乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第二部 第六章・斉藤優里の場合
3.開発
 一回の絶頂では飽き足りず、男たちは何度も優里の身体を振動する指でいたぶった。
「んあぁっ!や、やだぁっ!あぁっ!」
 一度、オーガズムに達したことで敏感になった身体は、男たちの責めに為す術もなく、黙って快楽を味わうのみ。
 それどころか、左右の乳首はもっと嬲ってくれと言わんばかりにピンと硬直し、より一層、男の責めを誘う。
「まったくエロい乳首だな。ずっとビンビンになってやがる」
「どうしてほしいんだ?摘まんでほしいのか?それとも吸い上げてほしいか?」
「舐め回してやってもいいぞ。まぁ、全部、自分の口でお願いしたら、だがな。ハッハッハ!」
 男たちは好き勝手に言いながら、三人で寄ってたかって優里の胸を集中して責める。
「ひゃあぁぁっ!」
 情けない声を上げて感じてしまう優里。
 何とか抑えようとするが我慢できない。
 ふと、一人の男の指が、脇の下から乳房の横、肋骨のあたりをマッサージするように刺激した。
「んんっ!やぁっ…あはぁっ!」
 突然の感触に、優里は、これまでと少し毛色の違う声を上げた。
(な、何っ?今の…)
 初めての感覚に戸惑っていると、
「どうだ?気持ちいいだろう?」
 と、男が、してやったりの顔で、
「ここは“スペンス乳腺”といって、女の隠れた性感帯だ。今から、ここをたっぷり開発して、胸だけでイキ狂う淫乱な身体にしてやるぞ」
(…!)
「い、いやっ!」
 男の指が這い回ると、むず痒い感覚が乳房全体を包む。
 スペンス乳腺は、別名「胸のGスポット」と言われているところで、まだ、その快感に気づいていない女性も多い。
 優里も知らなかった。
 だからこそ、今、初めてそこを責められて少し動揺している。
 そして、そんな動揺は、抵抗したり、声を抑えようとするのに邪魔だった。
「んっ…くっ、あっ…やぁっ、はうっ!」
 出したくないのに漏れてしまう吐息。
 男の指は振動を纏い、乳房を押し上げるようにスペンス乳腺を刺激する。
 豊満な乳房が、ぷるぷると揺れる。
 その揺れが、先ほどまでより、一層、性感を高めていく。
(な、何なの、この感じ…?初めての感覚…き、気持ちいい…かも…!)
 一瞬でもそう思ってしまったが最後、次第に男たちのペースに飲まれていく優里。
 男の指は、胸の形を強調するように、たぷたぷと肉を揺らしながら揉みほぐす。
 その責めに甘い吐息を漏らし、拘束されたまま艶かしく身体を揺らすと、責める男たちも触発され、またさらに責めがエスカレートしていく。
(つ、冷たいっ…!)
 ふいに谷間に垂らされるローション。
 それも、ただのローションではない。
 この状況で使うのだから、もちろん、媚薬成分配合の性拷問用の特製ローションだ。
 それを振動する指が乳房全体に塗り広げていく。
 もちろん、スペンス乳腺のあるところにも、だ。
 そして再び、その部分を責められると、ついさっきまでとは段違いの快感が押し寄せ、
「ひゃあぁぁっ!」
 と、優里は思わず絶叫した。
「おら、こっちもだよ!」
 ヌルヌルになった勃起乳首を指先で擦り上げられる。
「んひぃぃっ!」
「じゃあ、俺はこっちだ!」
 同様の責めが膨れ上がったクリトリスにも襲いかかる。
「ダ、ダメェ!あぁっ!イ、イクっ…!」
「何だ、イクのか?」
「じゃあ、やめだ」
 途端に離れていく指。
 身体に残るのはスペンス乳腺を揉みほぐす左右十本の指だけ。
「やぁっ…な、何で…?」
 すっかりとろけた顔で不満げな声を上げる優里。
 男たちはその様を笑って、
「何だ、もう降参か?あっけないな」
「今まで堕としてきたヤツらより、断トツで意気地がねぇや」
「スケベそうな顔してるもんなぁ。実は、とんだ好き者のド淫乱女なのかもしれねぇ」
 笑う男たち。
 しかし、いくら笑われても収まらない快楽の炎は、一度、火がつくと収まらない。
 ふくよかな肉体をもどかしそうにくねらせて悶える優里。
 その誘いに対し、男の指は、再びスペンス乳腺を刺激することで応えた。
「ああぁっ!んんっ!やぁっ!」
 さっきまでより、明らかに大きな声で喘ぐ優里。
 それは、男の言った通り、徐々に性感帯として開発されてきたということだろうか。
 男の指がツボを押すようにグリグリと乳房の付け根を刺激すると、
「あ、あぁっ!んっ!ダ、ダメっ!!」
 と声を上げ、優里は身体を反り返らせる。
 ローションの効果も相まって、滑らかに這い回る男たちの指に敏感に反応する優里。
「よし、そろそろ仕上げといくか」
 その声で、三人ぶん、計三十本の指が乳房のまわりに集結し、そのスペンス乳腺と呼ばれる一帯を一斉に刺激した。
「あぁっ!ひぃっ!す、すごいぃぃっ!!」
 ついに快楽を肯定するような発言を声に上げ、身体をガクガク震わせて悶える優里。
「おら、どこが気持ちいいんだ?」
「お、おっぱい…!おっぱいがすごいのぉぉ!」
 ヨダレをだらだらと垂れ流し、すっかりメスの顔になった優里は、もはや発言に躊躇もしない。
「さぁ、胸だけでイッてしまえ。これで開発完了だ!」
 そう言って男たちの指の動きが激しさを増すと、
「ああぁっ!イ、イクっ!イッちゃうっ!おっぱいだけでイッちゃうっ!!んあぁっ…!」
 性感帯となった乳房をブルンブルンと弾ませ、身体を痙攣させる優里。
「あ…あ…」
 余韻に浸り、目を見開いたまま宙を仰ぐ優里の様に満足そうな男たち。
 一人が、ピッと人差し指で乳房をなぞるだけで、
「やんっ…!」
 と、優里は甘い声を上げた。
 それほどまで感度が上昇している証拠だ。
「どうだ?スペンス乳腺を開発された感想は?」
「これでもうお前は胸を揉まれるだけでイッちまう敏感な身体になったということだ」
「これからはオナニーが捗るんじゃないか?ハッハッハ!」
 男たちの嘲笑。
 それに対して反論もせず、それどころか、まだ物欲しそうな目をして男たちを見ている優里。
(もっとぉ…もっと触ってぇ…!)
 その恍惚の表情は、普段、毅然とした態度で捜査官の任務を務めていた女とは、到底、思えない…。

鰹のたたき(塩) ( 2020/01/09(木) 19:38 )