伊藤純奈サイド―2.強制鑑賞
「ぐっ…あぁっ…く、くそっ…触んな、テメーら…!」
尖った言葉で牽制する純奈の声が部屋に響く。
鎖に吊られたスタイル抜群の白い裸体。
そこに寄り添う二人の男が、まるでシンメトリーのように、左右から純奈の見破られた性感帯、肉厚の二の腕をくすぐる。
「くっ…んっ、あっ…!」
右は左へ身体を揺らすたび、ぷるんっ、ぷるんっ…とボリュームたっぷりの乳房が波打ち、弾む。
「フフフ。相変わらず、よく揺れる胸だなぁ?強気で口が悪いわりに脱がせたらナイスバディっていうそのギャップがたまんねぇぜ」
「う、うるせぇ…!さ、触んなっつってんだろっ!クズども!」
と、真横の男たちに鋭い眼を向ける純奈だが、男たちは嘲笑うようにニヤニヤして、
「へへへ。そんな凄んでも怖くねぇよ」
「何で怖くねぇかって?だって、お前、動けねぇじゃねぇか!」
「それに素っ裸だしよォ!」
「乳とマンコ放り出した女なんか、怖くも何ともねぇんだよ!」
「…んだとォ!?」
男たちのナメきった態度にブチギレ寸前の純奈。
女一人に拘束具を駆使した上、二人がかりとは卑怯にもほどがあるヤツらだ。
だが、悲しいかな、彼らの言う通り、素っ裸で怒り狂っても迫力は出ない。
「テ、テメーら…覚えてろよ、あとで絶対に殺してやっかんな…!」
と睨みつける純奈に、
「おぉ、怖い怖い。すぐに殺すだの何だの…最近の捜査官ってのは物騒なもんだなぁ?」
と笑うリーダーは、純奈の前に歩み寄り、
「強気に振る舞うのは、こちらとしても楽しめるから大いに結構。どうせ最終的には、また前回のようにセックスをねだる雌犬になるんだからな。今のうちに吠えられるだけ吠えておくがいい」
「ふ、ふざけんな…!あれは…あれは私の意思じゃないっ…!お前が無理やり…!」
少し顔を赤らめ、苦しい言い訳で突っぱねる純奈。
「ほぅ?なるほど。つまり、自分から求めたりはしていないと?」
「あ、当たり前だ!」
「これはこれは…捜査官というのは平気でウソをつくのか?」
「ウソじゃないっ!」
声を荒げ、どうにか過去の醜態を封じ込めようとする純奈。
それに対し、リーダーは不敵な笑みを浮かべ、
「よーし、分かった。…おい、お前ら!一旦やめろ」
と子分の手を止めさせ、
「せっかくの機会だ。今の言葉、検証させてもらおうじゃねぇか」
「な、何をする気だよ…?」
不敵な笑みを警戒する純奈。
リーダーは堪えきらない笑みを浮かべたまま、胸ポケットから一枚のディスクを取り出した。
(…!)
眉が少し動いた純奈に、
「おい、ここに書いてあるタイトルを声に出して読んでみろよ。ほら!」
と、そのディスク、DVDの表面を突きつけるリーダー。
「…ち、ちくしょう…!」
唇を噛み、狼狽する純奈。
そのタイトルを彼女は口に出来る筈がなかった。
<武闘派捜査官、伊●純奈 人格矯正ドラッグ堕ち〜おねだりセックス>
「ほらっ!何て書いてあるんだよ!読めよ、コラ!」
「う、うるせぇ…!うるせぇっ!触んなっ!」
と髪を振り乱し、
「し、知らねぇよ…そんなの…!」
と突っぱねる。が、その強がりはますます相手の思う壷。
「ほぉ〜、そうかい。だったら今ここで再生してみるか。実際に見たら思い出すかもなぁ?」
(…!?)
「おい!テレビとプレーヤーを持ってこい!コイツも一緒に裏ビデオの上映会だ!」
「へへへ、分かりやした」
そそくさと部屋を出ていき、数分後、テレビとプレーヤーを持って戻ってきた男たち。
二人がかりで持ち込んだ大画面のテレビは吊られた純奈の真ん前に。
そしてプレーヤーに吸い込まれていくディスク…。
キュィィン…キュィィン…
と中でディスクが回転し、読み込む音が響く。
「くそっ…!」
「お?ちょっと顔が赤いなぁ?熱でもあるのか?それとも…」
純奈の髪を乱暴に掴み、
「何か思い当たる節でもあって照れてるのかな?えぇ?」
「…や、やめろよ…!映すな…!」
と低い声で制止する純奈だが、リーダーは、
「構うな。再生しろ。そしてボリュームも上げるんだ。役者のセリフ、一言一句、聞き逃すことがねぇようになぁ!」
と命じた。
やがて、
<ロード中>
となっていた文字が消え、本編が始まる…。
粗い編集で、いきなり、
<伊藤純奈>
とテロップが出たかと思うと、すぐに、
「や、やめろ!撮るんじゃねぇーよ!クソがっ!」
と女の罵声が響いた。
聞き慣れた声、それもその筈、明らかに自分の声だ。
「くっ…」
悔しさを滲ませる純奈に対し、
「おい。この映ってる女、何だかお前に似てねぇか?えぇ?」
と、わざとらしく聞いて、ニヤニヤと笑うリーダー。
映像の中の純奈は、今と同様、必死に声を上げるも拘束されて動けず、着ている服を無惨にも一枚ずつ切り裂かれていった。
そして、今と変わらぬ白い弾力のある胸を揉まれ、唇を噛む。
「チッ…」
顔を背けると、また髪を掴まれ、
「ちゃんと見ろって。何度も言わせんじゃねぇ」
と視線を戻されて、さらに、
「退屈か?それじゃあ、これぐらいはサービスしてやるよ」
と、また弱点の二の腕嬲りが再開する。
「んっ、くっ…あっ…」
ゾワゾワっとくる感覚に、もじもじ身体を揺する純奈。
やがて映像では、抗議の声も虚しく、胸揉みから乳首嬲りに移行し、不本意な色っぽい声を上げる展開に…。
「ほら、見ろ!これはお前だろ?間違いなく前回のお前だよなぁ?いい顔して感じてるぞ、おい」
「━━━」
「へっ、何も言えなくなったか。…まぁ、いい。この際だ。前回、どのようにして自分が雌犬へと堕ちていったか、その目で改めて確認するがいい。その後、しっかりそれを再現してやるからよ。へへへ…」
とリーダーは下卑た笑いを浮かべながら、なおも純奈の二の腕をぷにぷにと触り、くすぐりながら屈辱の上映会を続けた…。
(つづく)