伊藤万理華サイド―2.責める女王 (※レズプレイ有)
湾上の密室。
両手を吊られて棒立ち、さらに目隠しまでされて為す術がない万理華。
チョキチョキ…と、ハサミの音がする。
その鉄の刃によって、万理華の衣服が切り裂かれていく。
「や、やめてよ…!」
と抵抗する万理華。
クイーンが身に纏う独特な香水の匂いを間近に感じ、思わずむせそうになる。
ふいに耳に息を吹きかけられ、びくっとした。
「ふふっ…見えなければ、こういうのもドキドキするでしょ?」
クイーンはクスクスと笑いながら、続けて何度も耳に狙う。
「んっ…!」
くすぐったくて、息から逃げるように身をよじると、
「あはっ、可愛い♪」
と、日奈子の声。
目の前でニヤニヤ笑っている姿が想像できる。
「わ、笑って見てないでどうにかしてよ…!」
無神経な後輩に対し、たまらず抗議の声を上げると、日奈子は棒立ちの万理華に近づき、
「何を言ってるんですか?私はただのギャラリーですよ?それに、私は悶えてる万理華さんが見たいんです。こうやって…」
と言って、クイーンと同じように万理華の耳に息を吹きかけた。
「ひぃっ…!」
「どうですか?万理華さん」
「や、やめてってば…!んんっ…!」
「ふふっ、先輩をいじめる後輩…素敵な光景ね。じゃあ、耳はそのまま日奈子にやってもらおうかな」
というクイーンの提案で、耳に息を吹きかける担当が日奈子に変わり、クイーンは再び、万理華の服を切り裂くことに集中する。
スルスルと生地を剥ぎ取られ、下着姿に。
「あらあら、なかなか可愛らしい下着をつけてるのね」
「や、やめて…見ないで!んんっ!」
抵抗力が、日奈子の吐息によって奪われていく。
クイーンは、万理華のボディラインをまじまじと眺めて一言、
「もう少し、おっぱいが大きければねぇ…」
と指摘し、クスッと笑った。
(う、うるさいっ…ほっといてよ…!)
ひそかに気にしてる胸の大きさのことを触れられ、アイマスクの中で赤面する万理華。
恥ずかしさを誤魔化すように、小柄のわりに意外とむっちりしたその脚で地団駄を踏むが、その間も断続的に日奈子の吐息の愛撫は行われている。
「ふぅぅ〜!」
「んんっ…!ひ、日奈子ぉ…やめてよぉ…!」
くすぐったくて、たまらず吊られた二の腕を耳に押し当て、ガードを図る万理華。
しかし、それが裏目と出た。
「万理華さ〜ん、隠さないでくださいよぉ〜」
と意地悪な笑みを浮かべる日奈子が、剥き出しの腋に指を這わせた。
「ひぃぃっ…!」
思わず飛び跳ねる万理華。
「あれぇ?もしかして、ここ、弱いんですかぁ?」
とニヤニヤする日奈子。
クイーンの前では従順な雌猫の日奈子も、万理華の反応の良さから、徐々に本来の無邪気で意地悪な一面を取り戻し始めていた。
調子づいた日奈子は、万理華が動けないのをいいことに、次は腋の下に標的を変える。
「ひ、日奈子ぉっ…!や、やだっ…んはぁぁっ!」
「こっちもしてあげますね♪」
「ダ、ダメだって…!りょ、両方同時はやめっ…!んひぃぃっ!」
綺麗に処理された腋の下に五指を這わせていたぶる日奈子に対し、拘束によって逃げられず、身体を左右に揺することしかできない万理華。
「ふぅぅ〜…」
と、耳への吐息責めも再開し、後輩にまんまと翻弄されてしまえば、その隙にクイーンは慣れた手つきでブラの肩紐、そして谷間の部分を素早く切断した。
締め付ける力を失い、ずり落ちるブラに、
「え、ちょっ…!?ま、待って…!」
と慌てる万理華だが、止めようがない。
抵抗むなしくスルリと床に落ちたブラと、晒された万理華の胸。
気持ち程度の膨らみと、その先にちょこんと乗る小さな乳首。
その有り様にクイーンは思わず苦笑して、
「何よ、これ…こんなの、脱がせた男の人もガッカリしちゃうわよ?」
「う、うるさいっ…んんっ!」
クイーンの嘲笑にムッとする反面、日奈子の、
「あはっ、ちょこっと乗ってる乳首、小さくて可愛い♪」
という声には赤面する。
「ほら、もっと大きくなるように私がマッサージしてあげようか?」
クイーンの手の平が膨らみを覆い、動く。
「や、やめてっ…触らないで…んんっ!」
耳、腋、そして、その小ぶりな胸を同時に責められ、反応せずにいられない万理華。
「気持ちいいですかぁ?万理華さ〜ん」
「な、なにバカなことを言ってんの…!き、気持ちいいワケ…あっ、んあぁっ!」
「ほら、途中で止めずに最後まで言い切ってみなさいよ」
ニヤニヤと煽りながら、爪の先で乳首を弾くクイーン。
「ああっ、や、やめてっ…んんっ!」
「小さいわりには、おっぱいも乳首も、いい感度してるじゃない。こう見えて実はスケベちゃんなのかしら?」
「ち、違うぅぅっ…んひぃっ…!」
「へぇ〜、違うんだぁ…?本当かしら?」
妖しく笑ったクイーンは、そのままヤンキー座りになり、上に伸ばした右手で胸を揉んだり、乳首を弾いたりしながら、左腕を、そっと万理華の太ももに絡みつかせた。
その様は、まるで木の幹に巻きついた蛇のよう。
そして、そのまま絡みついた左手の指先でパンティをなぞれば、
「んんっ!そ、そこは…あぁっ!」
「あら、なぁに?スケベちゃんじゃないのなら、こんなの、なんてことないでしょうに」
「んはぁっ!ダ、ダメぇっ!」
まさしく蛇の舌のように動くクイーンの指が、的確に、布越しに割れ目をなぞる。
脚を閉じようにも、絡みついたクイーンの腕が太ももを離してくれない。
いいように弄ばれ、悶絶する万理華。
さらにクイーンは、笑って、
「何だか、ここ、少し湿ってるような気がするけど、私の気のせいかしら?」
「そ、そんなワケないでしょ…!デ、デタラメ言わないで…!」
「デタラメ…?ふーん、デタラメねぇ…」
ふいにクイーンがパンティの生地を引っ張り、その隙間に指先を挿し込んだ。
「あっ、ダ、ダメっ…んんっ!」
そのまま静かに二度、三度と、じかに割れ目をなぞる細い指先。
そして手を退いたクイーンは、立ち上がると、万理華の耳元で、
「あら〜?何かしら、これ?何か、やたら粘っこい液体が指の先についちゃったけど…?」
と、わざとらしく声を上げ、
「これでも、まだデタラメで通す気?」
「うぅっ…くっ…」
もはやアイマスクの下だけに留まらず、その丸い顔を全体的に紅潮させる万理華。
クイーンは、その真っ赤な頬に一度、チュッと口づけをして、
「ウソつきには、罰として、全裸になってもらおうかしら」
と言って、再びハサミを構えた。
「ま、待って…全裸は…!」
先ほどと比べ、明らかにボリュームの下がった小さな声で抵抗する万理華。
ハサミの刃がゴムにかかる。
力を込められると同時に、締め付けが緩くなり、だらんと布が下がる。
「さぁ、こっちも」
と言って、反対側も切られると、そのまま股の下にずり落ちた最後の防具。
こじんまりと生えた陰毛と、湿度の上がった股間を晒され、アイマスクのまま顔を背ける万理華。
「アハハ!可愛い!…恥ずかしいですか?万理華さん」
と日奈子の楽しそうな声。
(は、恥ずかしいに決まってるじゃん…!)
恥辱のあまり、ぷるぷると震える小さな唇。
すると、ふいに、日奈子が、その唇を覆うようにキスをした。
「んっ、ぷっ…!」
慌てて髪を振り乱すが、自由の利かない万理華に対し、可愛い顔して実は怪力の日奈子。
無理やり掴んで顔の位置を戻し、もう一度、唇を奪う。
「ひ、日奈子ぉっ…んんっ!?」
後輩からの強引なキスに戸惑う万理華。
日奈子は、ジュルジュルと音を立てて万理華の唇を舐め回し、
「万理華さんのお口、すごく可愛いです」
「や、やめてよぉ…んんっ!」
「あらあら、おアツいわねぇ」
いいものを見ているような言い方で冷やかすクイーンだが、同時に、その指はファサファサと万理華の陰毛を上へ下へと撫でる。
「さぁ、どんどん辛くしていくわよ。アンタも日奈子みたいに抜け出せなくしてあげるから」
と、クイーンは、新たな獲物を前に、妖しく笑うのだった。