高橋朱里の場合
2.生意気の代償
「んっ、くっ…はうぅっ…!」
 悩ましく腰をくねらせ、悶える朱里。
 捕らわれた朱里は下着姿にされ、施術台の上で仰向けに「X」の字で拘束された。
 顔にはアイマスク。
 視界を奪われた中で身体に垂らされた怪しいオイル。
 それを、まず、男たちの手で四肢に行き渡るまで塗り込まれた。
 上はむっちりとした二の腕から指先まで、下は肉付きの良い太ももから足の指の間まで、光沢の出ていないところはないというぐらいの入念さだ。
「やめろよっ!触んなよっ!」
 見えないところから伸びる無数の手のくすぐったさに強気な声を上げる朱里だが、続いて、オイルをふくよかな胸の谷間に流し込まれると、さすがに少し語調が弱くなる。
 男たちの手は、乳房を寄せたり、つついたり、ブラの上から塗り込むように手の平を擦りつけたり、好き放題に動く。
「や、やめろ…!触るな…!」
「へへへ。少し口調が弱くなったんじゃねぇか?」
「さすがに見ず知らずの男たちにおっぱいを触られるのは恥ずかしいか?」
「恥ずかしいだけならいいが、さては感じてるんじゃないだろうな?」
「う、うるさいっ…!こ、こんなの…何とも…ねえよ…!」
「ほぅ、そうかい。だったら、このブラを外して胸を公開するぐらい余裕だなぁ?」
「━━━」
「どうなんだよ?勘弁してくれっていうなら考えてやってもいいがな」
「す、好きにしろ…!」
 つい勝ち気な性格が先に出て、安い挑発に乗ってしまった朱里。
「そうかい。じゃあ、遠慮なく拝ませてもらおうか」
 男たちは、しめしめとばかりに背中のホックを外し、締めつけが緩んだブラを一気にずり上げた。
(やぁっ…!)
 口では強がっても、やはり、いざ実際に剥ぎ取られると恥ずかしい。
 ぶるんっ…と飛び出した朱里の胸。
「これはこれは、ただの生意気な小娘かと思いきや、随分いい胸をお持ちで…」
 男がおどけ、さらに、
「乳首は綺麗なピンク色、乳輪も小さくて可愛らしいじゃないか。男にはたまらんよ」
 と妙な分析までしてくる。
 アイマスクをしていても下衆な男たちの視線を感じる。
 強がった言葉とは裏腹に、みるみる紅潮してくる顔が熱い。
「どれ、まずはチェックだ」
「な、何だよ、チェックって…あっ、や、やめろよっ!汚い手で触んなよぉっ!」
 男のオイルまみれの手が朱里の胸を覆い、そのまま、むにゅ、むにゅ…と鷲掴みにする。
「んっ、くっ…!あっ…!」
「へへへ。なかなか張りがあるじゃねぇか。こいつは楽しめそうだ」
「う、うるせぇよ…!さ、触んなって言ってんだろ、この変態ヤローども…!」
 と声を上げる朱里だが、続いて、男の指が先端の乳首をなぞるように触れると、
「あっ、んはぁっ…!」
 と、急に乙女になる。
 もちろん、その声の変化を聞き逃さない男たち。
「何だ、ここがいいのか?」
「じゃあ、もっとやってやるよ」
 と、標的が乳首にすり替わる。
「や、やめろっ…!んっ、あぁっ…ふ、ふざけんなよ、お前ら…んあぁっ!?はうぅっ…!」
 手足の拘束具をガチャガチャと揺らし、施術台の上でジタバタと暴れる朱里。
 男たちの指は、朱里の小さな乳首を爪の先で引っ掻いたり、弾いたり、なぞったり、擦ったりして、ネチネチといたぶる。
(くっ…!ま、まずい…!早く飽きさせないと…!)
 無反応を貫けば男は飽きる。
 だが、性感帯を執拗に狙われ、我慢できない朱里。
 いつのまにか、しっかり乳房全体に行き渡ったオイルの滑りが、刺激をより高める。
「あっ、んんっ、はぁっ…!く、くそっ…!」
 朱里の口数が減るにつれ、相対的に男たちの煽りが増える。
「おら、さっきの威勢のいい口はどうしたぁ!?」
「う、うるせぇよ…」
「エラそうなこと言って、アンアン言って感じてるじゃねぇか!」
「か、感じてるワケねぇだろ…」
「ほぉ〜、感じてねぇってのか?だったら…」
「…んひぃっ!?」
「何で、こんなにコリコリになってんだよ?それに何だ、今の声は?説明してみろよ!あぁ!?」
 固くなった右の乳首を摘まみ上げる男の指。
「は、離せっ…!やめろよぉっ…!」
「へへへ。そんな態度をとってるうちは意地でもやめねぇよ!やめてほしいなら『乳首は弱いから勘弁してください』って言ってみろ、おらっ!」
「ふ、ふざけんな…!そんなの言うワケ…あっ、やぁっ、ダ、ダメっ…んはぁぁっ!」
「へへへ。大好きな乳首責めだ。片方だけじゃ寂しいだろ?」
「ちゃんとダブルでやってやるよ。俺たちは優しいからな」
「ほら、さっさと言わねぇと指が止まってくれねぇぞ?」
 右だけでなく、左の乳首にも伸びる魔の手。
 同じように摘まんで転がされ、みるみる勃起させられる左の乳首。
「んはぁぁっ!やぁっ、あぁっ…くぅっ、んんっ!」
 もはや威勢にいい言葉を吐く余裕もない。
 むず痒く、そして性感に直撃する刺激に流されないよう、悶えながらも必死に耐えるのみ。
 そして、乳首を嬲る男たちが、その傍ら、ムクムクと起き上がる朱里の股間のイチモツをしっかり横目で注視していることに、アイマスクをした朱里は、まだ気付く由もなかった…。

鰹のたたき(塩) ( 2020/07/26(日) 17:08 )