欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―

















小説トップ
序章編 松田里奈と森田ひかるに捕まった男
3.小さな手の平の誘い
 一時間後。
 この間ずっと、微弱な振動で絶頂できずに悶え続けた五郎は既に白旗状態、錯乱寸前だった。
 既に「現代のルパン」なんて言われていた頃の澄まし顔は見る影もなく、松田と森田の二人が部屋に戻ってくるなり、
「た、頼む…もう限界だ…助けてくれぇ…!」
 と懇願した。
 その情けない姿に、顔を見合わせ、笑みを浮かべる二人。
 森田がリモコンを操作し、やっと振動が止まった。
 手足を拘束された「X」字のまま、崩れ落ちるように首を垂れる五郎。
 クスクスと笑う二人の視線の先にあるのは、ローターを中に仕込まれていたグレーのパンツだった。
 この一時間ずっと垂れ流した我慢汁が、股間周辺、いや、ほぼパンツ全体に染みを作っていた。
 生地がグレーなので染みの範囲が分かりやすい。
「やばっ…!こんなになるの…?」
「おもらししたみたい…えっ、すっご…!」
 と、興味津々な二人。
 さらに、胸部をぐるぐる巻きにしたテープを剥がされると、ローターとともに、勃起して充血した乳首が飛び出した。
 長時間、嬲られ続けたせいで、密着ローターから解放された後も、ずっと痺れている。
 もはや感覚すらない。…と自分では思っていたが、その痛々しい突起を松田の指でつつかれただけで、無意識にビクンと身体が跳ねた。
 その反応にツボる森田。
 松田は満足げに、
「ふふっ、こんなに敏感になっちゃって…もう感度が限界突破したって感じかしら?」
「うぁぁっ…!あぁぁっ…!」
 つつかれるたびにゾンビのような呻き声で悶える五郎。
 松田はさらに、指の腹で擦り、ひっかき、摘み、そして捻り上げる。
「ほら、どれが好きなのか言ってみなさいよ。それをやってあげるから。アハハ!」
 松田の意地悪な笑み。
 ずっと一定の刺激しかなかった身体に急に新鮮な刺激を加えられてはたまらない。
 一方、森田は手にしたハサミをちらつかせ、パンツのゴムを引っ張りながら、
「これも、もう必要ないよね?」
 と言って、ザクザクと最後の防具を切り刻んだ。
 ガチャン…と音を立てて床に落ちたローター。
 そして、そのローターの振動によって破裂寸前になった男性器がびくんびくんと脈打ちながら姿を見せる。
「あーあ、もうこんなになっちゃって…ほら、我慢汁が糸引いてるよ?裏筋から金玉までテッカテカ!」
 と、森田は楽しそうに言った。
 この美少女風の顔立ちで「我慢汁」だの「金玉」だの卑猥な言葉が飛び出すのがギャップだ。
 そして…。
「んがぁぁっ…!あぁぁっ…!」
 突然、声のボリュームを上げる五郎。
 下を見ると、森田が、その小さな手の平で五郎の反り立った肉棒を包み込んでいた。
「どう?気持ちいい?」
 という問いに夢中で頷く五郎。
(も、もっと…もっとしてくれ…握って…扱いて…)
 もはや抵抗などする気がない。
 もっと強く、もっと激しく…そんなことばかり考えてしまう。
「ほら、これだけじゃ足りんやろ?どうしてほしいか、声に出して言ってみぃよ」
 と、森田から敗北の宣言を催促される五郎。
 いまや、ただのでくのぼう。
 松田に乳首を責められ、森田に竿を握られながら、「現代のルパン」こと五郎は恥ずかしげもなく、
「イ、イカせて…くれ…。もっと扱いて、イクまで…」
「扱く?どんな風に?」
「そ、そのまま…シコシコ、上下に…」
「へぇー、そういう風にしてほしいんやぁ。…まぁ、しやんけどね」
「うぅ…!」
「アハハ!聞いといてやんないとか、ひどすぎじゃん!」 
 相棒の鬼畜っぷりに爆笑する松田。
 そして、突き放されて絶望する五郎の表情を楽しむ森田。
「…そんなにしてほしい?」
「し、してくれ…!た、頼む…!」
「えー、どうしようかなぁ…?」
 そう言いながらも、そっとモノに指を這わす森田。
「あぅっ…!」
 裏筋をなぞられ、短く声を上げる五郎。
 ぞくぞくする感覚に身体が仰け反る。
「これだけでも、充分、気持ちよさそうだけどね〜」
 と笑いながら、指を這わせる森田。
 絶え間なく漏れる吐息で舌も回らないが、内心、
(た、足りないんだ…!もう少し…もう少し刺激があれば…!)
 と思っていた。
「じゃあさ〜」
 森田は、先ほどのように、その小さな手の平で竿を握って包み込み、
「こうしててあげるから、あとは自分でやって」
 と言った。
 突き放しつつ、ギリギリの譲歩。
 五郎にとっては、提案自体は屈辱的なもの。…ただ、それが既に破裂寸前まで勃起した肉棒を慰めるためだと考えれば、いまや躊躇する理由がない。
 拘束されて動かせない手足に対し、唯一、自由に動く腰。
 その腰を器用に振って、とうとう五郎は、森田の手の平を使ってセルフ手コキを始めた。
「ぐぅぅ…ああっ…がぁっ…!」
 小さな手の平に誘われるように、一心不乱に腰を振る様は、まるで発情した猿のよう。
 手を添える森田も、乳首を弄る松田も、ともに笑いを堪えながら五郎の自慰行為を見つめる。
 そんな嘲笑と軽蔑の視線を浴びながらも、ゆっくりと抜き挿しをして、プライドと引き換えに快楽を得る五郎。
 乳首を責める松田も、肩越しに興味津々で、
「すごーい。だんだん速くなってきた!」
「うぅ…うぅぅ…!」
 自身が垂れ流すカウパー液が潤滑油となって森田の手を濡らし、それを濡れた女性器に見立てて突っ込む。
 それは、やがて、グチュ、グチュ…と指の間から濁音が漏れ聞こえてくるほどだ。
(も、もうダメだ…こ、腰が…止まらん…!)
 取り憑かれたように腰を振る五郎。
 その反動で拘束の鎖がじゃらじゃらと揺れ、その音もだんだん小刻みになっていく。
 ここにきて松田も、乳首責めに加え、五郎の耳へ舌を這わせてアシストする。
「どう?ひかるの手マンコ、気持ちいい?」
「がぁぁ…き、気持ち…いい…!ぐぁぁぁっ…!」
「だったら、さっさと中出ししちゃいなさいよ!ひかるの手マンコに一時間ずっと我慢した濃い精子いっぱい中出ししちゃいなさい!ドピュッ、ドピュッ…って!ほらぁ!」
「出していいよー?私の手、いっぱい汚して?」
 若干、温度差がある二人の煽りだが、それでも射精の欲を掻き立てるには充分だ。
「ぐぅぅ…!イ、イクっ…出る!出るっ…!がぁぁっ…!」
 断末魔のような呻き声とともに解き放たれた白濁汁が森田の手で作られた疑似膣内へぶちまけられた。
 溜めに溜めたおびただしい量の精液は、森田の小さな手の平だけでは受け止めきれず、溢れて指の隙間から漏れ出した。
 射精の余韻でぐったりとうなだれる五郎。
 森田は掴んでいた手を離すと、精液にまみれた手の平をネチョネチョと馴染ませ、再度、五郎の竿を握った。
(…!?)
 肩で息をしていたところ、ハッとした顔で飛び上がり、下へ目をやる五郎。
 そこで見たのは意地悪な笑みを浮かべた森田。
「よーし!じゃあ、次は私の番ね」
(お、おい…!)
「二回目も今ぐらい出してほしいなぁ!」
 そう言って間髪いれず、次は五郎の腰振りではなく森田の正真正銘の手コキが始まった。
「ぐぎゃぁぁ…!」
 まさかの連射狙いに悲鳴を上げる五郎。
 それも、自身で出したばかりの精液を潤滑油にされて、だ。
「ほら、先っぽと根元、どっちがいい?気持ちいい方でしてあげるよ?」
「がぁぁ…や、やめてくれ…む、無理だ!そんなすぐには無理だぁぁっ!」
 絶叫も無視して楽しそうな森田。
 そんな森田に、松田が、
「ねぇ、ひかる。それイカせたら次は私ね?」
 と釘を差し、
「オッケー!」
 と勝手に話を進める二人。
 射精直後の敏感になったところ、森田のテクニックに悶絶し、思わず宙を仰ぐ五郎。
 その耳元で松田が囁く。

「一回きりなワケないでしょ?ひかるの次は私…二人で金玉がカラッポになるまで抜いてあげるから覚悟しなさい。ド・ロ・ボ・ウさん♪」

鰹のたたき(塩) ( 2020/04/14(火) 23:28 )