とグイグイ聞いてくる。
 仕方なく、ケータイに残してある二人でお台場に行った時に撮ったツーショットを見せると、
「え、めっちゃ可愛いじゃん。名前は?ナニちゃん?」
「め、芽実っていうんだ…」
 柿崎芽実。
 知り合いの紹介で知り合った娘だ。
「へぇー。芽実ちゃん…可愛い名前だね。いつから付き合ってんの?最近?」
「まぁ…最近、かな…」
 蔵夫はウソをついた。
 本当は、もうすぐ一年。
 芽実への罪悪感か、それとも目の前の京子のことも気になって短く言ってしまったか…。
「へぇ〜、そうなんだぁ。いいなぁ〜…彼女、羨ましいなぁ…」
 と言いながらケータイをそっと返す京子だが、いつの間にか座る位置が近くなっていることに気付いた。
 画面を覗き込んだ際にグッと距離を詰めて、そのまま。
 京子の小柄な身体が密着すると、蔵夫の顔はさらに赤くなる。
 すると、京子は、少し残念そうに、

「そっかぁ…もし蔵夫がいつまで経っても彼女ができなかったら、その時は私が彼女になってあげる。って約束したのに…蔵夫、彼女できちゃったんだぁ…残念だなぁ、私はけっこう本気だったのに…」

(え…?)
 ここで唐突に匂わせてきた幼馴染の雰囲気。
 心なしか声も目つきも甘くなり、その変化にドキッとしてしまう蔵夫。
 京子は、ソファーの背もたれに掛けた蔵夫の腕の中で丸まるように、
「…ね?彼女できたんだもんね?」
「う、うん…そ、そうだけど…」
「じゃあ、いくら幼馴染でも、こうやって部屋で二人きりでいたら浮気って言われちゃうね」
 と言うくせに、その誘うような上目遣いは一向にやめない京子。
(う、浮気…)
 自然と芽実の影もちらつく。
 だが、これはリアルではない、あくまでもイメクラ…。
 そして、これが蔵夫の仕事、風俗ライターの仕事だ。
「い、いや…別に幼馴染だから、大丈夫じゃないかなぁ…?」
 リアル彼女・芽実への罪悪感を断ち切り、職務として設定を守った蔵夫。
 すると…。

「へぇ〜…?幼馴染だったらいいんだ…?じゃあ…こんなことしてもいいの…?」

(…!)
 ふいに、蔵夫の手をとり、ぎゅっと握ってくる京子。
 上目遣いが、みるみるイタズラな小悪魔の眼に変わる。
 重なる小さな手の平と、そこから伝わる体温。
「ね?幼馴染だからいいんだよね?こんなことしても…!」
「わぁっ!」
 ふいに手を引かれて体勢を崩し、ソファーに倒れ込んだところで入れ替わるように上になる京子。
「な、何を…!」
「昔よくしたでしょ?プロレスごっこ♪」
「プ、プロレスごっこ…?や、やめろよ…!もうそんな歳じゃ…あっ、ちょ、ちょっと…!」
 文句を言う蔵夫を無視して、ジタバタする手を脚で踏んづけ、身動きがとれなくする京子。
 その状態で、すぅ〜っ…とシャツ越しに胸板を撫でると、蔵夫は思わず身を固くした。
「ん?どうしたの?」
「どうもしてない…は、早く下りてくれよ…」
「ん〜、どうしよっかなぁ?」
「ちょ…や、やめろって…んっ…く、くすぐるなって…!おいっ…!」
 無防備な胸板に這う指は、徐々に性感マッサージのようにきわどいところを責め立ててくる。
「んっ、くっ…」
 堪える蔵夫を対し、京子は、だんだん本性を見せるように、
「残念だなぁ〜…私という幼馴染がいながら、他の女と付き合っちゃうなんて…昔からずっと言ってたじゃん、京子のこと好きって…あれ、ウソだったの…?」
 と呟いた。
(ウ、ウソだろ…?そっち系…?)
 まさかの“すごく重い”幼馴染という設定だったようだ。
「私はずっと、蔵夫くんを信じて待ってたのになぁ〜…」
「あっ、ちょっ、ちょっと…!」
 おもむろに、ガバッと捲り上げられたシャツ。
 そのまま迷いなく、左右の乳首に指を添え、クリクリと指先で嬲る京子。
「うぁぁ…!」
「ねぇ。振りほどかないの?されるがまま?」
「んっ、や、やめてくれよぉ…京子ぉっ…!」
 と、名刺にあった名前を呼んでみたところ、急に目付きが変わり、
「ハァ…?年下のくせに、なに私のこと呼び捨てで呼んでんの?調子に乗んじゃねーよ!」
「へ?」
「私を呼ぶ時は、きょんこ姉ちゃん、でしょ?」
「きょ、きょんこ姉ちゃん…?」
 慣れ親しんでいないと、いきなり呼ぶには敷居が高い呼び名だが、阿修羅と化した京子は構わず、
「分かってんの?次、私のこと呼び捨てにしたら、こうだからね!」

 ギュッ…!

「ぎゃぁぁっ!?」
 乳首をつねりあげられて悲鳴を上げる蔵夫。
「ねぇ?分かった?」
「わ、分かったよ。きょんこ姉ちゃん…!」
「そう。それでいいの」
 と京子は笑顔に戻ったものの、責めは継続し、
「ほら、もっと抵抗しないと、受け入れたら浮気になっちゃうよ?彼女に嫌われちゃうよ?」
「そ、そんなこと…!あっ、くぅっ…!」
 巧みな乳首責めの刺激はもちろん、リアル彼女の芽実を引き合いに出され、妙な背徳感を味わう蔵夫。
 さらに京子は、
「ねぇ、覚えてる?アンタのファーストキスの相手、私なんだよ?公園で、おままごとしてる最中にしたの、覚えてない?」
 と、妙にリアルな、まるで本当に既成事実かのようなセリフで匂わせながら、そのぷるっとした唇を近づける。
「うっ…うぅっ…!」
「…ねぇ?また私とキスしたい?」
 と意地悪に問う京子。
 芽実のために断るか、それとも…。
(し、仕事だから…イメクラだから…)
 と何度も自分に言い聞かせる蔵夫。
 そして、
「し、したい…きょんこ姉ちゃんとキスしたい…」
「あはっ♪したいんだぁ?彼女がいるくせに、しょうがないなぁ…♪」
「んぷっ…!」
 塞ぐように重ね合わされた唇。
 そのまま、ジュルジュル…と音を立てて吸い合い、舐め合い、絡め合う。
 激しいキスをしながらも、爪の先で乳首を弾くことを、そして、のしかかった腰を揺すって身体を擦りつけることも忘れない。
「んっ、んっ…ぷはぁっ…!」
 すっかり唾液まみれの口を離すと、京子は、再び笑みを浮かべ、
「あーあ…彼女がいるのに私とこんなに激しいキスして…これも幼馴染なら大丈夫なの?」
「━━━」
 黙りこくる蔵夫に、
「ねぇ。もしかして、彼女より、だんだん私の方が気になってるんじゃないの?」
(…!)
 おそらくセリフなのだが、なぜか妙に的を得ていて、ギクッとしてしまう蔵夫。
(ま、まさか…そんなことは…ない…筈…)
 と自問自答する間も京子の乳首責めは続く。
「うぅっ…や、やめっ…あっ、くぅっ…」
「ほーら。全然、抵抗しないじゃん。喜んでるの?もしかして、蔵夫ってドM?」
「ち、違うよ…!」
 と否定するも、反応はまさにドMそのもの。
 京子は、再び顔を近づけると、クスッと笑って、
「乳首…舐めたげよっか…?」
 と囁く。
 そのイタズラな笑顔を至近距離で見せるのは反則モノ。
 反射的にうんうんと頷いてしまう蔵夫だったが、京子は、
「じゃあ、ケータイ出して」
 と、蔵夫のケータイを奪い取り、さっきの芽実とのツーショットを、もう一度、拡大した。
 そして、それをテーブルに立て、
「ほら、彼女が見てる前で、もう一度、お願いして…?」
 と、意地悪に微笑む。
「い、いや…か、勘弁してよ。それは…」
 と顔を赤らめ、眼を逸らす蔵夫に、
「へぇ〜、私の言うこと聞けないんだ?あ、そう…」
 と、追い打ちの乳首転がし。
「あぁっ…うっ、うぁぁ…!」
「ほら、言いなよ。ちゃんとお願いしなよ!彼女のことなんて忘れてさぁ!」
 巧みな指遣いが蔵夫の理性をじわじわと溶かし、快楽へといざなう。
 たまらず、
(め、芽実…!ごめん…こ、この娘、すごく上手くて…)
 と、リアル彼女への罪悪感を感じながら、
「ち、乳首…!きょんこ姉ちゃんに…ち、乳首を…な、舐めてほしい…」
 と、情けないお願いを京子にする蔵夫。
 すると京子は、自分が言わせたくせに、
「あーあ…言っちゃったぁ♪いけないんだぁ、彼女がいるのに〜!」
 と囃し立て、
「しょうがないなぁ。蔵夫くんがそこまで言うなら…」
 と、跨がったまま身を屈めていく。
「くっ…は、早く…」
「慌てないでよ」
 と言いつつも、鼻先まで近づいた途端、餌に飛びつく動物のように勢いよく吸いつき、レロレロと舌を這わせる。
「ぐぁぁ…あぁっ…」
「え?感じてんの?感じてんの?」
 と聞き返した後、興奮気味に、
「ちょっと待って、ちょっと待って!ねぇ、勃つの早くな〜い?すぐ固くなった!やばっ、ウケるんだけどっ!」
 と連呼する京子。
 そんな、ニヤニヤしながら蔵夫の表情を窺う京子に、
「ね、ねぇ…きょんこ姉ちゃん…頼むから、アレだけしまってよ…」
 とテーブルの上のケータイに目をやる。
 満面の笑みのリアル彼女・芽実の視線が痛くて、胸が締めつけられるような思いだ。
「なぁ…んんっ、し、しまってってば…あぁ…!」
 と、繰り返す蔵夫だが、  
「え?何で?別にアンタが我慢すればいいだけでしょ?」
 と、しまってくれない。
 むしろケータイを手にして、
「そんなに言うなら電話かけちゃおっかなぁ…?あなたの彼氏、今、乳首舐められて感じてますよ、って」
「ちょ、ちょっと…や、やめてくれよぉっ…!」
 暴れる蔵夫に、
「ふふっ、冗談だって。もう…可愛いんだから…♪」
 結局、ケータイは伏せてもらえず、なおも芽実の視線を浴びながら乳首舐めで責め立てられる蔵夫。
 そして…。
「んっ…くっ、くぅっ…!」
「どうしたの?ジタバタ、ジタバタ…」
 京子は、ニヤニヤしながら腰の上に座り直し、
「私、分かってるよ?さっきからずっと、ココが固くなってるの…」
 と、のしかかったお尻で円を描く。
「うぁぁっ…!」
「ねぇ、苦しいでしょ?これ、脱ぎたい?脱がせてほしい?」
 と、短パン、そしてパンツのゴムをまとめて引っ張る京子。
 ここでも芽実から目を背け、うんうんと従順に頷く蔵夫。
 ズルズルと脱がされる短パンとパンツ。
 恥ずかしさが込み上げ、つい内股になると、
「あはっ♪内股ウケるんだけど」
 とニヤつく京子。
「ほら、ちゃんと開いてよ」
 その紅葉のような手を内ももに添え、ぐっと左右に開いて、蔵夫の股間を観察する。
「へぇ〜、蔵夫も、もうすっかり男だねぇ。ちゃんと毛も生えて、大人のオチンチンになってるじゃん♪」
「そ、そんなに見ないで…」
「ちょっと!ダメだよ、閉じちゃ」
 ペチペチと内ももを叩いた後、その手をゆっくり竿へと伸ばす。
「んっ!あぁっ…!」
 血管をなぞるように触れたソフトタッチの指先に思わず吐息が漏れる。
 すると、また、
「うっわ、固ッ!え、待って!ヤバいんだけど!え?ウソでしょ?え?え?何でこんな勃ってんの?ヤっバい!これ!」
 と興奮のあまり、早口になり、口数も多くなる京子。
 そして、竿を握り、しゅこっ、しゅこっ…と扱けば、それだけで蔵夫は、卑猥な吐息を漏らしながらタコのようにクネクネと脚を動かした。
「アハハ。なに?こう?これがいいの?」
「う、うん…」
 年上の幼馴染、きょんこ姉ちゃんの手コキ。
 乳首責め同様、その巧みな指遣いがたまらない。
「あぁっ…あぁっ…!」
「ヤッバ…めっちゃビクビクしてる。蔵夫って実は変態だったんだね…」
 と妖しくニヤつく京子。
 左手で竿を扱きながら、右手で蛇口を回すようにクリクリとカリ責めを施すダブル攻勢。
 だらだらとカウパー液を垂れ流せば垂れ流すほど、それを潤滑油にされる快楽のループ。
「あぁっ、ヤ、ヤバい…ヤバいっ!」
「なに?何がヤバいの?」
「あっ、で、出るっ…出るぅっ!」
「いいよ、ほら。私の手コキでイッちゃいな!」
「あぁっ!うあぁぁっ…!あぁっ…!」
 京子の細い腕に筋が入り、濁音のリズムが速まると、そのまま、

 ピュッ…!ピュッ…!

「あはっ、出たっ…♪」
 斜めを向いた発射台からミサイル実験のように飛び出した白濁の塊は、勢いを殺さないまま汗ばむ胸板へ次々と着弾した。
「はぁ…はぁ…」
 搾り取られ、息が上がる蔵夫をよそに、胸板に着弾した精液を指で絡め取り、
「うわぁ、めっちゃ濃いよ、これ…こんなに糸引いて…」
 と、その粘りを楽しみながら、
「ねぇ、溜めすぎじゃない?彼女は定期的にヌイてくれないの?」
 と聞く京子に対し、
(め、芽実のことは…今、言わないでくれ…)
 という目をする蔵夫。
 リアル彼女を引き合いに出されるたび、現実に戻って罪悪感が生まれる。
 そして、
「まだ出せるっしょ?」
 と、その後も緩急をつけた手コキで見事に手玉に取られ、悶絶させられた蔵夫。
「がぁぁっ…で、出るぅっ!」
 と絶叫しながら二発目の射精。
 その後も、調子づいたように三発、四発と搾精手コキで搾り取る京子。
 気付けば腹の上は精液まみれ。
 へその穴も、まるで何処かの秘湯のように白濁の沼と化していた…。
(た、たまらん…あ、頭が…おかしくなる…)
 茫然と天井を見つめる蔵夫。

「ねぇ、もう終わり?まだ出せるよね?」

 と京子に耳元で甘い声で囁かれたところまでは、まだ気は確かだったのだが…。

 ……

「ありがとうございました〜。またのお越しを〜」
 と見送られて店を後にした蔵夫。
 精巣がカラになるまで搾り取られたような気分で、まだ頭がぼんやりする。
 ふらつきながら大通りに出て、タクシーを拾って帰路についた蔵夫だが、その車中、貰った名刺をポケットから取り出し、裏面を、再度、見直す。

<彼女さんに内緒で、また、お姉ちゃんとイチャイチャしようね♪>

 と書かれた、何ともスリリングな直筆の追記から目線を切れない。
 年上の幼馴染という設定で、てっきり優しくリードされて…という平和な流れかと思いきや、まさかの逆NTR展開。
(やべぇなぁ…)
 と、窓の外に流れるネオンを見ながら、溜め息をつく蔵夫。
 完全にハマってしまった、あの“きょんこ姉ちゃん”に…!


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2021/04/28(水) 15:10 )