関有美子の陥落物語
2.令嬢失墜カリキュラム ━LEVEL-1 寸止め━
「んっ、あっ…!」
 小さく声を上げる有美子。
 全身を這い回る指。
 そして、その指がなぞったところを中心に、徐々に身体が火照り、熱を帯びてくる。
(び、媚薬…!)
 その火照りの原因に鋭く感づく有美子だが、身動きの取れない以上、その効果と真っ向から対峙するしかない。
「くっ、んっ…あっ、んんっ…!」
 目隠しで視界が封じられているのをいいことに、指をつけたり離したり、有美子の裸体をいいようにいたぶる男たち。
 鮫島は、わざと有美子に聞こえる声で、
「乳首とマンコには、特に入念に塗り込んでやるんだ。それから、こういう顔立ちの女はクリトリスも弱い。そこも忘れるな」
 と指示を出し、それを受けた男たちの指が恐怖を植えつけるように、卑猥な手つきで女の性感帯を刺激する。
「んっ、あぁっ…!くっ、や、やめっ、あぁっ!」
「あれぇ?どうかしましたか?お嬢様ァ?」
 鮫島は、有美子の耳元で、
「お嬢様ともあろう者が、悪党に乳首やアソコを触られて声を上げてもいいんですかねぇ?」
「う、うるさいっ…!んっ、あっ…わ、私の身体に…ひ、ひぃっ…さ、触らないでっ…!」
 鮫島の煽りに顔を赤くする有美子だが、口から吐く言葉を全て途切れ途切れにさせてしまう巧みなコンビネーション。
「ククク…どうです?普段、捕らえた男に使っていた媚薬オイルを自分の身体に使われる感想は?」
「くっ、くぅぅっ…!」
「貴方が、捕らえた男にどんなことをしていたか、既に調べはついているんですよ?たとえば、こうやって…」
 鮫島の指が、有美子のぷくっと膨らんだ乳首へ伸び、
「引っ掻いたり…!」
「んんっ!あぁっ!」
「弾いたり…!」
「んはぁっ!?や、やめっ…!ああぁっ!」
「こうやってゴシゴシと擦り上げたりしてたんだってねぇ!?」
「ひ、ひぃっ…!」
 手首を繋ぐロープを蛇のように揺らして悶える有美子。
「そして極めつけは、こうして…」
 と人差し指と中指で挟んで引っ張り、
「こうでしょぉっ!?」
 と、その伸びた乳首の先を親指でクリクリと転がす。
「んひゃあぁっ!?」
「ほら、何とか言ってみたまえ!別名“乳首殺しの有美子様”なんでしょぉっ!?」
「ひぃっ…!や、やめっ…!ああぁぁっ!」
 絶叫する有美子。
 元奴隷から聞き出した有美子の技を完コピして責める鮫島。
 媚薬で感度を高められた乳首を自分の技で責められ、為す術がない有美子。
 暴れて身体を揺すれば揺するほど、乳首が引っ張られて痛みが増す。
 それが辛くて動きたくないのだが、動かなければ格好の標的になるのも分かってる。
 何とか、その境目でダメージを最小限に留めたい。…が、しかし。
「んっ、んっ…!」
「ククク…何のマネです?身体をくねらせても離しませんよ?こうして両方とも、しっかり摘まんでますからねぇ!」
「んはぁぁっ!?」
「ほら、私の指の間で、どんどん固く、小石のように固くなってますよ?もしかして、このまま続ければ乳首だけでイッてしまうんじゃないですかねぇ?」
「そ、そんなワケ…な、んあぁっ!?」
「そんなワケあるんですよ。その反応が何よりの証拠ではないですか!ほら!ほらぁっ!」
「はあぁっ!?」
「ほら、早く逃げないと、このままでは“乳首殺しの有美子様”が“乳首イキするドM有美子”になってしまいますよ?いいんですかねぇ?」
「う、うるさいっ!だ、誰が…!」
 変なアダ名をつけられて赤面する有美子を、終始おちょくるような口調でいたぶる鮫島。
 意に反して自制が効かない快感の蓄積によって、みるみる追い詰められる有美子。
 目隠しで視界を塞がれているせいで、次にどんな指の責めが来るのか読めない。
 身構えることも出来ず、ただただ乳首を嬲り殺しにされる有美子。
「くっ、あぁっ!?あぁぁっ!?」
「おや?声が上ずってきましたよ?そろそろですか?」
「や、やめっ…!離して…!あぁっ、ダ、ダメっ!ダメぇぇっ…!」
 限界が近づき、絶叫する有美子。
 耐えきれず、とうとう屈辱の“乳首イキ”を覚悟した。…が、幸い、そうはならなかった。
 いや、むしろ、それで終われた方が幸いだったかもしれない。
 イク寸前で鮫島の指は離れ、
「はぁ…はぁ…」
 と息を乱す有美子に対し、
「ククク…どうです?少しは奴隷の気持ちが分かりましたか?」
「そ、そんなもの…わ、分かって…たまるか…!」
「ほぉ〜。いけませんねぇ、お嬢様がそんな汚い言葉を使っちゃ…!」
「んあぁっ!?」
「さぁ、続きです。もう一度、イク寸前のところまで連れていってあげましょう。寸前までは、ね」
「くっ、や、やめてっ…!んはぁっ!?」
 再び絶頂の手前まで押し上げる乳首責め。
 そして、また、イク寸前のところでパッと手を離し、焦らす。
 それが、五回…六回…と続いた。
 ようやく解放されても、ヒリヒリして、もはや感覚がない有美子の乳首。
 散々、引っ張り上げられた乳首は、そのスタイルとは不釣り合いな、少し伸びた牛のような乳首になってしまった。
 その様子を見て、Sっ気たっぷりに悦に入った表情を見せる鮫島。
 その笑い声を耳にして、ようやく、真の恐怖を実感する有美子。
(こ、この人…悪魔だ…!)
 だが、その悪魔の手は、まだ、とどまるところを知らない…。
「さぁ、次はこちらをいたぶって差し上げますか」
 と、鮫島は、大きく開かれた有美子の脚の間に移動した。
「や、やめてよぉ…!」
 かすれるような有美子の声に、
「おやおや…?ずいぶん弱気になってしまいましたねぇ。ククク…ようやく、今、自分が置かれている状況立場に気づいてくれましたか?」
 その特徴的な笑い声の中、おもむろに左右のビラビラに親指を押し当て、有美子の割れ目を力任せにグッと開く鮫島。
「や、やぁっ…!」

 ごぷっ…

 濁音とともに、開いた割れ目からダラダラと白濁混じりの粘液が溢れ、流れ落ちた。
 媚薬による性感の高まりと、散々いたぶられた乳首責めにより、有美子の秘部は既に大洪水だ。
「ククク…これは素晴らしい!捕らえた男を何人も喰らっているわりには、まだ綺麗なピンク色が保たれているではありませんか!」
「━━━」
「ほぅ…ほぅほぅ…」
 鮫島は、開いた割れ目に顔を近づけ、隅々まで観察を始める。
「や、やだっ…!離して…!」
 頬を赤らめ、髪を振り乱す有美子。
 そして次の瞬間、

 フゥ〜…!

「んあぁっ!?」
 剥き出しの秘肉に生暖かい息を吹きかけられ、飛び跳ねるように悶絶する有美子。
 その後も、

 フッ…!フッ…!フゥ〜…フッ…!

 と不規則なリズムで息を吹きかけ、有美子の身体を躍らせる鮫島。
 やがて、一息が長くなり、
「さぁ、このまま私の吹きかける息で、貴方の“豆”を覆う包皮を剥いてあげましょう!」
「やぁっ…!んあぁっ!」
 集中してクリトリスに当てられる息の風。
 剥けかけの包皮から顔を覗かせるクリトリスめがけて風が舞い込むのに合わせて、ぶるぶると震える有美子の太もも。
「ククク…粘りますねぇ?なかなか剥けませんよ?」
「ひ、ひぃっ!も、もうやめてぇ…!」
 オイルで貼りついた陰毛を逆立て、悶える有美子。
 その後も続けて息を吹きかけられるうちに、
「おぉっ!出てきました!」
 と鮫島は嬉しそうに笑い、
「では、早速、嬲っていきましょう」
 と言って、先ほどの乳首責めと同じ要領で、その固くなったクリトリスをいじくり始めた。
「んっ!あぁっ…ダ、ダメっ…んひゃぁぁっ!?」
 オイルによって、自分でもおそろしいほど過敏になっているクリトリス。
 有美子は、もはや声を抑えることも出来ず、呼吸を乱すように喘ぎまくった。
 ガチャ、ガチャと、脚を留める革バンドを音を立てて揺する。
 四肢が硬直させ、浮き上がるように背筋をピンと伸ばして、
「ひ、ひぃっ…!ダ、ダメぇ…イクぅっ!イクぅぅっ!」
 と髪を振り乱して絶叫する有美子。…しかし。
「ククク…まだです」
 またしても鮫島の指が絶頂寸前のところで無情にも離れてゆく。
 目隠しをされていても、ニヤニヤ笑っている様子が分かる。
「くっ、くぅっ…!」
 唇をぷるぷると震わせ、口惜しそうに噛み締める有美子。
「さぁ、このまま発狂するまで焦らして焦らして、焦らし抜いて差し上げましょう。今まで貴方に弄ばれた男たちの苦しみを自分で味わいなさい!」
 絶望の一言とともに、再び、意図的に波を引かせては、また呼び寄せる…この繰り返しが行われる。
「がぁぁっ…んっ、あぁっ…ぐっ、ぎゃあぁっ!」
 延々と続く寸止めに、とうとう、その見た目おしとやかな顔からは想像もつかない、獣のような声を上げ始める有美子。
 嬲り殺しに遭うクリトリスは真っ赤に充血し、その下の割れ目からはだらだらと白濁の本気汁の排出が止まらず、脚の付け根と革張りの施術台を汚す。
(お、お願い…!一回…!一回だけ…!)
 せめて一回でいいからイキたい。
 だが、イカせてもらえない。
 寸前のところまでは連れていくくせに、あと一歩のところで首根っこを掴んで引き戻される。
(つ、辛い…!辛すぎる…!こんなのって…!)
 その不条理さを恨む有美子。
 だが、それは、さっき鮫島が言った通り、そもそも有美子自身が捕らえた男たちにしてきたこと。
 仲間の田村保乃、井上梨名、武本唯衣らと組み、全身を媚薬オイル漬けにして、勃起した乳首と隆起した男根を生殺しにしてオモチャにした。
 そんな性遊戯の逆襲…。
 今、有美子の身に降りかかる受難は、紛れもなく、被験者の恨みを代わりに晴らす復讐兵団の報復なのだ。
「くっ、あぁっ!ダ、ダメっ!もうダメっ!」
 と白旗を挙げるように絶叫する有美子。…だが、またしても責める指が離れる。
 あと、ほんの一秒…。
 あと一秒でも続けば絶頂に達するぐらいの絶妙なタイミングでの寸止め。
「ククク…そう簡単にイカせてもらえるなんて勘違いされては困りますねぇ?気が狂うまでと言ったでしょう?」
「そ、そんなぁ…!」
「それとも、お願いしますか?我々のような下衆な男に絶頂を懇願しますか?そうすれば、考えてあげなくもないですがねぇ」
「くっ…!」
 いくらなんでも、それはない。
 高貴なる令嬢として、そして“女尊男卑”という鉄の掟がある欅共和国の統治する者の一員として、こんな悪党どもに屈服し、自ら敗北を認めて懇願するなんてことは、断固として受け入れられない。
 唇を噛み、苦悶の表情を浮かべる有美子に対し、
「さぁ、有美子お嬢様!そのとろけて燃え上がる身体、イカせてほしければ、頭を下げて我々にお願いをしなさい!なに、少しプライドが傷つくだけですよ。そして、その先にあるものは天国にも似た快楽!それが欲しくて、もう身体が疼いて堪らないんでしょ?ねぇ!?」
 と屈服を強いる鮫島。
「━━━」
 唇を真一文字に閉じ、黙り込む有美子。
「ほぅ。なかなか強情ですねぇ…だが、その閉じた口を開けばどうかな?口を開けば、つい、言ってしまいそうになる。はしたない本音が漏れてしまう。だから、今、貴方は、必死に唇を閉じている。…違いますか?」
「━━━」
「無視をしないで答えてくださいよ、有美子お嬢様」
(…!?)
 ふいに閉じた唇をなぞるように鮫島の舌先が触れた。
「い、嫌ッ…!」
(やっぱり無理…!こんなヤツらにひれ伏すなんて…!)
 反射的に、髪を振り乱し、舌から逃げるように顔を背ける有美子。
「ほぅ…そうですか、嫌ですか」
 鮫島は大袈裟に溜め息をついたものの、すぐに笑みを浮かべ、
「ならば、仕方ありませんねぇ。もっともっと責め苦を与えて、その残りわずかなプライドも粉々にしてあげましょう!」
 と、次なるステージへの移行を告げた。
 そして、おもむろに横のワゴンに手を伸ばす鮫島。
 その手の向く先には、前回、長濱ねるを狂わせて堕とした、あの「淫蟲」が、まるで今か今かと出番を待つように、瓶の中から有美子の裸体を覗いていた…!


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2020/10/03(土) 10:07 )