乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第一部 第三章・齋藤飛鳥の場合
3.実験台
 目を覚ました飛鳥は両手を天井から吊られていた。
(こ、ここは…?)
 まだ意識が朦朧としていたが、キッとした眼になったのは、目の前に男が三人、ニヤニヤしながら自分を見つめていたからだ。
「気がついたか?お嬢ちゃん」
「お前ら、何の真似だ!?」
「へっへっへ。お前の方こそ何の真似だ?俺たちの大事なお客様を追いかけ回しやがって」
「まさか尾行に使ったタクシーが偽タクシーだったとは思わなかっただろう?」
「さすがボス、罠の張り方が違うぜ。はっはっは」
 と、男たちは笑った。
(…ボス?誰か、コイツらに指示を出す人間がいるってこと?)
 飛鳥がそんな事を考えていると、ふいに男の一人が飛鳥の顎を掴み、
「齋藤飛鳥…だな?」
(…!!)
「お前ら…何で私の名前を?」
「へっへっへ。俺たちの組織の情報収集力をナメてもらっちゃ困るな」
「お前たち、乃木坂46とかいう組織のことは、こっちでもいろいろ調べさせてもらったぜ」
「何やら、性犯罪撲滅組織…なんだってな?どうりで俺たちにちょっかいをかけてくるワケだ」
「くっ…!も、目的は何?」
「たいした事じゃない。実験台が欲しかっただけさ」
「実験台…?」
 男はビンを取り出して飛鳥の目の前に突きつけ、
「これはよぅ、ウチのボスがフィリピンから仕入れてきた特上の性感オイルだ。これを塗られた女はどうなるのか、一度、誰かの身体で試しておかねぇとなぁ?」
「それに、そうすることで、お前たちへの見せしめにもなる。俺たちの邪魔をすると、こんな目を遭うぞ?ってな」
「別に、しいてお前を選んで実験台にしたいワケじゃない。罠にかかるようなマヌケなら誰でもよかったが、それが今回はたまたまお前だったんだ」
「不運だったな。へっへっへ」
「ふ、ふざけるな!」
 飛鳥は身体をよじって抵抗するが、拘束はびくともしない。
「さぁ、早速、始めようか」
「や、やめろ!離れろ、お前ら!」
 飛鳥は男勝りの口調で牽制するが、両手を拘束されているからか、男たちに怯む様子はまったくない。
 一人の男が飛鳥のシャツの襟首を引っ張り、そこにドバドバと雑にオイルを注ぐ。
「つ、冷たっ!やめろよ、バカっ!」
「冷たいか?まぁ、じきに熱くなるさ。耐えられないぐらいにな」
 そう言ってニヤリと笑った男は、飛鳥の身体を背後から抱き締めるようにして、服の上からオイルを塗り広げ始めた。
「ちょっ!キモっ!…やめろ!」
 空いた胸元からズリュッ、ズリュッと、オイルまみれのシャツの衣擦れの音がする。
 たちまち飛鳥の身体は着ている服ごとオイルまみれになり、まるで水から上がってきたみたいだ。



「ちょっ、ちょっとぉ!抱きつくな!気持ち悪い!」
 飛鳥は嫌悪感を剥き出しにして身体を揺する。
「さっきから口の悪い女だな。そんな態度でいると、あとで後悔するぞ?」
 男は呆れながら、さらにオイルを塗り広げる。
 別の男がシャツを捲り上げ、手を差し込んできた。
「へっへっへ。ここらへんは特に入念に塗り込んでやらねぇとな」
 と言って、飛鳥の胸のあたりをまさぐっていたが、
「はっはっは。何だ、こりゃあ?膨らみが全然ねぇぞ?お前、まな板でも張り付けてんのか?」
「う、うるさい…!」
 貧乳をバカにされ、思わず顔が赤くなる飛鳥。
 さらに別の男は、パンツに手をかけ、同じように引っ張ってその隙間からオイルを注ぎ込む。
「うわぁぁ!やめろぉ!」
 下腹部、お尻、太もも、膝へとヌルッとした液体が滴り落ちていく。



「おら!ここもだよ」
 と、男は、飛鳥の股ぐらに手を差し込み、前後に抜き差しして鼠径部周辺にもオイルを行き渡らせる。
「やぁっ!さ、触るな!変態!」
「変態…か。俺たちにとっては誉め言葉だぜ」
 男は、そう言いながら、さらに抜き差しを続ける。
 パンツの上からとはいえ、きわどいところを前後に擦られる感覚。
(んっ…!あ、あそこに当たる…。やめろよぉ…) 
 飛鳥は少しずつ、自身の置かれている状況をようやく理解し始め、焦っていた。


(つづく)

■筆者メッセージ
☆作者の後日談☆

拘束され、怪しいオイルを全身に塗りたくられる飛鳥ちゃん…というシーンでした。

飛鳥ちゃんからの「やめろよ、バカ!」「触るな、変態!」は、もはやご褒美のような気もします(←笑)が、まだ今のうちは気丈な振る舞い。

ここからどんどん責めて、その生意気な口を黙らせていきます(笑)
鰹のたたき(塩) ( 2019/12/06(金) 13:26 )