4.屈辱の剃毛
「ハァ…ハァ…」
徐々に息が荒くなる。
(身体が熱い…何なの、これ…?)
火照ってたまらない。
服の上からでも構わず、とにかく熱を持ったところを掻きむしりたい。が、肝心の手が使えない。
そんな今の飛鳥の気休めは、全身を這い回る男たちの指先だけだ。
しかし、それも、自分の思うようには動いてくれない。
それらは、あくまでも、飛鳥の身体にオイルを塗り広げるためにあるだけだからだ。
(じ、じれったい…もっと動かしてほしいのに…)
だが、自尊心が邪魔をして、それを口にすることは絶対に出来ない。
男たちにはバレないように意図的に身体を震わせ、自分の掻きたいポイントを男たちの爪先に当てにいくしかないのだ。
「へへへ。もぞもぞ動いてやがる。だいぶオイルの効果が出てきたみたいだ」
「よし、そろそろ剥いちまうか」
男の声で、飛鳥の顔が強張る。
「や、やめろっ!」
しかし、両手の自由を奪われていては抵抗する術がない。
男たちは三人がかりでハサミを用いて飛鳥の服や下着を切り裂いていく。
「くっ…!」
ついに露わになる色白で華奢な身体。
普段はクールで男勝りな飛鳥も、突き刺さる男たちの下卑た視線には、さすがに顔を背け、黙って耐えるしかなかった。
そして、とうとう屈辱の全裸。
繋がれた両手では大事なところを隠すこともできない。
「おぅおぅ、可愛らしい顔に似合わず、下の方は意外と剛毛じゃねぇか。ギャップだなぁ?」
男は、オイルでベチョベチョになった飛鳥の恥毛を逆立てるように触って、
「せっかくだから剃っちまうか?上が幼児体型なんだから合わせねぇとな」
「お前ら…いいかげんに…!」
飛鳥は、屈辱と怒りでぷるぷると身体を震わせた。が、男の方は意に介さず、カミソリを持ってくると、
「おとなしくしろよ。でないと、一生、消えない傷がつくぞ?」
と言いながら、慣れた手つきで飛鳥のアンダーヘアを刈り取っていく。
(こ、こいつら…絶対に殺す…!)
ものの数分で、さっきまで黒々としていた部分は、白い肌のみになった。
男は剃り跡を手で撫で、
「少しジョリジョリしてるが、まぁいいか。どうだ?パイパンにされた気分は?」
「━━━」
「ハハハハハ。恥ずかしくて黙っちまったか」
「おい、さっきまでの威勢はどこにいったんだ?もう一度、罵ってみろよ。え?」
「おら、ツルツルのパイパン女、何とか言ってみろ」
(ちくしょう…ちくしょう…!)
男たちの冷やかしに唇を噛む飛鳥。
だが、どうすることもできない。
今の飛鳥には、男たちをコテンパンにぶちのめす事はおろか、火照る自分の身体を掻く事すら出来ないのだ。
(つづく)