6.狂乱マットプレイ
ソファーにどっかりと腰を下ろす鮫島。
その前の床には全裸でひざまづく祐希、そして隣には呼びつけられた下っ端の男が一人、ローションまみれのパンツ一丁で横たわっていた。
先刻、鮫島の指で何度もイカされた祐希に、鮫島は、屈辱的な余興を要求した。
それは、
「俺の前で“その男の身体を使って”自慰行為をしてみせろ」
という悪趣味なものだった。
「そそるものがあったら、その濡れたマンコに俺のをぶちこんで狂うほどイカせてやるよ」
と鮫島は笑った。
正常な頭なら、一笑に付すような馬鹿げた話だ。
しかし、今、性欲に火がつき、性奴隷に逆戻りした祐希の思考は、とても正常とは言えなかった。
それに、祐希は覚えていた。
鮫島のものが、自分の身体にたまらないほどの快楽を運んでくれる代物だということ、この身体の疼きを解決してくれるのはそれしかないということを。
(アレが…アレが欲しい…!)
祐希は、ソファーに座る鮫島の股間の部分をいとおしそうに見つめながら、それを褒美として貰うため、その馬鹿げた余興にも向き合う姿勢だ。
「言っておくが挿入はナシだからな。もし、我慢できずにその男のものを挿入したら俺のは入れてやらんぞ」
と、鮫島は忠告してから、
「よし、始めろ。10分ぐらいは見ておいてやる」
と言った。
祐希は迷いなく、横たわるローションまみれの男の上に覆い被さり、その厚い胸板に自分の身体を擦りつけた。
「んっ…!」
ローションのおかげで身体がよく滑る。
祐希は、男の乳首と自分の乳首が触れ合うたびに甘い吐息を漏らした。
ふと視線を上げると、そのマットプレイを鮫島は満足そうに見ている。
「んんっ…ふぁっ…あんっ!」
下の男も、自分も、だんだん乳首が隆起し始め、より触れ合った時の刺激が強くなる。
祐希は身体を起こし、男に、
「舌を出して…」
と注文をつけ、その舌めがけて乳房を押しつけた。
「ああんっ!はぁっ!んんっ!」
舌の上で円を描くように身体を揺すり、乳首を舐めさせる。
男は自ら動くことを禁止されているため、その舌を震わせてはくれない。
それを補うように祐希が自ら乳房をぎゅっと握り、乳首をグリグリと押しつけては快感を得る。
「ふぁぁっ!」
さらに快感を高めようと、自然と空いた手が自らの秘部へ伸びる。が、
「自分で触るのはナシだ!それをするなら褒美はやらんぞ!」
と鮫島に一喝され、慌てて手を引っ込めた。
自分の指は使えない。ならば、どうすればいいのか。
考えた末、祐希は男の脚を太ももで挟み、木に抱きつくコアラのようにして前後に身体を揺すった。
「んんっ!あっ!当たるぅぅ!」
男の硬い膝小僧が、ちょうど秘部、特に皮の捲れ上がったクリトリスを押し潰す格好になって気持ちいい。
快楽を貪り、男の脚にズリズリと身体を擦り付ける祐希。
「あんっ!き、気持ちいいっ!ああっ!」
「イキたければイッてもいいぞ。オナニーとしてイクぶんには構わんからな」
という鮫島の言葉で、祐希はさらに身体を揺するスピードを上げた。
「ああっ!ダメっ!イクっ!ああぁぁん!」
男の脚にしがみついたまま、祐希はビクンビクンと身体を震わせた。
しかし、見ている鮫島はまだこの程度では満足しないだろうし、自分自身も満足できない。
祐希は、男の左手を掴み、中指を立てさせると、その中指を自ら膣の入り口にあて、腰を沈めた。
「ひゃぁぁ!」
そして、自ら腰を上下させる。
「ほぅ、セルフ手マンとはエロい女だ」
鮫島が笑う。
ローションと淫汁が混ざり、出し入れするたびにヌチョ、ヌチョと音がしている。
「ああっ!ダメぇ!またイクぅ!」
二度目の絶頂。
ぐったり前に倒れ込んだ祐希だが、鮫島の、
「どうした?終わりか?まだ時間はあるぞ。もっとアピールしなくていいのか?」
の声で、再度、指を自身の体内へ招き入れる。
しかも次は、腰を振りながら、男の親指も立たせ、その親指がクリトリスに直撃するようにした。
「ああっ!すごいぃぃ!ひゃあぁぁ!」
中とクリトリス、自身が感じる二点を的確に刺激する見事なセルフ手マンで、すぐに三度目の絶頂に達し、次は前に倒れ込んだ。
目を開けると、そこにはパンツの生地を押し上げてそそり立つ男の膨らみがある。
(す、すごい…)
祐希は、生唾を飲むと、自然な流れでそのパンツを引きずり下ろし、飛び出した肉棒にむしゃぶりついた。
先端を舐め上げ、頬張るとジュポッ、ジュポッと音を立てて吸う。
「ほぅ。とうとう見境がなくなったか。そんなことまでして、その後、我慢できるのか?ククク」
鮫島の声も聞かず、祐希はフェラを続けながら下半身を男の顔の方へやり、太ももで額を挟んだ。
「んぐっ…ぐっ…ねぇ、舐めて!私のも舐めてぇぇ!」
と祐希がシックスナインを強要する。
男は、祐希の股の間から鮫島を見て、お伺いを立てる。
「いいだろう。やってやれ」
鮫島の許可が出て、ようやく待望の男の舌が動き始める。
「ひぁぁっ!ああっ!気持ちいいっ!もっと!…ねぇ!もっとぉぉ!」
男の肉棒から顔を離し、グリグリと下半身を男の顔に押しつける祐希。
そのまま身体を起こし、顔面騎乗に移る。
ピチャ、ピチャという男の舌の音とともに、祐希は再び身体を痙攣させる。
「さぁ、ラスト1分ぐらいだ。俺としては、最後にもう一押しあれば考える、といったところだがなぁ」
と鮫島が告げる。
それを聞いて祐希は起き上がると、一目散に男の腰に跨がり、自らの花弁を肉棒に擦り付け、ローション素股でラストスパートをかけた。
二人の間からは、ローションが泡立つような卑猥な音が聞こえる。
「あぁん!やぁっ!んんっ!あんっ!当たってるぅぅ!」
「何が当たってるんだ?」
「オチンチン!固いオチンチンが私のマンコに当たってるぅ!」
とうとう躊躇なく淫語まで吐き散らす祐希。
(ダ、ダメぇ…こんな近くにあるの、もう我慢できないよぉ…!)
「あと15秒だ」
鮫島の声で、祐希の腰が恐ろしいぐらいスピードアップする。
(挿れたい…挿れたいぃぃぃ!)
「あと10秒だ。9…8…7…」
「んぁぁぁ!も、もうダメぇぇ!」
残り5秒のところで、祐希は、少し腰を浮かせ、肉棒を掴んで自らの膣口にあてがい、一気に腰を沈めた。
「ひゃぁぁあ!!すごいぃぃ、大きいぃぃ!」
とうとう祐希は、この余興の禁忌を破り、自ら男のものを挿入してしまった。
パンッ、パンッ、パンッ…と身体をぶつけ合う音が止まない。
「ひいぃぃぃ!気持ちいいっ!あんっ、んんっ!イ、イク!イッちゃうっ!うああぁぁぁ…!!」
男に跨がって昇天する祐希。
その様を眺めながら、鮫島は、
「ククク…ルール違反にはキツイお仕置きが必要だな」
と、まるで、こうなることを分かっていたかのように、驚きも憤りもせず、不敵に笑った。