乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第三部 第五章・伊藤純奈の場合
3.消える余裕、増す焦り
 ビデオの映像の中で、未央奈への責めが始まった。
 それと同時に、この現実世界でも、純奈の身体に男たちの指が触れる。
「さ、触んなよ…!」
 振り払うように身体を揺する純奈だが、拘束されているせいで思うように動けない。
 ちょうど映像の中の未央奈も同様に、男たちの指から逃げるように身体を揺すっている。
「おいおい、往生際が悪いなぁ?」
「所詮、口だけか?」
「逃げるところじゃなくて耐えるところを見せてくれよ」
「チッ…!」
 癇に触る男たちの言葉の応酬に苛立って舌打ちをする純奈。
 背後に回った男が服の上から胸を触る。
「おぉ?男勝りな性格のわりに、女として出るところはちゃんと出てるじゃねぇか!サイズは何だ?Bか?Cか?それともDか?」
「う、うるせぇんだよ…黙れよ、クズ…」
 少し顔を赤らめつつ、呟く純奈。
「さぁ、もっとよく見せてもらおうか」
 そう言って男たちはハサミを手にすると、純奈の衣服を切り裂いていった。
 鍛え上げられた“意外とスタイル抜群”な身体が晒されていく。
「ほぅ。下着は黒か。なかなかセクシーじゃねぇか」
「み、見んじゃねぇよ…!」
 純奈の目に、ブラに刃をかけたハサミが見えた。
「行くぞ?切るぞ?」
「くっ…あっ!」
 チョキン…という音と同時に締めつけを失い、はだけて落ちるブラ。
 その柔らかさゆえに垂れ落ちそうな乳房が現れると、男たちから歓声が上がる。
「へへへ!こっちのビデオの女とは大違いだ!」
 確かに未央奈の小ぶりな乳房よりは明らかに大きい。
「く、比べんなよ…ホント最低だな、お前ら…!」
「あぁ、最低で結構だ」
「ムカついたなら、ぶっとばしてみろよ。へっへっへ」
「さて…その目を引くバストも露わになったことだし、そろそろ本腰を入れてやらせてもらうぜ」
 早速、背後の男が、純奈の胸を鷲掴みにした。
「い、痛てぇんだよ、触り方が!」
 柔肉に食い込む指に抗議する純奈だが、男は構わずに揉み続け、さらに別の男は、パンティと地肌の境界をなぞるように脚の付け根や鼠径部に指を這わせる。
 その指の動きがむず痒くて気持ち悪い。
 振り払おうとして、ガシャガシャと足首を開かせる鎖を揺するも、空しくその音が響くだけだ。
「くっ…うぅ!」
「おっ?何だ?今の声は?」
「女っぽい声が出たぞ」
 吐息の乱れも聞き逃さない男たち。
「お、お前らが気持ち悪くて舌打ちしただけだ…!」
 と強がる純奈だが、徐々に、胸を揉みしだく男の手に気がいっているのも事実だ。
 男は、純奈の胸を鷲掴みにしたり、その掴んだ手の中で震わせたり、持ち上げて揺らしたり、バリエーションを使ってくる。
 中でも、震わせた時の手の平が乳首に擦れるのが気になる。
(く、くそっ…!)
 反応すればつけこまれる。
 純奈も、それが分かっているから、反応しないよう、声を押し殺す。
(大丈夫…まだ何とか誤魔化せている…!)
 そんな心理戦が続く。…いや、続いていると思っていたが、その均衡が破る男の問いかけ。
「いつまで我慢する気だ?」
(…!?)
「へへへ。バレてねぇとでも思ってたのか?さっきから、これが一番お気に入りだってことはとっくに分かってんだよ」
 そう言って男が、乳房を手の平で覆って震わせる技を主体に切り替えた。
 豊乳の震えを利用し、ゴツゴツした手の平が乳首を擦り上げる。
「んんっ…!あっ…!」
 不意をつかれて乱れる声。
「へへへ。必死に平然を装う様、滑稽だったぜ」
「ち、ちくしょう…!あっ、んっ…!」
「どうだ?擦られて徐々に固くなってきたのが手の平から伝わってくるぞ」
「か、固くなんかなってねぇよ…んっ、くっ…デ、デタラメ言ってんじゃねぇ…!」
「おいおい、シラを切る気か?」
 男は振動を止めると、純奈の左右の乳首を軽々と摘み上げた。
「んあっ!」
「ほら、こうやって摘まめるぐらい両方とも勃起してんじゃねぇか!これでも勃ってねぇって言うのか?おい!」
「んあぁぁ…!」
 指の腹で擦られて息を乱す純奈。
「ほら、認めろよ!勃っちまったんだろ?」
「た、勃って…ねぇよ…」
 鋭い眼で男たちを睨みつける純奈だが、男は、まるで純奈がそういう受け答えをすると予想していたかのように、
「ほぅ…そうかい。だったら、そんな頑固な乳首は、集中して、もっと徹底的に嬲ってやんねぇとなぁ?」
 と言って、ガチャガチャと足元の箱の中から電マを二本、取り出した。
(…!!)
「へへへ。…これ、何か知ってるか?」
「━━━」
 純奈の表情が強張る。
 男は笑って、
「そうだよな。知らねぇ筈はねぇよな。なんてったって、いまやAVでも定番の人気アイテムだ」
 同時にスイッチが入れられ、ブィィィィン…と音を立てる電マ。
「さぁ、次はこいつが相手だ。意地を見せてくれよ、組織きっての武闘派捜査官さんよォ!」
 挑発の言葉とともに、二本の電マが純奈の乳房に押しつけられた。
「んんっ…!や、やめろぉっ…!」
 思わず背筋が伸びる純奈。
「おらおら、どうしたぁ!」
「強がり言ってるからこうなるんだよ」
「う、うるさい…!くっ、あっ…!」
「おい。なに身体を引いて逃げてんだ?散々でかい口を叩いてたんだ。今さら認めねぇぞ、そんな小細工は」
 そう言って、びったりと純奈の背後に張りつく男。
 こうなると男の胸板が邪魔で身体を引けない。
(ど、どけよ…くそっ!)
 さらに身動きが取れなくなり、もはや電マにとっては絶好の的となってしまった純奈の乳房。
 グリグリと乳首ごと肉を押し潰す電マに、閉ざした唇がぷるぷると震えてしまう。
「これだけじゃねぇぜ」
 と、さらにもう一本、突きつけられる電マ。
「こいつには、こっちを担当させてやるか」
 と男は笑みを浮かべ、その電マを開かれた内腿へ這わせ、それを徐々に脚の付け根へ。
「んっ…あっ!くっ…や、やめろ…そっちは…!」
「あぁ?そっちは何なんだよ?」
 肉付きの良い太ももが振動でぶるぶると揺れる。
 純奈は、自身に手をかける男たちを繋ぐように厳しい目を向け、
「こ、この卑怯者ども…!一人の女に寄ってたかって…恥ずかしくねぇのかよ!?」
 と詰問の言葉を投げかけるが男たちは意に介さず、それどころか、
「何だ?女として扱ってほしかったのかよ?男勝りの捜査官だと聞いていたのにガッカリだな」
 とブーメランまで食らう始末。
 乳房に沈んでいた電マが離れると、また、ぼよんっ…と肉が弾む。
 その中心にある黄褐色の突起は、もはや言い訳も苦しいぐらいに隆起していた。
「おらおら、こっちもどんどんやってくぞ?」
 男の声とともに、内腿を這う電マが股間をかすめる。
「んんっ…!」
「さぁ、男勝りの捜査官さんはパンティ越しに電マを当てられて、いったいどんな反応をするのかねぇ?」
「バーカ!無反応に決まってるじゃねぇか!こんな振動で声を漏らすほどヤワな女じゃねぇよ。なぁ?そうだろ?」
「そうだよなぁ。まさか堪えきれずに甘い声が漏れちまうなんて、そんなワケねぇよなぁ?なぁ?」
 男たちの意地悪な追い込みが、気丈に振る舞う純奈をじわじわと追い詰める。
「当てるぞ?ほら、当てるぞ?」
 男は、純奈の顔をまじまじと見つめながら、わざと声に出して予告する。
 些細な表情の変化も見落とさないよう、また、それをすぐに煽りのネタにするためだ。
「こ、こっち見んな…」
 今の純奈には、それが精一杯の反論だった。
 頬を伝う汗、額に滲むのは脂汗か。
 ちょうど、ビデオに映る未央奈も、純奈と同様、唇を噛み締めて男たちの愛撫に耐えているところだった。
「鳴くなら大きい声で鳴けよ?遠慮はいらねぇからな」
 早くも引導を渡すように言う男の不敵な笑みと、まるでビーチに接近するサメのように、ゆらゆらと太ももの間を揺れながら獲物へと迫る電マ。
(や、やめろよ…やめろよぉっ!!)
 いつのまにか純奈の表情から余裕というものが消え去っていた。

鰹のたたき(塩) ( 2020/04/30(木) 16:43 )