4.屈辱
小悪魔の増長は加速する。
「さぁ、次は何を使おっかなぁ♪」
また、ガチャガチャと機材を漁る音。
「ま、まだやんの…?い、いいかげんにしてよ…」
「なに言ってるんですか。“まだまだ”やりますよ♪」
と微笑む麗奈。
物音が止んだと思えば、ふいに乳首に痛みが走った。
「あうぅッ…!」
まず右、そして左…挟まれるような痛みを感じ、そして間髪いれずに振動が走る。
「んあぁっ!?」
「ふふっ…茜さん。どうですか?これ。茜さんの道具箱から拝借してきたものですよ」
と笑う麗奈。
自分の道具箱の中身は、だいたい把握できている。
そこから持ち出されたもので、この痛みにこの振動…。
(あ、あれだ…!)
乳首を挟むクリップ、そして、そのクリップに密着したローターによって、痛みと振動を同時に与える代物。
普段、乳首が敏感な男に効果てきめんな拷問具だが、よりによってそれを使われるとは…。
「あっ、んんっ…こ、こらぁ…んっ、や、やめっ…は、早く外しなさいよぉっ…!あっ、あっ…」
「アハハ♪茜さんったら感じながら怒ってる♪傑作〜♪」
麗奈は、手元のリモコンで振動の強弱を巧みに操りながら、
「ねぇ、茜さん。奴隷たちを追い詰めていたオモチャで自分自身が追い詰められるのってどんな気分ですか〜?」
と意地悪な笑みを浮かべて聞く。
「う、うるさいっ…!んっ、あっ…は、外せって言ってるでしょ…!?あっ、ちょ、ちょっと…!んんっ、だ、誰が強くしろって言ったのよぉっ!や、やめてってばぁ…!んっ、あっ、あっ…!」
振動を強めていくにつれ、厳しい口調が薄れていく茜。
自由が利かない身体は、与えられる振動を全て性刺激として素直に受け取ってしまう。
最初のうちは強がっていた茜も、時間が経つにつれ、だんだん、
「やぁっ、あぁっ…♪と、止めてぇ…んんっ、はぁっ♪」
「いいですねぇ♪可愛い声が出てますよ、茜さ〜ん。快感が溜まってきたんじゃないですかぁ?」
依然、耳元で囁く麗奈の甘い声。
「んっ、くぅっ…♪はぁっ、あぁっ…♪」
と喘いでいると、ふいに耳に、
ブィィィン…!
という、ひときわ大きな振動音がして、同時にその振動が耳たぶをなぞった。
「ひっ…!」
と小さな声とともに髪を乱して、
「な、何っ!?何の音…!」
「次はねぇ…これを使おうと思ってるんですよぉ…♪」
と思わせぶりに呟いた麗奈が、ふいに、茜のアイマスクを外す。
(…!)
眩しい照明に、一瞬、目が眩んだ茜の眼前に突きつけられた“責め”の定番アイテム。
その強振動を纏った責め具を不敵な笑みで円を描くようにして見せつける麗奈に、思わず、
「くっ…ア、アンタ…!ホントに覚えてなさい…!あとで必ず制裁を…!」
と厳しい視線を向ける茜。
その眼力に、さすがの麗奈も、一瞬ピリッとして、
「怖ーい…やっぱりアイマスク取るのはもう少し弱らせてからだったかなぁ?」
と独り言は言ったものの、
「まぁ、いいや。感じさせて腑抜けにしちゃえばいっか♪」
と大胆に言い放ち、躊躇なくその手にした振動具を大きく開かれた茜の股間にあてがった。
「んひぃっ!?」
一瞬、分娩台ごとひっくり返る勢いで跳ねた茜の身体。
乳首クリップローターに加え、さらに割れ目のあたりを電マでなぞって刺激されると、
「あっ、あっ、ダ、ダメっ!それダメぇっ!」
「え〜?何がダメなんですか?茜さ〜ん♪」
的確にパンティ越しに割れ目を嬲る麗奈。
やはり、いくら威圧感を出していようと、身体は生身の女、自分と大差ない。
その証拠に、目を凝らすと、じんわり楕円形のシミが広がってきているではないか。
それを生地越しに指先で撫で、顔の前に突きつけて、
「ほら、もうこんなに濡れてますよ?茜さん。ネバネバしたお汁がパンティから染み出てますねぇ」
「う、うるさいっ!うるさい、うるさい、うるさぁぁいっ!」
髪を乱す茜に、
「アハハ♪可愛い♪ずっと見てられる!」
とご満悦の麗奈は、スッと耳元に顔を近づけ、小声で、
「そろそろ媚薬オイルも効いてきた頃ですし…どうしますかぁ?ここらで一回イッときますか?」
(…!?)
思わず目を剥いて、
「イ、イク…?そ、そんなワケないでしょ!なに言ってんの!あっ、ちょ、ちょっと…ひゃぁっ、ダメっ!そこはぁっ!」
ズリズリとパンティ越しに振動を与える麗奈。
「いいんですよ?恥ずかしがらずにイッちゃって…♪」
「ふ、ふざけんじゃないわよ!私を誰だと…んっ、あっ、やぁっ…お、押しつけないで…!んひゃぁっ…♪」
「ほら♪逃げられない、はねのけられない、脚も閉じれない…イクしかないんですよ、茜さん♪」
「んひぃっ!?ダ、ダメぇっ…♪」
髪を乱して悶える茜。
その反応は明らかに高みへと上がっていく最中のそれだ。
(よし…まずはこのまま、あっさりとどめを…♪)
と、さっきから目をつけていたパンティ上に浮き出た豆のような突起に電マを押しつけ、ついでに乳首を挟むクリップローターもレベルを「強」にしてやれば、たちまち茜は唇を噛み締め、
「んっ、くっ…あっ、んんっ…!くぅぅっ…!」
と、くぐもった声を上げながら分娩台の上を跳ねた。
(ふふっ…イッた…!今、完全にイッた…!あの茜さんが手も足も出ず、私の目の前で…♪)
笑みをこぼし、静かに電マを離し、クリップローターを停止させる麗奈。
「はぁ…はぁ…」
と息を荒くする茜の目の前に顔を近づけ、
「…今、イキましたよね?茜さん…♪」
かァッと顔を赤くして目を逸らす茜。
そして、強がるように、
「…イ、イッてないわよ…!バカなこと言わないで!こんなので私がイク筈が…」
と、ぼそぼそ言い返す。
かなり無理のある強がり。
あの身体の跳ね方は、明らかにオーガズムに達した時のものだった。
「ふーん…」
スネたような顔を見せた麗奈は、再びクリップローターを動かし、電マも再度グリグリと押し当ててた。
途端に、茜は、
「ひゃはぁッ!?あっ、んんっ…!」
「どうやら自ら『イクっ!』って言わせないといけないようですねぇ…?望むところですよ。楽しくなってきました♪」
と好戦的に微笑んだ麗奈。
「そんなに強がるなら、直に当てても耐えれますよね?」
「じ、直に…?くっ…!」
身構える茜の目の前に突き出されたハサミ。
「ね?茜さんなら耐えれますよねぇ?」
「な、何を考えてるの!やめなさいっ!い、嫌っ…!」
制止する声を無視して茜の最後の防具にハサミを入れる麗奈。
布切れと化したパンティは、はらりと下に落ち、ついに茜の陰部が露わに。
「わぁ♪すご〜い♪」
「い、嫌っ…!」
普段、ペアを組んで男を嬲る際に何度か目にしたことはあるが、こうして至近距離から覗き込むように眺めるのは初めてだ。
まるで鏡に映したように、左右、寸分の狂いもなく均整がとれたアンダーヘア。
剃り跡がないということは脱毛だろう。
それを見て、思わず、
「やっぱり茜さんは女子力が高いや…」
と感嘆を口にした麗奈だが、すぐ表情を戻し、その下でヒクヒクしていく秘貝を指先でなぞって、
「ふふっ♪すごい…もうこんなにぐしょぐしょ…♪とても卑猥ですよぉ…?」
「あっ、ちょっ…んっ!さ、触らないでっ…!」
限られた可動域の中で懸命に身をよじる茜だが、麗奈は笑って、
「え〜?何でですかぁ?何でダメなんですかぁ?」
麗奈のしなやかな指が割れ目をなぞったり、ビラビラを開いたり…。
「あんまりベタベタ触られるとエッチな声が出ちゃうからじゃないんですか?違いますかぁ?」
「う、うるさいっ…くっ、んんっ…!」
「アハハ!一回イッたから敏感になってるんですね♪いいですよぉ?エッチな声いっぱい出しちゃって♪」
と覗いた秘肉めがけて振動を当てれば、たちまち、
「んはぁっ!?や、やめっ…!あんっ♪こ、こらぁっ…ひゃぁっ!?」
と、絶頂直後で過敏になった性感に悶絶し、ガチャガチャと分娩台を揺らす茜。
統治メンバー内の副リーダーであり、鬼軍曹と称される女の身体が、今、新入りの電マ捌きで弄ばれている。
下克上…反逆…ルーキー相手に手も足も出ない。
(なんて優越感なの…!あの茜さんをオモチャにしてイカすも焦らすも自由だなんて…!)
目を輝かせた麗奈が、ここぞとばかりに茜を責め立てる。
「ほら、どうですかぁ?電マでマンズリしてあげますよ。気持ちいいですかぁ?」
「んっ、んっ…!や、やめろって言ってるのが聞こえないの…!?いいかげんに…あっ、んっ、はぁぁっ…!」
「え〜?だってぇ…口では『やめて』って言うくせに、肝心のこっちはお汁でいっぱいなんですもん♪恥ずかしくて強がり言ってるのかなぁ…って思って♪」
「そ、そんなワケないでしょ…!あっ、ダ、ダメぇっ…!そこは…!」
麗奈の指がオンナの弱点をも狙う。
「ほぉ〜ら…クリちゃんの皮も剥いちゃいますねぇ♪…あ、出た♪茜さんのクリちゃん…可愛い…♪」
露出した豆を、ツン、ツン…とつつけば、それに合わせて、
「あんっ…♪あんっ…♪」
と跳ねる身体。
鬼軍曹のクリトリスは意外に小さく、真ん丸だった。
顔を近づけると、フッと香る発情したメスの匂い。
エラそうなことを言ってるわりに、白みがかった粘液、本気汁まで垂らしているところを見ると、身体はもう我慢できないようだ。
それを汲み取ったように、ヒクヒクする陰部を眺めていた麗奈が、急にうっとりとした顔で、
「茜さ〜ん…私、舐めたくなってきちゃいましたぁ…♪舐めてもいいですかぁ?」
「なっ!?バ、バカっ…!ダメに決まって…あっ、こ、こらっ…開くなぁっ…あっ!ちょっ、ダメっ!ホントにダメっ!嫌ぁっ!」
ここまで焦る茜を見るのは初めてだが、ここまできたらもう止まらない。
電マを離し、左右の太ももに手を添えて狙いを定める。
綺麗なアンダーヘア…潤った股ぐら…緩んだビラビラ…淫汁で光る突起。
思わず、ぺろんっ…と一回、舌なめずりをして、
「行きますよ?茜さん…♪」
「ダ、ダメっ!待って…麗奈ちゃん、ホントに待って!」
「ふふっ…『麗奈ちゃん』だって…♪ついさっきまで『アンタ』って言ってたのに急に優しくなっちゃって…♪」
クスッと笑って、その小顔を埋めにかかる麗奈。
そして引導を渡すようにニコッと笑って、
「今度は一回きりじゃ済ませませんからね…?さっきみたいにシラを切れないぐらい、何度もイカせてあげますからっ♪」
と忠告し、とうとう、その可愛らしい舌で鬼軍曹の地位を失脚させにかかった…!
つい先日、強情な男を舌技だけで陥落させていて感心した麗奈の舌が、今まさに自分に…。
「嫌ぁっ!や、やめてっ!やめてぇぇっ…!」
深夜の欅ハウス…気高き鬼軍曹の断末魔が地下室から響き渡った。
(つづく)