古畑奈和の場合
2.デビル降臨
「へへへ…気分はどうだ?殺し屋さんよ」
「くっ…!」
 奈和は唇を噛み、取り囲む男たちにキッとした目を向けた。
 地面に立てられたおどろおどろしい十字架に縛りつけられた奈和。
 手足の固い拘束は、いくら身体を揺すっても緩む気配はない。
 薄明かりの部屋の中で、唯一、揺れ動く奈和の金髪。
 潜入に適した黒のレザースーツも、まっすぐ立てばその肉感的なボディラインを否応なしに強調し、男たちの注目を集める。
「ふぅ…たまんねぇな、こいつは」
 と思わず漏らす男たち。
 その下卑た視線を端から順に威嚇するように睨みつけ、その中のリーダー、只野に、
「い、言う通りにしたんだ…!裕奈を返せ…!」
 と声を上げる奈和。
 只野は笑って、
「裕奈…?あぁ、あの江籠とかいう女のことか。下の名前までは知らなかったな」
「は、早く解放しろ…!」
「フフフ…少し待っていろ」
 只野は、何故か不敵な笑みを浮かべ、一度、奥に引き下がった。
 そしてまた、男たちの視姦タイムが再開する。
(くっ…!)
 突き刺さる下品な視線。
 こそこそと、
「まぁまぁ胸もあるじゃねぇか」
「これで股の間にチンコがついてるとは、逆にそそるぜ」
 と言葉を交わす猥談が漏れ聞こえる。
「き、貴様ら…!やめろ、見るな…!」
 堪らず、視線を逸らす奈和。
 それでもまだ、男たちは舌なめずりをしながら奈和の胸の膨らみ、丸みの帯びたお尻のライン、ムッチリとした太もも、そして男根を隠し持つ股間を観察し続ける。
 やがて、そこに、コツ…コツ…とヒールの音が聞こえた。
(ゆ、裕奈…?)
 逸らした視線を再び戻す奈和。…だが、すぐにその目を思わず見開いた。
 そこに立っていたのは確かに江籠裕奈だった。
 だが、どうしたことか、彼女はデビルの衣装を身に纏い、只野の横で不敵な笑みを浮かべて十字架に磔にされた奈和を眺めていたのだ。
「ゆ、裕奈…?」
 次は声に出して名を呼んだが、すぐに異変に気づいた。
 瞳の奥の色が違ったのだ。
 奈和は、キッとした目をして只野を睨み、
「き、貴様…!裕奈に何をした!?」
「なに、試しに洗脳マシンというものを使ってみただけさ」
「せ、洗脳…マシン…?」
「ウチの組織が開発した代物でな。まだ試用段階だったが、どうやら上手くいったようだ。おかげでこの娘の“自我を一時的に封じ込め、潜在意識を引き出す”ことに成功したようだ」
「な、何を言ってるの…!ゆ、裕奈っ!しっかりして!」
 必死に呼びかける奈和。
 だが、裕奈は、そんな奈和の声を一笑に付し、一言、
「まんまと捕まっちゃって…情けないよ、奈和ちゃん」
 と吐き捨て、ニヤリと笑った。
(…!!)
 その一言で、只野の言う通り、裕奈が洗脳されていることを痛感した。
 普段、そんなことは言わないし、こんな悪い顔をすることもない。
 奈和は、再度、只野に目を向け、
「よ、よくも裕奈を…!せ、洗脳を解きなさい…!」
「何を言う。親友の本性が見れる絶好の機会ではないか」
「き、貴様ぁ…!」
 憤りを見せる奈和をよそに、裕奈は妖しい笑みを浮かべながら十字架に近寄ると、ふいに、手にしたトライデント、フォークのような形をしたデビル愛用の槍で、磔にされた奈和の身体に向け、その先端ですっ〜っと下から上に撫でた。
「くっ…!」
「ふふっ…くすぐったい?」
「ゆ、裕奈…!やめてよ…!」
 繰り返し、槍の先端が絶妙な触れ具合で直立不動の身体をなぞる。
「なんかぁ〜…チラッと聞いたんだけど〜…」
 裕奈はクスクス笑いながら、その槍の切っ先を股間へあてがい、
「奈和ちゃん、実はオチンチンがついてるんだって?」
(…!!)
 表情が凍るとともに、おそらく裕奈に教えた張本人であろう只野に対し、殺意すら感じる鋭い目を向ける奈和。
「確か“ふたなり”って言うんだっけ?初耳だなぁ…てっきり今まで、私と同じ、普通の女性だとばかり思ってた」
「━━━」
「何で私には教えてくれなかったのかなぁ〜?」
「━━━」
「ふふっ。黙っちゃった」
 裕奈は、只野に向き直り、
「本当に好きにしていいの?」
「あぁ、いいとも。普段、内に秘めていた思いを解放してやるがいい。親友なのに隠し事をされていたなら尚更だ」
 と、只野がけしかけると、裕奈は笑みを浮かべて奈和に向き直り、
「聞いた?奈和ちゃんの身体、好きにしていいんだって」
「━━━」
「私ね。前から、一回でいいから、奈和ちゃんをいじめてみたかったんだよねぇ」
「な、なに言ってんの…!バカなこと言ってないで早く正気に戻って…!」
「ふふっ…こんな機会、またとないでしょ?しかも、それがよりにもよって“ふたなり”なんてさ」
「━━━」
「ボーイッシュでカッコいいところは、もう見飽きたの。だから今日は奈和ちゃんの可愛いところをたっぷり見せてもらうよ?甘い声でアンアン言っちゃうところとかさぁ…!」
「ゆ、裕奈…!いいかげんに…!」
「さぁ、どうやっていじめていこうかなぁ…?」
 裕奈は、その妹キャラの見た目とは裏腹に、サドな笑みを見せ、奈和の身体をまじまじと見つめ、ゆっくり、レザースーツのファスナーに手を伸ばし、
「とりあえず、これ、脱いでもらおうかな」
 と言って、ゆっくりファスナーを下げていく。
「ゆ、裕奈ァっ!?ダ、ダメっ…!」
 十戒のように割れていく黒い生地の下から現れる肌色。
 鎖骨、胸元、腹筋、へそ…そして下腹部まで、一刀両断されたかのようにレザースーツが開くと、素肌の他、紫色のブラ、そしてパンティが隙間から覗く。
「ふふっ。紫の上下…意外とセクシーな下着だね」
「う、うるさいっ…!や、やめてっ!あっ…!」
 裕奈の手が一筋の縦線の幅を広げ、胸元をはだけさせた。
 その拍子に、ぶるんっ…と揺れる紫のブラに包まれた乳房が飛び出す。
「わぁー、おっきいっ!」
「べ、別に大きくないから…!」
 と照れて謙遜するも、しっかり大きい奈和の胸。
 その弾けそうな揺れを、嬉しそうに見つめる裕奈。
「くぅっ…!」
 たまらず、頬を赤くして顔を背ける奈和。
 洗脳された裕奈だけでなく、周りでいいものを見るように眺める男たちの視線が痛い。
 そんな奈和のことはお構い無しに、
「それじゃあ、見せてもらおっかな♪奈和ちゃんのおっぱい♪」
 と裕奈は言って、レザースーツの隙間に手を入れ、正面から抱き締めるようにして背中に手を回した。
「ダ、ダメっ!やめてよっ、裕奈っ!」
 制止する奈和の声も届かず、背中のホックを外す裕奈。
 途端に空気が入ったように、ふっと浮いて地肌と生地の間に隙間が出来る。
 そして、その隙間に指を入れ、容赦なく上に引っ張り上げる裕奈。
 すると…。

 ぷるるんっ…!

「やぁっ…!」
 ほんのり汗で濡れた乳房が露になり、男たちの歓声を受けてさらに頬を赤くする奈和。
 普段、ボーイッシュに振る舞う奈和も、さすがに、見知らぬ男たち、そして親友の前で堂々と乳房を晒すのは恥ずかしい。
 それを裕奈は、十字架の後ろに回り、
「奈和ちゃん、おっぱいはどうやって触られるのが好き?優しく?それとも強く?」
 と小悪魔の笑みを浮かべて問う。
「し、知らない…!いいかげんにしてっ!」
 と突っぱねる奈和だが、裕奈はその反応も想定内というように、
「ふーん…教えてくれないなら自分で探ってみよっと♪」
 と言って、背後から奈和の胸に手に回す。
 まず最初は優しく、押し上げるように。
「な、何やってんの!さ、触んないでよ…!やぁっ…!」
「だったら教えてよ。素直に教えないから、こうやって、男の人の見てる前で触られることになるんだよ?」
「ゆ、裕奈っ!いいかげんに…!んっ!あっ…」
 制止の途中に漏れた吐息。
 途端に裕奈はニヤリとして、肩越しに覗き込み、
「…なに?今の声?」
「な、何がっ!?声なんて出してな、あっ、んっ!」
「なにムキになってんの?奈和ちゃん」
「くっ…!んっ…!」
「ふふっ、可愛い…♪」
 十字架に固定されて動けない奈和。
 その奈和の胸を小さな手の平と細い指が蜘蛛のように周囲を這い、時にぐっと肉を鷲掴みにする。
 洗脳され、秘めたSっ気を出し始めた裕奈は、奈和の乳房を揉みくちゃにして弾力を楽しみつつ、逐一、その反応を確かめるように肩越しに表情を覗く。
(み、見ないで…!)
 前を向けば下衆な男たちからの視姦。
 だが、それが嫌で顔を背けると、そこには色白な裕奈の天使のような悪魔の顔が間近にある。
「ねぇ、奈和ちゃん。感じた顔、見せてよ」
「バ、バカなこと言わないで!んっ、あっ…も、もぉっ!やめてよぉっ!いいかげんに…んっ、はぁぁっ!?」
 これまで吐息で誤魔化していた奈和が、突然、明らかな声を漏らした。
 裕奈の細い指が、その乳房の先端の尖りをクリクリと押したのだ。
「あはっ♪見つけちゃった♪」
 そこが弱点と見るや、ニヤリと笑い、本格的に触り始める。
「んっ!ゆ、裕奈っ…!ダ、ダメだって…やんっ!はぁっ…!」
「こっちも同じようにしてあげるね」
 と、裕奈は、反対側の乳首も同じように指先でプッシュした。
「んんっ!はぁっ…あぁっ!」
 固く縛られた手足の代わりに腰をクネクネと前後に動かして悶える奈和。
 目立つ金髪のショートカットが汗で頬にくっついている。
「いいぞ、いいぞ!」
「もっとやれ!もっと見せろ!」
 男たちの野次が飛んだ。
 それに乗せられたのか、裕奈は、オッケーサインのように人差し指と親指で輪を作り、それを奈和も目の前に掲げ、
「さぁ、奈和ちゃん♪次は、こうやって摘まんでコリコリしてあげるね♪」
「やぁっ、ダ、ダメ…!やめてっ!んはぁぁっ!?」
 宣言通りの左右同時の乳首転がし。
 その、くすぐったいと思いつつも全身を射抜く甘い刺激に、奈和は、より一層、腰をくねらせ、金髪をなびかせる。
 そして…。
「おい、見ろよ」
「あぁ、竿の形がくっきり見える」
(…!!)
 ギャラリーと化した男たちがぼそぼそと口にする通り、奈和のパンティの中が徐々に膨らみ、浮き出し始めていた。
(ま、まずい…!)
 慌てて我に返り、必死に萎えるようなことを考えるが、裕奈の乳首責めが全て打ち消してしまう。
「んあぁっ!ゆ、裕奈っ!離してっ!あぁっ!」
「どうしたの?何を焦ってるの?」
 裕奈は、奈和の耳に口を寄せ、
「あれぇ?何か、お股のあたりがもっこりしてるんだけど…?」
 と、わざとらしく囁き、
「奈和ちゃん、本当にオチンチンついてるんだね。男の子みたい」
「い、言わないで…!」
「ふふっ。意地っ張りなところも可愛い♪」
 と耳たぶに息を吹きかけ、左手はそのまま乳首責めで残し、右手をゆっくりと下ろしていく。
「ダ、ダメっ…!」
 その手の行き先を察し、声を上げる奈和。
 だが、裕奈は耳を貸すこともなく、そのまま股間に到達した手で、パンティの上から膨らみを撫でる。
「はぁっ…!あぁっ…!」
「す、すごい…!固くて、ビクビクしてる!温かい…」
 親友のふたなりチンポに感嘆とする裕奈。
 そして、彼女の手は次第に浮き出た竿に五指が密着する握りになり…。

 シュッ…シュッ…シュッ…シュッ…

「んんっ…あぁっ、はぁっ…!」
「どう?奈和ちゃん…」
「や、やめて…!裕奈ぁっ…!」
 と必死に制止を促すも、その意に反し、さらにむくむくと膨れ、血が滾るふたなりチンポ。
 パンティのゴムすら押し上げ、亀頭がゆっくりと下腹部に顔を出すと、
「ギャハハハ!とうとう下着に収まりきらずに出てきたぞ!」
「こりゃあ、すごい!なんてデカさだ!並みの男よりデカいぞ!」
「女に触られてビンビンになるとは、とんだむっつりスケベだな!」
 と男たちが盛り上がる。
(くっ…!バ、バカにしやがって…!)
 穴があれば入りたいほどの恥辱と屈辱に震える奈和。
 だが、その感情すら、パンティの中に挿し入れられた裕奈の手で竿を握られると、すぐに吹き飛ぶ。
「んんっ!ま、待って!触らないで!ゆ、裕奈ァっ!待ってってばぁ!」
「アハハ。奈和ちゃんをイジメるの、すごく楽しい♪」
 裕奈は悪魔の笑みを浮かべ、
「ほら、苦しくてお外に出たいって言ってるよ?出してあげるね?」
(…!!)
「ダ、ダメっ!嫌ぁっ!やめてぇっ!やだぁっ!」
 ヒステリックな声を上げる奈和を無視し、パンティのゴムを力任せに引き下ろす裕奈。
 乳房と同様、緩んだ締め付けを乗り越えるように、ギンギンに勃起したふたなりチンポが露わになる。
「嫌ぁっ!見ないでぇっ!」
 奈和の叫びもむなしく、歓声とともに起きる笑い声、嘲笑。
 それらを一様に浴び、ビクビクと脈打つ巨大なふたなりチンポ。
 それまで黙っていた只野も寄ってきて、
「まったく…よくも、まぁ、こんなモノをぶら下げたまま、ぬけぬけと潜入してきたものだ。澄ました顔で女を装う気だったか?えぇ?」
「うぅっ…」
「まぁ、いい。これぞ、飛んで火に入る夏の虫。珍客には、それ相応のもてなしをしてやらんとなぁ」
 そう言って只野は、裕奈に目を向け、
「さぁ。お前のテクニックで親友のチンポをイジメ抜き、磔にしたまま、たっぷりと搾り取ってやれ。そのまま失神させてもいいぞ」
 と裕奈を焚きつける只野。
 洗脳された裕奈は、その指示に対し、逆らうことなく、素直に、
「オッケー」
 と、それを承諾し、再び、奈和のイチモツに白く細い指を伸ばすのだった…!

鰹のたたき(塩) ( 2020/08/29(土) 23:59 )