「愛人秘書」×「社長室」×「遠藤さくら」
「では、お客様。この更衣室でこちらの服に着替えて、着替え終わったら、あちらの部屋に入って、少しお待ちください」
と小包を渡され、更衣室に入れられた蔵夫。
(客も着替えさせるのか)
と感心しながら風呂敷を開けると、まさに…というものが、一式、入っていた。
(やれやれ)
本格的というのか、設定に忠実というのか…。
思わず苦笑してしまった蔵夫だが、自分で指定したシチュエーションだから乗らないワケにもいかない。
いそいそと着替え、部屋に入る蔵夫。
着替えた格好は『スーツ』。
入った部屋は『社長室』だった。
そして、部屋の中央に、ポツンと一枚、置かれた名刺。
<遠藤 さくら>
これが今夜、相手をしてくれる女性の名前だ…!