乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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★第三部と第四部の間の短篇集★
梅澤美波のその後… (後)
 シャワーの音が聞こえる中、ベッドに座り込む圭太は緊張の面持ちで待っていた。
 久々に会った元カノと、今、ラブホテルにいる━。
 それは、つまり、そういうことなのか。
(まさか、こんな展開になるなんて…)
 正直、そんな気はなかった。
 久々に会った弾みで食事に誘って…純粋にそれだけしか考えていなかった。
(ま、まぁ…今、彼女と呼べる人もいないし、フリーっちゃフリーだから別に問題はないんだ。それに誘ってきたのも向こうだし、別に悪いことしてるワケじゃ…)
 と、戸惑う自分自身に対し、必死に弁解する圭太。
 そこに、シャワーを止め、バスタオルを巻いて出てきた美波。
 その姿を見た瞬間、圭太はドキッとした。
 濡れた長髪に白い肌、綺麗な鎖骨に細い腕、そして巻いたバスタオルの下から伸びる引き締まった太ももと長い脚。
 すっかり大人の女になった美波の佇まいは圭太の知る高校時代の美波とは別人だった。
 目のやり場に困り、思わず俯く圭太の隣に腰かけた美波は、
「ねぇ、キスして?」
 と声をかけ、そっと目を閉じた。
 圭太は、ぎこちなく、まだ水気を含んで温かい肩を抱き、そっと唇と唇を合わせた。
 おそるおそる舌を差し出し、美波の艶っぽい唇の緩む隙間へ挿し込むと、迎え入れるように開いた口がそのまま吸い付く。

 チュッ…ジュル、ジュル…ブチュウッ…

 舌を絡めることで奏でる卑猥な音は、さっき、路上で不意にされたキスより何倍も激しかった。
 元・恋人同士、何年かぶりのキス。
 袂を分かつことになったその後、お互いがどんな恋愛をしてきたか、ともに知らない。
 一つ言えることは、今、圭太と舌を絡める美波は、あの頃、初めてキスをした時、照れまくってずっとモジモジしていた美波とはまったくの別人だということだ。
 熱が増し、抱き合って絡み合うベッドに倒れ込む二人。 
 巻いたバスタオルが外れ、胸元がはだける。
 圭太は、ゆっくりと、そのはだけた胸元に手を伸ばし、そっと揉んだ。
「んっ…!」
 濃厚なキスを続けたまま、反応を示す美波。
 こうなると、もはや邪魔でしかないバスタオル。
 一思いに剥ぎ取ると、色白でほどよい大きさの美乳とともに、すっかりオトナの身体になり、綺麗に整えられた陰毛が現れる。
 圭太は、
(焦るな…ゆっくり…ゆっくりだ…)
 と自分に言い聞かせ、当時の記憶を辿り、まずは直に白い乳房を揉み、その先端の突起を指で弾く。
「んんっ…あっ、んっ…!」
 思わず口を離し、声を漏らす美波。
 澄ました顔をして意外に乳首が敏感なのは昔から。
 この乳首を摘まんで少し引っ張りながら指でコリコリと転がしてやると、美波は、
「あんっ…!そ、それ…!んんっ!」
 と、昔と変わらない反応を見せる。
 体勢を変え、仰向けの美波の上に覆い被さる圭太。
 このまましばらく圭太のターンが続く。
 指で転がしていた突起に口づけをして吸い、舌を這わせながら、股間の茂みの中にも指を這わせる。
「あっ、んっ…んっ!はぁっ…!」
 股の間の手が動くたび、白く長い脚がクネクネと動くのが艶かしい。
 すっかりあどけなさが抜け、逆にセクシーさが増した美波の反応はエロティックそのもの。
 圭太の首に手を回し、
(もっと…もっとして…!)
 と訴えるような目で懇願する美波。
(おいおい…その顔立ちでこの上目遣いは反則だよ…!)
 断る理由の無い誘いに、圭太は、胸を揉む手、乳首を弾く舌、そして湿った花弁をなぞる指を、それぞれ望み通りに加速させた。
「んはぁぁっ…!」
 全身に力が入るあまり圭太を抱き寄せ、耳元で、
「つ、続けて…そのまま続けて…!」
 と吐息混じりのセクシーなリクエスト。
 ぷるぷると震える乳房とビンビンに勃起した乳首、そして湿り気を増した花弁は、だんだん大陰唇が緩んで中に隠した秘肉を覗かせる。
 それぞれの箇所が、鮫島に調教され、深く刻まれた性奴隷の記憶を、圭太の優しい愛撫で上書きしていく。
 リハビリ中もずっと苦しんだ「最後に身体を許した男=あの憎き鮫島」という事実の呪縛から解放され、それが圭太へと更新されていったことで、やがて美波は
「き、気持ちいいっ…気持ちいいよ、圭太ァっ…!」
 と、本音を漏らして喘ぐようになる。
 その反応につられ、さらに激しさを増す愛撫。
「んあぁっ!?そ、そんなにされたら…イ、イッちゃうっ!イッちゃうよ、圭太ァっ!」
 背中を抱き締め、絶叫する美波に対し、圭太は一言、
「…いいよ、イッて」
 と言った。
 その一言で堰を切って、
「あぁっ!イ、イクっ!イクぅぅっ…!」
 と叫んだ美波は、腰を浮かせ、長い手足を痙攣させた。
 酔いと熱気で紅潮した白い頬と、乱れた長髪が色っぽい。
「はぁ…はぁ…イ、イッちゃったぁ…はぁ…」
 余韻に浸る美波。
 だが、美波の身体には、まだ一ヶ所、鮫島の呪縛が残る箇所がある。
 膣の奥…。
 その呪縛も含めて解かないかぎり、美波は立ち直ることは出来ないだろう。
(と、解かなきゃ…!け、圭太に…解いてもらわないと…!)
 美波は、圭太の手を引いてベッドに誘い込み、そのまま、次は自分が上になった。
 もう一度、濃厚なキスを交わし、ゆっくり、圭太の服を脱がしていく美波。
 パンツ一丁にしたところで、野球で鍛えた屈強な胸板を細い指で撫で、乳輪と乳首をなぞる。
「うぅっ…!」
 反応する圭太に対し、美波は、その固くなってきた乳首に舌を這わせ、吸い上げることで、さらなる刺激を送った。

 ジュル、ジュル…

「あぁっ…!み、美波…!」
 そんな良い反応を確かめながら、乳首を責め、そして空いた手を股間へ…。
 高らかにテントを張り、既に臨戦態勢の股間を優しく撫でると、パンツ越しに、その固さ、そして熱さが伝わる。
 果たして、これが、美波を呪縛から解放してくれるのだろうか?
 パンツのゴムに手をかけ、ズルズルと引き下ろしていく美波。
 バネのように飛び出たイチモツは、かつて美波が初めてを捧げたものだが、残念ながら、その当時の記憶は曖昧だ。
 それよりも今は、そのイチモツをより大きくさせることしか頭になく、ためらうことなく、顔を近づけ、舌を這わせる美波。
「うぅっ…!はぁっ…!」
 根元から先端まで丹念に舐め上げる美波の舌技で息を漏らす圭太。
(あっ…また固くなった…)
 そして美波は、先端に口づけをして唇を当てると、そのままゆっくりと圭太のイチモツを口に含んだ。

 ジュポ…ジュポ…ジュポ…ジュポ…

「くぅっ…!あっ…!」
 一定のリズムで行われる美波のフェラチオ。
 付き合っていた当時には出せなかったオトナのテクニックで圭太をその気にさせてゆく。
 そして、唾液という潤滑油でたっぷりコーティングを施したところで、美波は、再び仰向けになり、誘うようにゆっくりと脚を開いて、
「圭太、お願い…!来て…!」
 と小さく声を上げた。
 身体を起こし、そのスペースに割り込む圭太。
 唾液まみれの肉棒を握り締め、美波の湿る割れ目にあてがうと、一言、
「ホ、ホントにいいんだな…?」
「…うん」
「じゃあ…行くぞ?」
 最後の呪縛を解くべく、ゆっくりと美波の膣に埋まっていく竿。
「んっ、あぁぁっ…!んはぁぁっ!」
 思わずベッドのシーツを掴む手。
 やがて、ゆっくりのピストンが始まると、二人の吐息と身体同士のぶつかる音、そして肉と肉の擦れ合う濁音が部屋に飛び交う。
「くっ…!うぅっ…!」
 自身も快楽を味わいながら、美波の白い身体を何度も突く圭太。
 その太く固い肉棒が奥まで届くたび、敏感な反応を見せる美波は、長い髪を振り乱しながら、
「も、もっと…!もっと激しく…!」
 とリクエストし、あの悪夢を全て忘れるように快楽に浸る。
 言われるがまま、激しく腰を振る圭太。
「んあぁっ!そ、そう!それぇっ!んひゃぁぁっ!」
 夢心地の間は跡形もなく忘れられる。
 だから、その時間を少しでも長く…。
 そして、このセックスを、忘れられないセックスに…。
「んっ、あぁっ!イ、イクっ!圭太ァっ!イッちゃうよぉっ!」
 絶叫とともに痙攣する身体。
 荒い呼吸とともに上下する白い胸。
 だが、美波は、ぼんやりと天井を見つめながら、
(ま、まだ足りない…!あと少し…!あと少しで…私の中から…消えるから…!)
 その“あと少し”のため、起き上がり、圭太を押し倒して上になる美波。
 ゆっくりと腰を下ろして再び奥まで咥え込むと、
「あぁぁっ!お、奥まで来るぅっ!」
 と、声を上げた。
(あぁっ…!き、気持ちいいっ…!な、何もかも忘れられる…!も、もっと…!あの男の影が完全に消えるまで、このままずっと…!)
 その思いから、一心不乱に躍る美波の腰。
 クネクネと艶かしいグラインドで膣内のいたるところに圭太の肉棒を擦りつけ、その熱さを感じ取ってゆく。
 時にグリグリと押し潰すかのような動きも織り交ぜ、時計回り、そして逆回転と、持てる技を全て繰り出す美波。
 そのあまりの熱中っぷりに、思わず、
「み、美波…!は、激しすぎっ…!うぅっ…!」
 と下で呻き声を漏らす圭太。
 グチョッ、グチョッ…と潤う膣を掻き混ぜる音が響く。
「け、圭太っ…!し、下からも…下からも、もっと突いて…!」
 と、競走馬に鞭を入れるように圭太の胸板を叩く美波。
 そのくせ、望み通りに下から突き上げられると、
「んひぃぃっ!?」
 と声を上げて仰け反り、支えきれずにそのままバタンと後ろに倒れてしまった。
 結局、再び正常位に戻ってラストスパート。
「うぅっ…!み、美波…!美波ィっ…!があぁっ…!」
 名を呼ぶたびに飛び散る男臭い汗。
 美波は、そんな汗だくの背中に長い手、そして腰には脚を回し、しがみついて、
「あぁっ!け、圭太ァっ!き、気持ちいいっ!んっ、あっ…イ、イカせて!このまま、圭太ので奥まで突いてイカせてぇっ!」
 と絶叫した。
 優しく、美波の意を汲み、深く打ちつける圭太。
 そして…。
「あぁっ…!み、美波…!で、出るっ!出るっ!」
「んあぁっ!イ、イクっ…!イクぅぅっ!」
 絡みついた手足が弾け飛ぶように離れ、エビ反りになって果てる美波。
 それと同時に、勢いよく抜き取られた肉棒の先から飛び出した大量の精液が美波のお腹に次々と着弾する。
(あ、熱いっ…!)
 という実感とともに、
(お、終わった…!これで、もう…私は…あんなヤツの…性奴隷なんかじゃない…!)
 それだけ感じて、美波は、大きく息をついて目を閉じた…。

 ……

 翌朝。
 窓の外から聞こえる小鳥のさえずりで圭太は目が覚めた。
 まだ疲れの残る身体に鞭を打って起き上がるが、ふと、
「あれ…?美波…?」
 隣にいた筈の美波がいなかった。
 そのかわり、枕元に、圭太の服が綺麗に畳んで置いてあり、その上に書き置きを見つけた。 

 〜〜〜

 圭太へ。
 ゆうべは、おいしいごはん、ごちそう様。
 そして、ワガママ言ってごめん。
 でも、圭太のおかげで、私、もう一度、頑張れそう。
 戻らないといけないから、起こさずに先に行くね。
 圭太に会えてよかった。
 本当にありがとう。
 野球、頑張ってね。応援してるから。
 さようなら。

 お互い、幸せになろうね。

 梅澤 美波

 〜〜〜


 そして、この翌日、彼女は戦線に復帰する。
 強さを取り戻した美波は、その有り余る熱意で今日も街を駆け回っている。


(つづく)


■筆者メッセージ
※追記

過去、鮫島に捕らわれた人は性奴隷の証として陰毛を剃られて刺青を彫られる…みたいなくだりがそういえばあったのですが、すっかり忘れてて陰毛生えたままですがスルーしてください(←日本語ムチャクチャ。笑)
鰹のたたき(塩) ( 2020/08/26(水) 00:13 )