欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―

















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序章編 小池美波と齋藤冬優花に捕まった男
2.東西対決
「さぁ!ふーちゃん、始めよっか!」
「負けないよ、みぃちゃん!」
 ストップウォッチを片手に意気揚々と声を上げる二人。
 まずはじゃんけん。
 あいこ二回の後、小池が勝った。
 小池は、相手の出方を見れる後攻を選んだ。
 お互い、持ち時間は3分。
 それが過ぎたら、どれだけ途中でも責める手を止めて交代しなければならないというルールを作っている。
 まずは気分を盛り上げるためのキスから。
 先攻の齋藤が、早速、直立不動で全身ぐるぐる巻きの五郎の唇にむしゃぶりつく。
「んむぅぅっ…!」
 口を塞がれ、呻き声を上げる五郎。
 小池は、その様子をじっと見つめている。
 負けず嫌いが垣間見える真剣な眼差し。
 その眼光は、齋藤の出方や五郎の反応を見て、次に自分のターンでどういう責め方をするかを考える。
 齋藤のキスは情熱的というか、かなり積極的なものだったが、当の五郎は困惑し、嫌がってるようにも見える。
 まだ開始早々で事態が飲み込めていないのもあるが、そもそも舌を吸い上げるような激しいキスがあまり好きではなさそうに見えた。
「はい、交代〜!」
 3分が経過したので交代する。
 小池は、先ほどの五郎の反応で学習し、齋藤とは対照的に甘いキスを展開した。
 舌先でチロチロと舐め回す。
「…なぁ?もっと、舌、出して…?」
 と甘えたような声で言うと、すんなり舌が出てきた。
「ちょっと〜!何、今のっ!?自分から出してるじゃん!私の時と違う!」
 と憤る齋藤のガヤに対し、内心にやけながら舌を絡める小池。 
 キスは単なる開戦の合図に過ぎないが、それでも、今のところ優位に立っている気がする。
 そして、あっという間の甘い3分が過ぎ、ここからがいよいよテクニックの見せ所だ。
 次は乳首責め。
 全身に巻き付いた布テープの乳首のところだけ破いて露出させ、再び先攻の齋藤からスタートだ。
 カウントのスタートと同時に、さっきのキス同様、むしゃぶりついていく齋藤。
 ぶちゅっ、ぶちゅっと五郎の乳首に吸い付き、吸い上げる。
 ここでも小池は、冷静に観察していた。
 右の乳首の方がやや反応が大きいのと、吸われるより舐められる方が好きそうだ。
(よしよし…!) 
 ほくそ笑む小池。
 後攻で余裕のある自分からすれば、がむしゃらに乳首にしゃぶりつく齋藤の姿が滑稽に見えた。
 そして交代。
 最初から右の乳首をロックオンし、左の乳首は指で弾くだけ。
 尖らせた舌で乳輪をなぞると、
「んっ…くっ…!」
 と、五郎が、息の混じる声を漏らした。
 やはり、こっちの方が明らかに反応が良さそうだ。
 自分の時との反応の違いが面白くない齋藤が、
「ほらぁ!やっぱり後攻の方が有利だよ、絶対に〜」
 と文句を言ってスネている。
 乳輪の次は、その舌を乳首に近づけ、かする舌先を上へ下へ、右へ左へと動かす。
「あぁっ…!」
「んっ?どうしたん?」
 上目遣いで見上げ、
「気持ちよかったら、遠慮せんと、もっと声出してええで?」
 と言って続ける。
 そして、齋藤とは違って優しく吸い付き、最後は舌でねぶる。
「くぅっ…!うぅっ…!」
 頑丈で剥がれない布テープの中でバタバタともがく五郎。
 有意義な3分が過ぎ、いよいよ責めの対象は股間へと移る。
 布テープの股間の部分を破き、取り去ると、
「ぎゃぁっ…!」
 と、五郎が小さな悲鳴を上げた。
 その証拠に、テープに縮れ毛がたくさん貼りついている。
 それを爆笑する意地悪な二人。
 次の責め技は手コキ。
 なお、ここからは各技2ラウンドとなる。
 まずは先攻、齋藤のターン。
 先ほどの小池の乳首責めで既に半勃ちになっている竿に握り、扱く齋藤。
 だが、先攻のデメリットか、ようやく完全勃起した頃合いで3分が経過し、交代となった。
(よっしゃあ!ラッキー♪)
 と、内心ガッツポーズの小池。
 齋藤のお膳立てを受け、五郎の前にひざまずき、その小さく白い手でカチカチになった竿をゆっくりと扱く。
「…どう?気持ちいい?」
 と、得意の上目遣いで訪ねると、黙って目を反らし、脂汗だらだらのまま宙を仰ぐ五郎。
「なぁ、無視せんといてえや。気持ちよかったら気持ちいいって正直に言うて?どうなん?」
 と聞きながら扱く小池。
「ねぇ。ホント、こういう時の関西弁ってずるいよね。みぃちゃんも分かってて使ってない?」
 と、齋藤は後ろで悪態をつく。
 先端から漏れだすカウパー液を手の平に塗りたくり、それを潤滑油にして扱くスピードを上げていく。
 竿から浮き出た血管を滑る手の平で感じる。
(めっちゃ固い…こないだの男よりも断然…)
 と、感心する小池だが、それで少し気が散ってしまったか、3分が経過してしまった。
「よし、そろそろ本気出すわ」
 と意気込む齋藤と交代。
 カウント開始と同時に唾液を垂らし、それを馴染ませた直後、煙が出るようなマッハ手コキで五郎をいたぶる齋藤。
「くぁぁっ…!がぁっ…!」
 五郎の呻き声が大きくなる。
「ほら、いいんだよ?出していいんだよ?ほらぁっ!」
 と促す齋藤に対し、思わず、
「アカンで、出したら」
 と五郎に対して釘を刺す小池。
 グジュッ、グジュッ…と潤滑油のかき混ざる濁音が響く。
 直立不動でいられず、徐々に背筋が仰け反り始める五郎。
 これまで小池優勢だったのが、少し風向きが変わった気がする。
 慌てて、
(今イッたら、後でどうなるか分かってるやんなぁ…?)
 と念を込め、きつい視線を送る小池。
 それが通じたのか、この3分を何とか乗り切った。
「あぁ!もうっ!」
 と悔しそうな齋藤に対し、ホッと胸を撫で下ろす小池。
 これで、ひとまず、この手コキに関しては小池に負けはない。
 次の3分で射精させれば小池の勝ちだし、それが出来なければ次の性技へと持ち越しとなる。…のだが、なぜか小池の表情にあまり余裕がない。
(絶対、ここで決める…!絶対に…!)
 と妙に意気込む小池。
 次はひざまずかずに、横に立った状態で手を伸ばす。
 前のターンの齋藤の唾液によって、さっきよりさらに滑る。
 小池はゆっくり扱きながら、五郎の耳元に口を近づけ、
「オチンチン、めっちゃ固くなってるで…?気持ちいい…?」
 と囁きボイスで問いかけた。
 半ば無意識に頷く五郎を手玉に取るように、淫語囁き手コキで責める小池。
「いやらしいお汁、先っちょからいっぱい出てきてるで?」
 と言いながら亀頭をこねくり回すと、その刺激に五郎の脚がガクガクと震えた。
「ほら、出して…?みぃの手コキで精子ぶちまけて?」
「うぅっ…」
「ほら、早くぅ。ドピュッ、ドピュッって精子いっぱい出してぇ!」
 と射精を促す小池だが、いざとなると我慢してしまうのか、なかなか発射してくれない。
(ヤバい…時間が…!)
 だんだん焦る小池。
 何が彼女を焦らせるのかは分からないが、急ぎすぎて手が滑って竿を離してしまうミスも増えた。
「なぁ、出して?ほらぁ、早く出してよぉ〜!」
 と促すが、なかなか発射せず、結局、3分が過ぎてしまった。
「もぉ、最悪〜…!」
 天を仰いで悔しがる小池。
(今ので決めたかった…)
 と落胆する小池に対し、なぜかニヤニヤする齋藤。
 手コキが引き分けとなったため、次の性技へと移る。
 次の性技は…ずばり、パイズリ。
 わりかし肉付きのある体型の齋藤と明らかに貧乳の小池。
 二人の表情に明暗が分かれた…。

鰹のたたき(塩) ( 2020/05/20(水) 16:38 )