乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第二部 第二章・堀未央奈の場合
4.秘密兵器
 未央奈は恐怖を感じていた。
 目隠しで何も分からない状況の中、周囲の男たちは明らかに何かを企んでいた。
 感覚を研ぎ澄ませた未央奈が察するに、男たちが、一度、部屋を出ていったのは間違いない。
 足音が遠ざかり、周囲から人の気配が消えたからだ。
 そして、数分して戻ってきた時、男たちの足音とともに何やらキャスターを転がすような音が聞こえた。
 男たちが、この部屋に“何か大きなもの”を持ち込んだのは間違いない。が、それが果たして何なのかは、皆目、見当もつかなかった。
「へへへ。待たせたな。それじゃ、次の遊びを始めようか」
「な、何をする気…!?」
 今から自分が何をされるのか分からず、未央奈は不安そうに身を固める。
 ガタガタと音を立てる“何か”が未央奈の身体に近付けられているようだ。
「んっ…!」
 ふいに、陰部に何かが触れた。
(また筆…?)
 それは、先ほど身体を弄り回された筆の感触と似ていた。
「よし、スイッチを入れろ」
 と男の声がした。
(スイッチ…?)
 未央奈がヒントを解釈しようとした次の瞬間、
(…!!)
「ひ、ひゃぁぁぁああっ!」
 未央奈は絶叫して、思わず身体を反らした。
「な、何これ!?何これぇぇぇっ!?」
 ウィィィン…というモーター音とともに、突然、陰部を高速でなぞっていく柔らかな感触の連打。
「ハハハ!どうだ、その敏感な身体でハケ水車を食らう気分は?」
(ハ、ハケ水車…?)
 そう、男たちが持ち出してきたのは電動で動くハケ水車だった。
 目隠しをされた未央奈には、言葉だけ聞いてもイメージすら湧かない。
 ただ、とにかく柔らかいものが股間の間で高速で回転し、それが敏感なところを矢継ぎ早に掠めていく。
 休む間なく続くその刺激は、未央奈の身体にみるみる快感を蓄積していく。
「んあああっ!あああぁぁっ!」
 まるで叫びのような声を上げる未央奈。
 どんな女性でも悶絶させてしまうこの秘密兵器に生まれつき敏感な身体で挑むのは酷な話だった。
 クイッ、クイッと未央奈の腰が無意識に前後に動く。
 おそろしくくすぐったくてじっとしていられないのだが、それも、端から見ると艶かしく、まるで自ら刺激を求めているように映る。
 その光景に、見ている男たちも興味津々の様子で、
「一度、目の前で女に使ってみたかったんだよ。これ」
「どんな感じなんだろうな」
 と言い合っている。
「でも、コイツの反応を見ると、どうやら相当いいみたいだぞ」
 と男が言うように、未央奈は脚をプルプル震わせながら、その電動の責めに悶えていた
「やぁぁぁっ!と、止めてぇぇ!ひぃぃぃ!」
 大股を広げた陰部を掠めて回る無数の毛並み。
 必死に脚を閉じようとするが拘束は外れず、そのまま、次の対策を考える暇も与えない高速回転に翻弄されてゆく。
(す、すごぉいっ!こんなの、た、たまんないよぉ…)
 あまりの快感に、つい“頭の中でだけ”本音が出てしまう未央奈。
 ビクビクと身体が震える。
「おいおい、がに股になってるぞ!だらしねぇなぁ」
 と、男が小馬鹿にして笑うが、大陰唇を掻き分け、勃起したクリトリスにモロに直撃していく無数のハケのせいで脚に力が入らないのだ。
 男の言う通り、未央奈は、がに股でハケ水車に跨がり、悶え続ける。
「お、お願い…!止めて!一回、止めてぇ!」
 突然、未央奈は声を張り上げて懇願した。
 しかし、男たちはニヤニヤと傍観しているだけ。
「お願い!お願いだからぁぁ!」
 何やら、のっぴきならない形相の未央奈だが、それでも男たちは無視を続ける。
「いやっ!いやぁぁぁ!!」
 叫びとともに、跳び跳ねるようにして気をやる未央奈。
 そして、次の瞬間、その絶叫とともに未央奈の秘部から勢いよく水が噴き上がった。
 回転するハケがそれを拾い、遠心力で飛沫にして周囲に飛び散らせる。
 みるみる絨毯の上に広がっていく水溜まり。
 未央奈はガクガクと身体を震わせた後、少しだけ茫然自失として、我に返った途端、蒼ざめて顔を背けた。
 そこでようやくハケ水車の回転が止まった。
 モーター音が鳴り止むと同時に男たちが一斉に笑い声を上げる。
「ハッハッハ!これは傑作だ!まさか捜査官が漏らしてしまうなんてなァ」
「失禁するほど気持ち良かったのか?」
「敏感体質の上にお漏らしとは、まったく、みっともない女だぜ」
「うぅ…うぅ…」
 これ以上ない恥辱に声を震わせる未央奈。
「ほら、自分で確認しろよ」
 そこでやっと目隠しを取られた。
 視界に映る男たちからの嘲笑の目、股の間に鎮座する見たこともない機械、そして足元から2メートルほど先まで広がる絨毯のシミ。
「ちなみに…」
 男は未央奈の髪を掴んで前を向け、
「今のお漏らしは一部始終、あのカメラに収めてある。現役捜査官が失禁絶頂するビデオ、これは高値がつきそうだ」
「…嫌っ!いやぁぁぁ!!」
 撮影機材に気付き、狂乱したように泣きわめく未央奈。
「お願い!撮らないで!撮らないでぇぇぇ!」
 必死に髪を振り乱して懇願するその陰で、背後の死角に紛れ、男の一人がハケ水車のハケに媚薬を染み込ませていることに未央奈は気付いていない。
 前の男は、仲間の作業が済んだのを確認してたら、
「それじゃ、もう一回、ハケ水車で悶絶してもらおうか。次は目隠しナシだからな。失禁したら顔バレするから気をつけろよ。へへへ」
 男は、まるで他人事のように言って、再びスイッチを入れた。
 回転を再開するハケ水車。
 未央奈は、顔が引き攣らせ、
「いやぁぁぁ!!」
 という断末魔の声を上げた。

鰹のたたき(塩) ( 2019/12/21(土) 20:54 )