乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第二部 第七章・生田絵梨花と久保史緒里の場合
6.摩擦
 やっと、二人を苦しめた縄が身体から離れていった。
 しかし、だからといってこの快楽調教が終わったワケではなく、ましてや身体の疼きも消えてはくれない。
 目隠しをされて視界を奪われた中で、背中合わせの二人の股ぐらに差し出される鮫島の腕。
「んあぁぁ…!」
「あんっ!んっ…!」
 二人は無意識に太ももでその腕を挟み、腰を振り、クイッ、クイッと絶妙な加減で勃起したクリトリスを擦りつけてくる。
「おいおい、何てことをするんだ。俺の腕がお前たちのマン汁でベチョベチョになってしまったじゃないか。冗談じゃないよ、まったく…」
 鮫島が溜め息をついて腕を抜き去ろうとすると、
「あっ、やぁっ…ぬ、抜かないで…!」
 離れかける腕を慌てて呼び止める生田。
「何だ?気持ちいいのか?」
 という鮫島の問いに対し、まだ口で認めはしないものの、そのかわりになおも腰を振り、これでは認めたも同然だ。
「…お前はどうなんだ?」
 鮫島は伸ばした腕の先、指先を少しだけ曲げ、奥の史緒里のクリトリスを軽く弾いた。
「んひぃぃっ!」
 清楚な顔に似合わず、下品な声を上げる史緒里は、
「き、気持ちひいっ…気持ちいぃですぅ!」
「どこが?」
「ク、クリちゃんです…クリちゃんが気持ちいいですっ!」
「あらあら、いやらしい言い方しちゃって…」
 衛藤は思わず苦笑してから、生田に向かって、
「聞いたでしょ?こっちの娘はもう降参って言ってるわよ。アンタも素直に気持ちいいって認めたらどう?」
「い、いやぁ…あっ、んっ…」
 瀬戸際に立たされ、悶える生田。
 股に差し込まれた鮫島の腕が、ゆっくり、ゆっくりと前後に動くだけで脳が溶かされ、身を預けてしまいそうになる。
「んっ…ダ、ダメぇ…やぁっ、こ、腰が止まらない…んあっ…!」
 またもや、無意識に自ら腰を擦り付ける生田。
 さっきよりも激しく鮫島の腕が揺れているのは、背後の史緒里が腰を擦り付けるスピードを上げているからだ。
 すぐ真後ろから聞こえる後輩の甘い声。
「やぁぁっ!た、たまらない!指先が気持ちよすぎぃぃっ!」
(ゆ、指先…?)
 目隠しで見えない生田には分からなかった。
 鮫島は、素直に快楽を認めた史緒里の方にだけ、褒美として、指先を上向きに立ててやっていた。
 暗闇の中で、固く充血したクリトリス、そして淫汁を垂れ流す秘部を、その指先に目掛けて擦り付けては快感に浸る史緒里。
「あぁぁっ!当たってる!クリちゃんに当たってるっ!」
 そして、さらに…。
「あんっ!お、おっぱいも…!やぁっ、す、すごいぃぃっ!」
 追い討ちをかけるように、衛藤がブラ越しに史緒里の胸を揉みしだくと、史緒里は髪を振り乱して、
「あっ、イクっ!イッちゃう!んあぁぁぁ!…あんっ!!」
 跳ねた腰が生田の背中に当たる。
 声色、言葉、動きの激しさなど、それらを統合するに、史緒里が“自分よりも快楽を得る手段を多く与えられている”ことは一目瞭然だ。
(ず、ずるいよぉ…!)
 そんな自分は唯一の手段、股に添えられた鮫島の腕に股間を擦り付けることしかできない。
 そして、そんな生田に浴びせられる嘲笑と誘惑。
「ククク…じれったいなぁ?指でも挿れてもらえれば、もっと気持ちよくなれるというのに。どうする?自分の口でお願いすれば考えてやってもいいぞ」
「ほら、早く認めなさいよ。今さら守るものなんてないでしょ。こっちの娘みたいに素直になれば、もっともっと気持ちよくしてあげるわよ?」
「くぅぅぅ…!」
 葛藤の渦に飲まれる生田。
 今ここで屈伏の意を示せば、どうなるのか。
 おそらく、この全身の疼きを吹き飛ばすほどの快楽を得られるだろう。
 それはそれで、想像しただけでもたまらない。
 だが、その反面、
(そ、そんなものを得るために日本に帰ってきたんじゃない…!私は…私は、玲香を助けるため…そう、コイツらを捕まえるために帰ってきたんだ…!)
 という思いも、まだ残っている。
 無意識に振っていた腰を止め、ふと我に返る。
(た、助けなきゃ…この娘を助けて、ここを脱出しなくちゃ…!)
 本来の役目を思い出し、快楽への誘いを断つ生田。
 …しかし。
(助ける…?どうやって…?)
 ふと、現実を見た時、下着姿で視界は真っ暗、両手を繋がれて目隠しを自分で外すことすら出来ず、文字通り、手も足も出ない。
 史緒里を助けるどころか、まずは自分が誰かの助けを待つ立場だと痛感させられてしまう。
 そして…。
「ふふっ、何を考えているのかしら?」
「…ふぁっ!ああぁぁぁっ!」
 衛藤が腰に手を添え、無理やり生田の身体を前後に揺すった。
 鮫島の腕にクリトリスを強引に擦り付けられ、甘い声を上げる生田。
 妙に滑りが良いのも、鮫島の腕が自身の愛液まみれだからだ。
(ダ、ダメだ…逃げられない…)
 断ち切ったかに見えた快楽が再び身体を支配する。
「ほら!もっとさっきみたいに激しく振りなさいよ。自分で振ってたでしょ、こうやって!」
「あぁっ!や、やめっ…!んあぁぁっ!」
「ほら、早く正直になりなさい!」
(も、もう無理…気持ちよすぎる…お、堕ちる…)
 腰を揺さぶられて無理やり刺激を与えられ、もはや風前の灯火となった生田の自尊心。
 そして、その消えかけの火にとどめをさすように、鮫島はニヤッと笑って、差し込んだ腕と生田の股間の接地面の隙間に無理やりローターを押し込んだ。
(…!!)
 狭い隙間でもがくように震えるローターは、パンティ越しに、生田のめくれあがったクリトリスに引導を渡した。
「…ひゃぁぁあっ!す、すごいぃっ!ダメぇぇぇ!」
 感電でもしたかのように飛び上がって痙攣する生田の身体。
 気をやった後は、両手を吊るロープに全体重を預け、ぶらんぶらんと惰性で身体を揺らしながら、うわ言のように繰り返す。
「き、気持ちいい…もっと…もっとしてぇ…」
 と、ひたすらに…。

鰹のたたき(塩) ( 2020/01/20(月) 10:12 )