乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第三部 第七章・二人の女王様 ―ダブルインパクト― (橋本奈々未、伊藤万理華)
伊藤万理華サイド―1.vs女王様 (※レズプレイ有)
「…うぅっ…」
 伊藤万理華は目を覚ますと、そこは見たことのない空間だった。
 壁に沿ってL字に取り付けられたソファー。
 大きな窓はカーテンが閉められ、外の光を完全に遮断している。
 さっきの催涙ガスの余韻か、まだ少し目が痛い。
 自然と溢れる涙を拭いたいのだが、天井に吊られた両手が自分の意思では下ろせない。
 床が少し揺れていることで、ここがクルーザーのキャビンの中だと分かった。
(そ、そうだ…!奈々未は…?)
 きょろきょろと周囲を見渡すが、いない。
 その時、デッキのドアが開き、女が二人、入ってきた。
「あら、いつのまにか起きてるじゃない」
 と、仮面をつけたその女、いつぞやの女王様“クイーン”が笑みを浮かべた。
 そして、そのクイーンの背後、もう一人の女の方に万理華は思わず目を奪われた。
「ひ、日奈子…!?」
 なぜか、その場にいるかつての後輩、北野日奈子。
 日奈子はニヤリと笑って、
「久しぶりですね、万理華さん♪」
「な、何で日奈子がここに…?」
「クイーン様に連れてきてもらったんです。楽しいイベントがあるって。万理華さんも一緒というのは初耳でしたけど」
 と日奈子は微笑し、甘える雌猫のようにクイーンの肩に顎を置いた。
「ク、クイーン様…?ど、どういうこと…?」
 クイーンは、クスッと笑うと、肩口の日奈子の頭を撫で、
「この子は、いまや私の可愛い下僕(しもべ)。私からのご褒美ナシでは生きていけない身体になってしまったのよ」
 と自慢げに言った。

 先日、日奈子の身に振りかかった屈辱の公開レズ調教ショー。
 そこで植えつけられた女同士の行為の快楽に溺れ、すっかりレズの魅力に取り憑かれてしまったた日奈子は、解放された後も、人目を忍んでクイーンの店を訪ねては、まるであの夜を再現するように、自ら調教の続きを志願していた。
 そして、繰り返し何度もレズ調教を味わい、快楽を貪るうちに、とうとう日奈子はクイーンの従順な部下、レズの虜へと成り下がったのだ。

「ふふっ…」
 目の前の獲物、かつての先輩を好奇な目で見る日奈子。
「さぁ、万理華さんも早く、私と同じ、クイーン様の下僕になって、あのねっとりとしてゾクゾクする快楽に一緒に溺れましょ?一度ハマったら、私みたいにもう抜け出せませんから」
「ひ、日奈子…!アンタ、自分が今、何を言ってるか分かってんの!?」
 必死に手首を揺するが、外れない。
「さぁ…それじゃあ、早速、始めていこうかしら」
 とクイーンは言うと、アイマスクを手にとり、それを日奈子に渡した。
「先輩なんでしょ?アンタがつけてあげなさい」
 とクイーンが言うので、日奈子は素直に頷いて受け取り、ゆっくりと万理華の背後に回った。
「さぁ、万理華さん…視界を奪われたら調教スタート、逃げるなら今のうちですよ?って言っても逃げれませんけどね。アハハ!」
 と悪戯っぽく笑い、アイマスクを手で伸ばして、万理華の目に被せる日奈子。
「ひ、日奈子…やめて…!」
 できることなら突き飛ばして逃げたい。が、逃げられない。
 アイマスク装着完了。
「は、外してよ…日奈子っ!」
「ふふっ…捜査官を調教するのは二度目ね。日奈子にはないそのボーイッシュな見た目が、なかなか、いじめ甲斐がありそうだわ」
「ふ、ふざけないでよ…!」
「さぁ、その毅然と振る舞う態度の奥底にどんな本性を隠してるのか、楽しみだわ」
 と呟き、棒立ちの万理華に歩み寄るクイーン。
 今回は無観客、唯一の客は後輩の日奈子。
 湾上のステージにて、その日奈子が好奇の目で見守る中、果たして万理華もクイーンによってレズ奴隷に調教されてしまうのか…?

鰹のたたき(塩) ( 2020/05/25(月) 16:21 )