<オムニバス> 大人気イメクラ店「slope」突撃リポート













































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指名→「影山優佳ちゃん」
→体験します(初回指名)
 ドアを開けた瞬間、蔵夫は、自身の考えた設定に合わせて脚を引きずり、わざとらしく、
「いてててて…」
 と、かなりの大根だが芝居を打った。
 それを見て、部屋の中…部室にいたマネージャーの影山優佳が、
「蔵夫くん!どうしたの!?」
「いやぁ、ちょっとゲーム形式の練習で相手と交錯しちゃってさ」
 と言うと、影山は、
「えーっ!?大丈夫なの!?」
 と心配そうな顔で座っていた長椅子を空けてくれた。
「悪りぃ、悪りぃ…」
 と、そこに腰かける蔵夫。
 長椅子に置かれたサッカーボールには布巾…どうやら部室で健気にボール磨きをしている最中だったようだ。
 そんなマネージャー影山は棚から救急箱とコールドスプレーを取ってくると、怪訝な顔で、
「折れては…ない…よね…?」
「うん、それはない。ちょっと変な方向にひねっただけ」
 と言うと、影山は、ひとまず骨折じゃないことにホッとした表情で、
「どこが痛い?」
「んー…ここらへんかな」
 とテキトーに指差したところを冷やしてくれる影山。
 もちろん負傷したということ自体が演技だから実際はただ冷たいだけだが、ちゃんとコールドスプレーが本物なところに設定の忠実さを感じた。
「他にケガしてるところは?」
「いや、大丈夫。これだけ」
 と答えた蔵夫。
 よくよく考えれば交錯して転倒したのなら他にも擦り傷の一つぐらいありそうなものだが、そこまで厳密に設定を練れるほど頭は柔らかくない。
「とにかく、しばらくここで休んどきな」
 と言い、続けて、
「捻挫だったら腫れてくるから冷やさないと…職員室で、氷、貰ってくるね!」
 と言って部室から飛び出していく影山。
(え…?行っちゃうの…?)
 このままイチャイチャ開始かと思っていた期待を裏切られてポカンとする蔵夫だが、ここはひとまず、素直に演出に従ってみる。
 一人になったところで、一旦、わざとらしく脚をさする手を止め、ジロジロと見渡す周囲。
 カゴの中には磨き終わったサッカーボール。
 部屋の隅にはミニコーンとライン引き、そしてパイプハンガーには黄緑色のビブスがズラリと並び、いわゆるサッカー部の部室がリアルに再現されている。



(そういや、ウチのサッカー部の部室もこんな感じだったっけ…)
 と回想しつつ、唯一、思い出と違うのは、まだほのかに残るついさっきまで女子がいた痕跡…影山の残り香だ。
 蔵夫が所属していたサッカー部は女子マネージャーなどおらず、部室は鼻にツンとくる酸っぱい汗のニオイしかしなかった。
(だから今でも憧れるんだよな、女子マネージャーってのに)
 という未練もあり、チャンスとばかりにクンクン鼻を鳴らし、かすかな残り香を堪能する蔵夫。…と、そこに、突然、飛び込むように中年が入ってきた。
「わぁっ!?」
 と驚く蔵夫をよそに、
「どうだ?大丈夫か?」
 と聞くあたり、どうやら彼は顧問の先生役のようだ。
 時代遅れのテクノカットをした先生は、うなだれるように腰に手をやって、
「まったく…いざ試合になれば、あれぐらいのプレッシャー、相手はガンガンかけてくる。あれでコケたってファールにはならない。下手な演技と笑われるだけだ」
「はい…」
 突然のお説教に返す言葉がない蔵夫。
 たいしたことない負傷なら心配どころか呆れられるのは運動部あるある。
 そして先生は、キョロキョロと部室を見渡して、
「…ところで“カゲ”はどうした?」
 と聞く。
「今、冷やす氷を取りにいってくれてます」
 と返しながら、そこで自然とあの女子マネージャーの愛称が『カゲ』だと刷り込まれた。
 ちょうどそこに洗面器に氷を入れて戻ってきた影山。
「あ、春日先生!」
 と先生に声をかけ、
「先生。次のメニューは何ですか?」
「うむ。次は基礎トレーニング。まずはランニング、学校の外周5周からだが…」
 春日先生はチラッと蔵夫の脚に目をやって、
「走るのは、ちと無理だな。お前はパスしてここで少し休んでろ」
「はい…」
「じゃあ、カゲ。あとは頼む」
 と言って、部室から出ていく顧問の春日先生。
 その淡白な扱いを見るかぎり、どうやらレギュラー格ではなさそうだ。
 そこだけは自身の学生時代と全く同じ…イメクラの設定上でも補欠部員でエースになれないのがやるせない。
 その悲哀もあって、
「ちぇっ…もう少し心配してくれてもいいのにさ…」
 と不貞腐れる蔵夫。
 それを、
「こらこら、スネないの!」
 と、なだめ、ビニール袋に詰め替えた氷を蔵夫の患部に当てながら、
「おかげで蔵夫くんが大っ嫌いな外周ランニング、免除されたじゃん。それに、私は、蔵夫くん、絶対レギュラー獲れると思ってるから。…ね♪」
 と、下から見上げてニコッと笑った影山。
 その不意打ちの笑顔と、嬉しい理解者寄りの振る舞いに、一瞬、ドキッとした。
 率直に、
(や、やべぇ…今のだけで惚れそうだよ…)
 と思い、途端に熱を持つ頬。
 かァッと顔が赤くなっているのが鏡を見ないでも分かる。
 それを誤魔化すように、
「じ、自分で持つよ…」
 と、影山が作ってくれた氷の袋を奪い、
「お、俺のことはいいから…ボール磨きの途中だったんだろ?気にせず続けろよ…」
 と、ぼそぼそ呟く蔵夫。
「そう…?じゃあ、そうするね♪」
 と、ナチュラルに蔵夫の隣に座ってボール磨きを再開する影山。
 このあざとさ…天然か、それともわざとやってるのか…。
 熱心にボールを磨きながら、
「そういえば蔵夫くんってさ。進路、決まったの?」
「進路?まぁ…」
「え?どこ?大学だよね?どこ大?」
「何だよ、別にどこでもいいだろ…」
「いいじゃん、教えてくれても」
「よくないよ。そんな、人に自慢できるランクのところじゃないから」
 と蔵夫が肩をすくめると、それ以上、深掘りしてくることはなかったが、代わりに、
「じゃあさ。そこでもサッカー続けるの…?」
「ん〜…どうだろうなぁ。ヘタクソだからなぁ」
 と肩をすくめると、
「絶ッ対、続けた方がいいよ!応援する!試合があったら、私、ちゃんと見に行ったげるからさ♪」
 と嬉しいことを言われてチラッと目を向けると、ちゃんとそこで目を合わせてニッコリ微笑むデキる女、影山。
(そうそう!こーゆーのッ!こーゆーのを経験したかったんだよ、あの当時にっ!)
 このやりとり…いかにも青春の1コマ。
 こんな夢のひと時が、現実ではなく、イメクラのプレイ中だということが悔やまれる。
 密室で二人きり。
 何となく良い雰囲気だが、そういった時にかぎって余計な邪魔が入るのも世の常。
 また入口に人の気配がして、次は部員が三人、
「あー、疲れたぁ…!」
「あの坂、ホントにキツいんだよなぁ」
「もうクタクタだよ…」
 と口々に言いながら部室に入ってきて、
「カゲ!ボール3つ!」
 と声を上げた。
「は〜い、行くよ〜?」
 と、今、磨いていたボールと、さらに横にあるカゴから2つ、磨き終わったボールを彼らに投げて渡すマネージャー影山。
 それをキャッチし、
「サンキュー!」
 と言って立ち去りかけるも、脚を冷やす蔵夫を見つけて、

「おい。何だよ、蔵夫。また練習サボってんのか?」
「そんなんだからレギュラーになれねぇんだよ」
「ちょっとコケただけだろ?大袈裟だよ、大袈裟」

 と意地悪なことを言って笑う三人。
 もちろん、これも演出の一環だろうが、万年補欠だった身として、これによく似た苦い思い出が沢山あるぶん、
(いや、こーゆーところは再現しなくていいよっ!)
 と、まるで天国から地獄、一気に落ち込む蔵夫。
 部員たちの嫌味はなおも止まらず、しまいには、

「どうせ、そうやってカゲとイチャイチャしたいだけじゃねーの?」
「相変わらず仲良いねぇ、お二人さん!」
「俺たちが来なけりゃ、キスぐらいしてたんじゃねぇの〜?おアツいこと!」

 と、影山をも巻き込んだ冷やかし。
 当人も隣にいる手前、ぐうの音も出ず、恥ずかしさから顔を真っ赤にして黙り込む蔵夫に対し、見かねた影山が、
「ちょっと!いいかげんにしなよ、アンタたち!蔵夫くん、本当に怪我してるんだから!」
 と割って入り、
「ほら、ボール渡したでしょ!しょうもないこと言ってないで早く練習に行った行った!」
 と、手を払って彼らを部室から追い出した。
「はいはい、分かりました分かりました」
「どうせ俺たちは邪魔者ですよーだ」
「ったく、ヘタクソのくせにっ…」
 と、ぶつぶつ言いながら退室していく三人。
 冷やかしがなくなったことで少しホッとしたところで、
「ホントにもぉ…何なのよ、アイツら」
 と呆れた様子の影山は、蔵夫に向き直ると、
「あんなの、気にしないでいいからね?蔵夫くん」
「う、うん…」
 女に助けてもらう…男としては情けないかぎりだが、見たところ小柄な影山がビシッと言う姿に妙な頼もしさを感じてキュンとしたし、何より、意地悪な連中の冷やかしに対し、満更でもないような振る舞いにも少しドキッとした。
(こ、これって…もしかして、イケちゃう…か…?)
 イケるも何もイメクラなのだから、事前に金を払った客なのだから当然のことだが、それすら忘れてシチュエーションに没頭させ、つい、そんな気にさせてくれるリアルな演出。
 これがこの店の爆発的人気の秘訣だ。
 チラッと影山に目をやると、それを待っていたかのように影山もこちらに目を向け、見事に鉢合わせ。
 思った以上に距離の近い対面に、お互いが、
「あっ…」
 と、慌てて目線を戻す。
 高まる高揚。
(こ、こんなに近かったっけ…?)
 最初に比べて並んで座る二人の距離が近くなっている気がする。
 いったいいつの間に…そんな、さりげなく距離を詰めてきたところが影山の巧さだ。
 さらに、ボール磨きをしながら、誘うように、スッ、スッ…と腕に触れてくる影山のジャージ生地。
 そこで、

「み、密…だね…」



 と呟いた影山の一言で、もう我慢できない。
「カ、カゲ…!」
 脚に当てていた氷の袋を放り出し、真横にある華奢で小柄な身体を抱き締める蔵夫。
「きゃっ…!」
 と小さな驚きの声が上がった後、彼女が膝の上で磨いていたボールが床に落ち、二度…三度…と弾む。
 そして、そのバウンドが収まり、ボールが静止する頃には、長椅子に腰かけた二人は静かに口づけを交わしていた。

 チュッ…♪チュッ…♪

 主導権を譲るように、少し上を向き、舌を出したまま動かない影山と、その可愛らしい舌を吸い上げるようにしゃぶりつく蔵夫。
 やがて紅葉のような手の平がスッと太ももにたしなめるように置かれ、口を離すと、一言、

「…誰か来ちゃうよ…」

 と顔を真っ赤にして俯く影山は、もはや素なのか演技なのか識別不可。
「誰も来ないよ」
 と決めつけ、再び影山の身体を抱き締め、より激しく唇を貪る。
「んっ…んっ…」
 と小さく声を上げながら、観念したように太ももに置いた手をそっと取っ払う影山。
 キスを終えると、蔵夫は、
「カゲ…いいよな…?」
 と野暮な確認を挟んで、まずは影山が上に羽織るジャージからゆっくりと取り去った。
 現れた白いTシャツと、そこから伸びる細くてしなやかな腕。
 掴んで引き寄せ、そのTシャツも背中から捲り上げていくと、キレイな腰、背中が徐々に露わになっていく。
「は、恥ずかしいよ…」
 と、ぼそっと呟くのがまたいい。
「カゲ、万歳してよ」
 と言って、手を上げさせ、スルリとTシャツを抜き取る蔵夫。
 素肌を露出した影山は、シャツが手首から抜けた瞬間、目にも止まらぬ速さで腕を下ろし、胸を隠す。
「…隠すなよ」
「やだ…小さいから…恥ずかしい…」
 と、先ほど冷やかし部員を追い返した態度と一変、顔を真っ赤にしてモジモジしている。
「そんなことないよ」
 と言ってその胸を隠す腕をそっと外し、ブラに包まれたバストを拝見する。が、実際に目の当たりにすると、手を退けさせる口実のつもりだったが本当にそんなことなかった。
 小柄なわりに、ちゃんとそれなりの膨らみがあり、純朴な白いブラに覆われていても、なかなかの弾力と分かる。
 思わず見とれたまま目が合うと、より一層、顔を赤くして、恥ずかしさのあまり、
「やぁっ…こ、ここは飛ばしてよ…」
「飛ばす?飛ばすって何だよ。ほら…」

 パチンっ…

「ひゃぁっ…」
 ホックの外れ、緩んだブラがずり下がると同時に目を塞ぐように蔵夫にしがみつく影山。
 抱き寄せた身体は燃えているように熱い。
(どれどれ…これのどこが小さいって?)
 モゾモゾと手を差し込み、膨らみの感触を確かめに行く。

 むにゅっ…

「んっ…!」
 思った通り、ゴムボールのような反発のある弾力を得たと同時に、顔の横で影山の小さな声が漏れた。
 さらに続けて揉んでやると、影山は必死に声を殺して、
「んっ…んっ…んんっ…♪」
「可愛いよ、カゲ…」
 と声をかけてやると、影山は、急に艶っぽい視線を向け、
「こういう時ぐらい、カゲじゃなくて下の名前で呼んで…?」
 と言ってきた。
 それを言われて、蔵夫は、
「━━━」
 …すんなりと呼んでやりたいところだが一生の不覚、さっきから“カゲ”という呼び名に慣れすぎたぶん、名刺に書かれていた下の名前をド忘れしてしまった。
(な、何だっけ…?ユリ?ユミ?…ユキだっけ?やべぇ…!全然、覚えてない…!)
 むにゅっ、むにゅっ…と一定のリズムで胸を揉んで誤魔化しながらも、内心、慌てている蔵夫。
 痺れを切らしたように影山は頬を膨らませて、
「…さては、私の下の名前、忘れたんでしょっ…!」
「…ご、ごめん…何だっけ?」
「もぉ…優佳だよっ…」



 と、耳元で教えてくれる影山。
 それを聞いて、
(そうだ…!優佳だ…!)
 と思い出した蔵夫は、気を取り直して、
「なぁ、優佳…ここも触っていい?」
 と、その膨らみの中心にある突起に触れた。
「あっ、んっ…い、いいけど…優しくしてね…?」
「任せろ」
 と二つ返事をして、優しい手つきでこねくり回してやると、次第に影山は、
「あっ、んんっ♪んっ、はぁっ…♪」
 と、抱きついて離れないまま、断続的に艶かしい吐息を漏らし始めた。
 その可愛らしい反応が蔵夫を勢いづかせ、次第に、優しく…というのも忘れて、摘まみ上げ、クリクリと転がし、そして引っ張る。
「んんっ!んんっ…!」
「可愛いよ、優佳…優佳…」
「やぁっ…呼びすぎっ…!呼びすぎだから…!」
 名前を連呼される照れ、胸を晒す照れ、嬌声が漏れる照れ…いろんな照れが入り交じる影山の赤面は破裂寸前。
 それならいっそ破裂させてやろうかと、さらにモゾモゾと手を動かし、目指した先はジャージの下。…の、さらにその中。
 腰紐をグッと掴み、生まれた隙間から侵入すると、すぐさまその手首を掴み、
「んっ、ま、待って…そこはちょっと…」
「大丈夫だよ、優佳」
「え…ホ、ホントに…?あっ♪んんっ♪」
 侵入した指先が脚の付け根にまで達し、やけに熱を帯びた一点を触診のようにスリスリとなぞった。
「んっ、んっ…く、蔵夫くん…そ、そこは…あんっ♪」
「優佳…すごいぞ。パンティの上からでも湿ってるのが分かる」
「やぁっ、バ、バカぁっ…」
 またさらにガシッとしがみつく影山は何とか気を紛らせようとキスをせがみ始めた。
 仕方なく応じてやることにして、再び唇を重ねる。
 キスをしてる間だけ、影山の力が抜ける。
 それをいいことに、キスで気を引きながらやりたい放題。
 蔵夫の前で立つように促し、ジャージをゆっくり下ろしていくと、引き締まった脚と、可愛らしいパンティが現れる。
「ね、ねぇ…ホントに誰も来ないかな…」
 と気が気じゃない影山を、
「大丈夫」
 と一蹴し、次はパンティに指をかける。
 ズルズルと引き下ろすパンティ。
 まず目を引くのはキレイな土手とその少ない範囲に密集した毛だが、それよりも蔵夫の目に留まったのは、離れていくパンティの裏地と陰毛の間にねっとりと糸を引いた粘液。
(ほぅ…!)
 と、思わず目を見張る。
 恥じらっていたわりに股ぐらはこの状態…そのギャップに高揚しない男などこの世にいない。
 実際に軽く触れて確かめてみても、やはりアソコは既にビショビショだ。
「わぁ…すごいぞ、優佳…」
「やぁっ…言わないで…あんっ♪んんっ♪ひゃぁっ♪」
「指、挿れてみてもいい?」
「え…ホ、ホントに…?」
「いいだろ…?な?」
 と聞くと、影山は、目を閉じたまま、観念したように静かに頷いた。

 …クチュッ♪

「あぁん♪」
 小柄なわりに、すんなり蔵夫の指を飲み込んだ影山の膣。
 第二関節まで入ったところで波打つように指を動かし、責めてやる。
「あっ、んっ、んんっ…!ヤ、ヤバい…んひぃっ♪」
「おぉ…こりゃすごい…締まりが…ハンパない…!」
「あんっ♪んんっ、んっ、んっ…♪」
 蔵夫の肩に手をついたまま、腰だけ卑猥にくねらせる影山の官能ダンス。
 たまらず、
「優佳。俺のも触ってくれよ」
 と頼むと、影山は再びキスをせがみ、立ち手マンを堪能しながら蔵夫の股間の膨らみにゆっくりと手を伸ばした。
 子供のような短い指を触れた瞬間、
「んはっ…おっきい…♪」
 と、キスの最中(さなか)に呟く影山。
 そのまま短パンの上から中に潜む大物を撫で上げ、その感触で自らをもさらに興奮させていく。
 その手つきが心地よすぎるあまり、力が抜け、ゆっくりと長椅子に横たわる蔵夫。
 それをいいことに影山は蔵夫の短パンとパンツをまとめて下ろし、いきり勃ったムスコを露出させる。
 ドアのすりガラス越しに差し込む夕陽…を模した赤みがかったライトに照らされ、神々しさすら感じさせる蔵夫の男根。
 キスの連発ですっかり火がついた影山は身を翻し、まだ蔵夫が何も言っていないのに、勝手に長椅子を跨いで蔵夫の男根にしゃぶりついた。

 チュポっ…♪

 と捕獲された音とともに、生温かい口内の感触が竿にまとわりつく。
(おぉ…♪)
 と、ご満悦の蔵夫だが、その顔の上には湿った影山の秘肉が、まるで誘っているようにヒクヒク蠢いている。
 当然、この誘いに乗らない手はない。
 お返しとばかりに、

 ジュルルル…♪

 と大きな音を立ててむしゃぶりついてやると、影山は、
「はひぃっ♪」
 と、腰を跳ね上げ、いい声で鳴いた。
 なおもピチャピチャと音を立てて舐める蔵夫。
 負けじと影山も、その小さな口を目一杯まで開けて、豪快に咥え込む。
 ここからは両者ともノーガード。
 シックスナインでお互いの股間を責め合い、快楽に浸る。
「んぐっ!んぐっ!んぐっ!」
 と喉を鳴らす影山のディープスロートに、
(うっ…や、やべぇ…!)
 と射精感が押し寄せる蔵夫だが、それより先に、
「んぐっ!んぐっ!…あぁっ、ヤ、ヤバっ…イクっ…イクぅっ!んんっ、はぁぁっ…♪」
 と、蔵夫の顔の上に跨がる影山の下半身がビクビクと痙攣した。
「んっ…♪んっ…♪」
 小さなお尻の肉を小刻みに揺らし、一足先に達した絶頂の余韻に浸る。
 そして、それが収まると、
「じゃあ、次は下のお口でしてあげる…♪」
 とドキッとするようなことを笑みを浮かべて言い放ち、急に大胆になって長椅子の上に乗ってくる影山。
 今まで咥えていたイチモツを掴み、そこに狙いをつけるように股を当てにいく。
 そして、ヌルヌルして温かい肉に触れるやいなや、そこで一気に腰を下ろした。

 グヂュッ…♪

「ひゃはぁッ♪」
「うぉぉ…!」
 二人揃って声を上げ、長椅子の上での騎乗位セックス開演。
 膝を立て、蔵夫の上でバウンドするように跳ねていたかと思えば、一転、根元まで呑み込み、クイッ、クイッ…と突き出すように腰を動かす影山に、
(おぉっ…おぉっ…こ、この腰遣い…たまらん
…!)
 と蔵夫も思わず太鼓判。
「あんっ♪あんっ♪」
 汗が噴き出す小柄な身体が躍り、長髪が乱れる。
 しまいには腹筋で膣をきつく締め、生温かくイチモツをホールドしたまま円を描く必殺グラインド。
 たまらず、
「あぁっ、ゆ、優佳…!や、やべぇよ…」
 と早くも音を上げる蔵夫に、
「えぇ!?もうイキそうなの!?早いよ…!」
 と言いつつ、グッと腰を曲げて蔵夫の耳元に顔を寄せ、

「仕方ないなぁ…♪いいよ、イッても…♪」

 その囁きで、さらに高まる射精感。
 追い込む粘り腰に、思わず尻肉を鷲掴みにして、
「あぁっ、ゆ、優佳っ!…優佳ぁっ!」
 と部室内にこだまする絶叫とともに腰を浮かせた蔵夫。
 軽々と持ち上げられた影山の身体も仰け反ると同時に、彼女の膣内(なか)に、

 ドピュッ…!ドピュッ…!

 と思春期に戻ったような勢いで滾りを放った。
 その脈動に合わせて、
「んんっ…♪あぁっ、はぁっ…♪」
 と声を上げる影山。
 そして、
「はぁ…はぁ…」
 と、息を荒くする蔵夫に、
「…ちょっとズレちゃったね。次は一緒にイキたいな…♪」
 と、屈託のない笑みでおねだりを告げ、返事を得ないまま、再び腰を再稼働。
 ヌチャッ、ヌチャッ…と結合部から濁音を立てて愛液を泡立てる姿は『…誰か来ちゃうよ…』などと言っていた数分前がウソのよう。
 その後、望み通り、二人が同時に絶頂に達することができたのは四回戦目。
 その時にはもう、影山の小さな身体にしこたま搾り取られた後で精子はほぼ残っておらず、カラ撃ちでビクビクと腰が震えるだけだった。
 そして…。


「はぁ…はぁ…」
 長椅子をベッドにして抱き合い、余韻を共有する二人。
 それでも目が合うとキスを繰り返し、ここまで作り上げてきた甘い雰囲気を楽しむ。
 もはや、負傷したテイの脚が左右どちらだったかも忘れてしまった。
 それぐらい濃密なセックスを、狭い部室の中で何度もした。
 身体の相性も抜群だと思う。
 すっかり、この影山優佳という嬢の虜になってしまったし、できることならこのまま朝が来るまで抱き合っていたい。…が、残念ながら相手はビジネス、そういうワケにもいかない。
 ふいに、ドアの向こうから
「おーい、カゲーっ!また怪我人が出た!来てくれー!」
 と、さっきの顧問、春日先生の声がして、ドアのすりガラスに大きな人影が映った。
「げっ…!」
「ヤ、ヤバっ!」
 抱き合ってた二人は慌てて飛び起き、早着替えのように衣装を着直す。
「おい、カゲっ!早くしろ!救急箱だ、救急箱!」
「は、はーい…!今、行きまーす…!」
 シルエットで急かす春日先生に返事をしながらでは、ジャージを穿いて、しわくちゃのTシャツを着るのがやっと。
 乱れた髪はそのまま、羽織った上のファスナーも止めずに救急箱を手に立ち上がった影山は、一旦、出て行きかけたが足を止め、戻ってくると耳元で、

「今日のことはみんなに秘密だよ…?分かった?」

 と口止めを囁き、続けて、

「今度、指名してくれた時は私の家でしよっか…♪絶対、来てね?約束だよ…?」

 と囁き、部屋を飛び出していった。
 …ここでプレイ終了。
 現実に戻った蔵夫は服を着替えて店を出るなり、早速スマホを取り出し、カレンダーを開いた。
 理由はもちろん、次回、影山の家に行く日を探すためだ。


(つづく?)

鰹のたたき(塩) ( 2022/01/14(金) 01:07 )