中田花奈と星野みなみのその後… (捜査官ソープ堕ち プロローグ)
都内某所のソープ街。
そこに軒を連ねる、いつ潰れてもおかしくない一軒のさびれたソープランドが、最近になって、突然、店内の改修工事を行った。
それも、あのボロボロの店を新装開店同然にするという、かなり大掛かりなものだった。
近所の店からは、
「あの閑古鳥が鳴いている店の何処にそんな金があったのか?」
と不思議がられていたが、周囲の訝しげな目など気にせず、毎日、どこの業者かも分からない人相の悪い男たちがビルに押し掛けては、まるで何かに間に合わせるように、朝から晩まで張り切っていた。
工事は急ピッチで進み、一週間もしないうちに、あのボロボロの店が新装開店と見間違うほどに生まれ変わった。
その変貌っぷりに、一時は、
(うちの客が奪われるのでは…!)
と同業者たちが警戒していたが、その後、いつまで経ってもオープンする気配がない。
シャッターが閉まったままだし、看板も出ていなければ人の出入りもない。
工事は既に終わっている。としたら、女の子が揃わないのだろうか?
せっかく綺麗になったのに一向にオープンしない奇妙なソープランド。
その後、さらに三日が経っても、依然、シャッターが開く気配はなかった…。
そんなオープンしないソープランドだが、実は、閉ざされたシャッターの中には、ちゃんと案内スタッフ、通称・黒服が常駐していた。
それに、まだ人数は少ないが、性の接待に従事する女性、いわゆる泡姫もいる。
今いる泡姫の名前は、
・萌え声が可愛い幼児体型、星野みなみ
・発育途上の童顔な生意気娘、岩本蓮加
・スレンダー巨乳のショートカット、中田花奈
・むっちりとした肉感的な癒し系、樋口日奈
特徴はまちまちだが、奇しくも四人とも前職が女捜査官だという点は一致していた。
そして、夜が更けゆく頃、黒服の携帯電話の鳴った。
応対すると、相手は一言、
「着きました」
とだけ告げる。
黒服は電話を切り、表のシャッターを開けに向かった。
開けると、前に男が二人、立っている。
黒服は、素早く二人の男の身なりを確認し、警戒するような目で、
「…合言葉は?」
とだけ、短く聞いた。
男二人は口を揃え、
「インフルエンサー」
と答える。
すると黒服は途端に目尻を下げ、笑顔を見せて、
「お待ちしておりました、どうぞ」
と腰を低くして二人を招き入れ、再度、すぐにシャッターを下ろす。
ほんの一瞬だけ開店した店は、またすぐに閉店した。
…そう。
この店は、先日の改修工事によって、廃業寸前から、一見さんお断りの完全会員制ソープランドへと生まれ変わったのだ。
オーナーは柴ア。
先月、さびれて廃業寸前というところに目をつけ、安価で買い叩いた柴アは、まず、中をキレイにした。
目的は、もちろん、スポンサー集めに利用するためだ。
新たな組織、柴崎一派を立ち上げるにあたり、どうしても最初は金がいる。
だが、柴アは、前の花田みたいに裏ビデオを撮って売りつけるようなセコいマネは嫌いだ。
それよりも、堕とした捜査官をソープ嬢にして、その鍛えられた身体を売らせた方が遥かに効率的だし、「元・女捜査官の泡姫」という斬新な売り文句は必ず評判が出ると考えた。
ただ、あまり派手にやると尻尾を掴まれて色々まずいことになりうる。
その観点から、利用客は事前にオーナーの柴アから合言葉を教えてもらわないと入店することができないシステムにした。
つまり、良くいえば極秘のVIP待遇、悪くいえば柴アに利益をもたらす者、口の堅い者しか入れない…ということだ。
もちろん、それを取捨するのは柴アのサジ加減だが、そうやって特別扱いされることを政財界のワルは最も好むということを、柴アは知っている。
それで機嫌を良くしてチップを弾む習性を、上手く逆手にとったサイドビジネスだ。
まだ今は、わずか四人の泡姫しか揃っていないが、これについては、この先、堕とした捜査官に技を仕込み、もっともっと増やしていくつもりだ…。
「それじゃあ、私はこの娘にしよう」
「僕は、このお嬢さんがいいね」
と二人は写真を見て、それぞれ好みの泡姫を指名した。
そして、奥の待合室に通され、少し待っていると、スケスケのセクシーランジェリーをまとった泡姫が二人、迎えに来た。
その二人の美女は、それぞれ、
「花奈です」
「みなみです」
と名を名乗り、ともに、
「本日は、ご指名ありがとうございます」
と頭を下げる。
そして、男たちの手を引き、浴室へといざなう二人の元・捜査官ソープ嬢。
浴室までの道中から、甘えるように腕を組むみなみ。
「みなみ、まだ慣れてないから緊張しちゃう🖤」
と上目遣いをすれば、自然と男の顔はデレデレになって緩む。
一方、花奈は経験の浅さを感じさせない運びでプレイの説明から案内、緊張を和ませる雑談までソツなくこなす。
もっとも、そんな話は右から左、男の視線は既にランジェリーから覗く花奈の豊乳に釘付けなのだが。
そして、二人一組、それぞれ別の浴室へと消えてゆく…。