木崎ゆりあの場合
3.男根筒殺し
 屈辱の失禁を恥じているヒマもなく、男たちは次なる責めに取りかかる。
 まず、目の前に突きつけられるボトル。
「これが何か分かるか?」
「つ、次は何だよ…?」
「へへへ。さっきの利尿剤とは違うぜ。こいつは、バイアグラ媚薬オイルだ」
「バ、バイアグラ…え?何?」
「理解する必要はねぇよ。実際に体験した方が早いからな」
 と言って、男は、ゆりあのブラを引っ張り、その隙間にオイルをドバドバと注いだ。
「や、やめろよぉ…!」
 瞬く間にオイルまみれになるゆりあの胸。
 さらにオイルは垂れ、お腹、へそ、下腹部、そしてポークビッツと揶揄された小さなイチモツを濡らし、光らせる。
「へへへ。これで全身オイルまみれだ。こうなりゃ、これも、もういらねぇだろ」
 と乱暴に引き剥がされたブラ。
 体型に相応の形の良い乳房がオイルまみれでぷるっと震える。
 そして、とうとう全裸にされてしまった身体に野蛮な男たちの手の平が這い回り、オイルを塗り込む作業が始まる。
「んっ、やぁっ…!わ、腋はやめろっ!触んなっ!」
 と身体をよじるゆりあだが、徐々に男たちの手が、胸の先端、そして股ぐらへと向かう。
 まず、ぷくっと起き上がった胸の先端の突起に塗り込まれると、
「んっ…んっ…!」
 と小さく声を漏らすゆりあ。
 そして、股ぐらに辿り着いた手が、ゆりあの小さなモノを掴み、覆い隠してゆっくりと塗り込んでいく。
「あっ、んっ…!やぁっ…!」
 先ほどまでの痛みとは違う感覚。
 ニュルニュルした手の平に包まれ、ウナギを捕まえるように、右手、左手、また右手…と、矢継ぎ早に持ち替えられると、その妙なくすぐったさに思わず腰が引ける。
「おっ…?」
 と男が声を上げると、すかさず周りの男たちが、
「どうした?」
「何かあったか?」
 と聞き、それに対して男はニヤリと笑って、
「少し固くなってきやがった」
「な、なってない…!テキトーなこと言うな…!」
「そうやって認めたくねぇ気持ちは分かるが、現に勃ってんだよ。ほら!」
 男の手が、ゆりあの男根をぶるぶると揺らすと、遠心力でペチペチで打ちつけられる。
 普段なら届く筈のないところまで…。
「くっ…!」
「さぁ、まだまだ大きくしてやるぞ。これがオイルの効果だ」
 と男は笑い、さらに、
「お前の仲間…なんとか朱里ってのも、散々、強がってたわりには、結局、このオイルでイチコロだったからなぁ?」
(…!!)
「いい機会だ。どっちが辛抱強いか、確かめてやる」
「き、貴様…!」
 仲間を引き合いに出されて憤るゆりあ。
 だが、股間の刺激に脚が震え、こんなに至近距離にいるのにもかかわらず、得意の蹴りを繰り出すことが出来ないのがもどかしい。
 先端から根元まで余すことなくオイル漬けにされる男根。
 気付けば、ポークビッツと罵られた面影は既に無く、立派な、いや、むしろ身の丈以上のサイズまで膨張していた。
「さて、大きくなってきたら、こいつの出番だ」
 と男が次に取り出したのは何やら筒のようなモノ。
「な、何だよ、それ…!」
「何だ、知らねぇのか?」
 男は笑って、
「コイツは“TENGA”っていうんだよ。お前みたいなヤツにはうってつけだ」
 と言いながら、その器具の中にも潤滑油として先ほどの媚薬オイルをたっぷりと注ぎ、ベチョベチョになったその口をゆりあの男根にあてがう。
「さぁ、入れるぞ?」
「や、やめろ…!んあぁっ…!」
 有無を言わせずにその筒が竿を呑み込むと、中のヌルヌルした感触に思わず声を漏らすゆりあ。
(な、何だ、これ…!吸い付いてくる…!)
 竿にまとわりつき、吸着する疑似女性器。
 先端はゴツゴツしているし、竿の中ほど、根元と、場所によってまた感触が違う。
 初体験のTENGAに戸惑いが隠せないゆりあ。
 そして男の手が、ゆっくり抜き挿しを始めると、
「あっ、あっ…!や、やめろ!動かすなっ!んひぃぃっ!?」
 と、生意気口調から一転、ゆりあは甘い声を上げて仰け反った。
「へへへ。気持ちいいだろ?たまんねぇだろぉ?」
「んあぁっ…!ぬ、抜けよ!抜けってばぁっ!」
「抜け…?それはヌイてくれってことか?」
「ち、違うっ!それを抜けってぇっ!きゃはぁぁっ!」
 抜き挿しにねじりまでプラスされ、悶絶するゆりあ。
「おいおい。さっきまでの威勢の良さはどうした?」
「そんなに気持ちいいのか?」
「それじゃあ、ついでにこっちも触ってやるよ」
 と、がら空きの乳首を捉える男たちの指。
「んひぃぃっ!?」
 オイルまみれの乳首を転がされ、さらにTENGAコキまでされては太刀打ちできない。
「あぁっ!や、やめろぉっ…!んあぁっ!ダ、ダメぇっ!」
(ヤ、ヤバい…!で、出ちゃいそう…!)
 尿とはまた違う液体が出てしまいそうな感覚に、青ざめ、暴れるゆりあ。
「おら、なに暴れてんだ!」
「往生際が悪りィんだよ!」
 その身体を押さえる男たち。
 なおも続くTENGAコキに、
「や、やめろっ!やめろってぇっ!」
「何でやめなきゃいけねぇんだよ?このまま続けたらどうなるっていうんだ?」
「は、離せっ!んあぁっ!んひゃぁぁっ!」
 絶叫し、髪を振り乱すゆりあ。
 そして、とうとう、
(あっ、で、出る…!出ちゃうっ…!)
 と、高まる射精感に宙を仰ぎ、身を固くするゆりあ。…しかし。

 …

 ……

(…え?)
 訪れる筈の射精の瞬間が一向に来ない。
 おそるおそる宙を仰いでいた目線を下げると、あれほど激しく抜き挿しをされていたTENGAはぴたっと止まり、乳首を嬲っていた指も離れていた。
 そして、ゆりあが、
(ど、どういうこと…?)
 と思った瞬間、再び、乳首嬲りとTENGAコキが再開される。
「んあぁっ!?あぁぁっ!」
 再度、悶絶し、宙を仰ぐゆりあ。
 その耳に聞こえる男たちの笑い声。
「へへへ。そう簡単に射精させてもらえるとでも思ったのか?」
「ただイカせるだけじゃ能がねぇからな」
「お前みたいな生意気なヤツは気が狂うまで焦らして身の程をわきまえさせるに限るぜ」
「くっ…!き、貴様ら…!ふ、ふざけるな、あぁぁっ!?」
 ゆりあの気丈な姿勢に水を差すTENGAのねじり。
 中の球状の突起が竿をゴリゴリと擦って刺激する。
「おら、脚がガクガクしてるぞ?しっかり立てよ!」

 パァァン

 乾いた音。
 肉付きの良い太ももへの平手打ちに、思わず顔をしかめるゆりあ。
(痛ぁっ…!)
「さぁ、自慢の蹴りを繰り出してみるか?TENGAの刺激に耐えて俺を蹴り上げてみろよ」
「ち、ちくしょう…!んはぁぁっ!」
 挑発に乗って脚に力を込めるも、TENGAに竿の根元まで喰われ、中のシリコンでもみくちゃにされると、蹴りどころか身体を支える力も出ない。
「ひ、ひぃっ!?んひぃぃっ!」
 速まる抜き挿しに絶叫するゆりあ。…だが、また寸止め。
 すぐに再開するも、また寸止め。
 射精寸前まで追い込まれるたびに寸止めされ、快楽を無理やり維持させられるゆりあ。
「んあぁっ!あぁぁっ!で、出る!出るぅっ…!」
「おいおい、まだダメだよ。なに勝手にイキそうになってんだ?」
「くっ…こ、このクソ野郎ども…!」
「ほぅ。イカせてくれなかったらクソ野郎なのか?イキたいのにイカせてくれない輩はお前にとってクソ野郎か?」
「だ、黙れ…!んひゃぁぁっ!?」
「どうだ?イキたくてたまらないだろう?『イカせてください』って言えばイカせてやるぞ?」
「だ、誰がお前らなんかにっ…!んはぁっ!」
「だったら、そのまま苦しむがいい。強がっているかぎり、絶対にイクことは出来ない。そして、その間もオイルはじわじわと効き目を発揮するのだ」
 この男の言う通り、既に竿がむず痒く、感度が上がっている。
 それに、おぞましいほどに勃起して下腹部が苦しい。
 オイルに配合された媚薬とバイアグラ成分の効果が如実に現れている。
「あぁぁっ!ひゃぁぁっ!?」
「ハハハ。みっともないなぁ?裸で立たされて、ふたなりチンコをTENGAでシゴかれてよ」
「う、うるさいっ…!んはぁぁっ!」
「言っとくが、暴発させるんじゃねぇぞ?その口が緩むまで、たっぷり焦らしてやるんだからな」
「へへへ。ションベンはOKなのに射精はNGとは辛いなぁ?」
「さぁ、どこまでもつかな?」
「あぁっ!ダ、ダメっ!もうやめてっ!んひゃぁぁっ!」
 しつこい寸止め地獄に汗の玉を飛ばして悶えるゆりあ。
 果たしてゆりあは、この絶体絶命の危機を脱することが出来るのだろうか…?

鰹のたたき(塩) ( 2020/08/10(月) 11:58 )